働くという言葉の裏に
何があるのか。
そんなこと、考えたことがなかった。
今日は大雪予報。
そんな日に限って四半期に一度の
大切なミーティングの日。
そしてこんな時に限って、
昨日愛犬らっちゃんが天国に旅立ち、
昨日の夜、お花を渡しにらっちゃんの元へ。
そして今朝、
心ここに在らずで向かったミーティング。
正直、今日くらいは休みたいと
後ろ向きな気持ちで向かっていた。
らっちゃんのお葬式に行こうと思えば行けた。
きっと。
でも、私が向かっていたのはミーティング。
今の私に必要な時間だと思ったから
らっちゃんのお葬式は家族に託して、
私は仕事に向かっていた。
今思えばこの行動が答えだったと思う。
60歳以上の男女に
・失って後悔したものは何?
・人生後悔ランキング(健康部門)
どちらも1位になったのはなんだろう。
実は、1位は"歯"。
もっとちゃんと歯の定期検診に
行っておけばよかった。
歯のケアをしっかりしておけばよかった。
と多くの人が感じている。
だって考えてみてよ。
歯がなくなったら
食べられないし、喋れないし、笑えない。
そんな人生ってどうなの?
生きてる価値が見出せなくなると思う。
生きていて、
食べなくていい、
誰とも喋らなくていい、
笑わなくていい、
そんな人いないんじゃないかなって。
いたらそれはもう病院に行ったほうがいい。
何かしらの病気だと思う。
歯がないことは全ての病気の元となる。
栄養を摂れなくなるから。
歯はないけど超健康!って人、
あんまり見たことない。
歯があることは"健康であること"の土台。
最低条件だと思う。
そこで、歯科衛生士という仕事について
考えてみる。
歯科衛生士という職業の認知度は
アメリカではかなり高い。
取得が大変なアメリカの歯科衛生士免許。
アメリカでは、歯科衛生士の年収は約800万。
高給が約束されている上、
社会的地位も高い職業の一つ。
でも日本では知られていない職業の一つ。
歯科衛生士というと、歯科助手と間違われる。
ただ歯科医師の横に立ってつばを吸う人と
よく間違われる。
歯科助手も歯科衛生士もそんな簡単な
仕事ではない。
歯科助手は無資格でできるが業務内容は難しい。
歯科衛生士は国家試験を経て得られる
国家資格で、歯科助手と業務が全然違う。
どちらもステキな仕事。
もちろん歯科医師も。すごい仕事。
でも私、歯科医師じゃなくて
歯科衛生士でよかったなってめちゃくちゃ思う。
そりゃあ病気を治す歯科医師はかっこいい。
でも、病気を発症していない時から関われる
歯科衛生士ってめちゃくちゃいい。
医療機関なのに健康な人と関われる。
さらに、歯を抜く前に出逢えれば
歯を失う前に関わって助けることができる。
それってめちゃくちゃ特殊な職業だなって。
そしてすごくステキな職業だなって。
我ながら職選びのセンスがあるなと思って。
最近はGoogle口コミに
マイナスな投稿ばかり書かれていて
少し気分が落ち込んでいた。
もちろん私たちがやっていることは
間違っていない。
でも、合わない人も一定数いるんだ。
私たちがやっている
歯科先進国、スウェーデンの予防歯科モデルは
日本で受け入れられるのはまだ先だと思う。
それをうまく伝えられていないことも
Google口コミの原因だと思うから
口コミを書いた人を責めることはしない。
けど、過度にそれを自分ごととして受け止めて
合わない人へどうしたら来てもらえるかを
考えるよりも、
私たちの想いに共感してくれて
通ってくれる患者さんたちが
一生ここに通いたい
一生ここでみてもらいたい
と思ってもらうにはどうしたらいいか
考えるほうが有意義だなって。
Google口コミって結構参考にされることが
多いと思うんだけど、
いい口コミってわざわざ書かないからなぁ。
これは医療機関も飲食店も。
とはいえ、より多くの人に
本当の予防歯科を届けたいと思う。
今日のミーティングで
私の使命って何だろうって
改めて考えるような話があって
今年一年私は何をがんばろうって。
そこで、頭に浮かんだことがあってね。
私がこの仕事を全うしている裏側では
何が起こっているんだろうとふと思ったの。
最近、小学生の頃から通ってくれている子が
大学受験生になって、
勉強が大変な中9年も定期検診に通ってくれてて
その子は乳歯の頃むし歯があって
でも、ちゃんと自分に必要な予防を
小さい頃に身につけていて、
永久歯列はむし歯ゼロ!すごい。
この間の定期検診のときに、
歯科衛生士学校に合格したと報告をもらった。
めちゃくちゃうれしかった。
高校に入学した頃からずっと
歯科衛生士になろうかなって話してくれていて
その時はまだ将来何になりたいとかなくて
ぼんやり、ずっと歯医者に通ってるし
歯科衛生士の私とずっと関わりがあったから
目指す職業の一つとして
考えてくれてるんだなって
それだけでうれしいなって思ってたけど
まさかその子が本当に
歯科衛生士の大学に進学する日が来るなんて。
そしてもう一つ驚きなことがあって。
保育園の頃から通ってくれている女の子が
今小学生になって、
歯科衛生士になりたいって
自分の口で言うの。
小学生の時に歯科衛生士なんて言葉
私知らなかったよ。
その子はね、歯医者さんが少し怖くて
今も今日は何をするの?って
不安そうに聞いてくるんだけど、
先日日本歯科大学で行われた
歯科衛生士体験に行ってきたって
ご家族の方が写真を見せてくれて。
歯科衛生士になりたいって
ずっと言ってますって。
相馬さんみたいになりたいって
言ってますよって教えてくれて。
泣きそうになった。
全身鳥肌がたった。
実は今、私の勤める歯科医院で
バイトに来てくれている大学生がいて、
その子は小学生の頃から通ってくれている
患者さんで、今私と同じ大学の同じ学部学科で
歯科衛生士を目指して学んでいるの。
なんか、私が歯科衛生士になった時、
こんな未来は想像してなくて。
バイトに来てくれている子は
別に私をみて歯科衛生士になりたいと思った
とは聞いていないのだけど。笑
なんか自分の周りに
私を見て歯科衛生士という職業を知って
それになりたいと思ってもらえるのって
めちゃくちゃうれしいことだなって思って。
ちょっとだけ話はズレるけど
私の患者さんだった一人の女性。
何と今は私と一緒に働いてくれている
敏腕歯科助手さん。
私を見て楽しそうに働いているなって思って
歯科助手の面接を受けに来てくれて
患者さんからスタッフに変わったの。
歯科衛生士冥利に尽きるできごとが
私の周りでは起きすぎている。
これって私が働くことの意味だなって。
働くという言葉の裏側って
こんなふうになっているんだって。
専門職についてよかった。
本当にそう思う。
歯科衛生士になってよかったって。
私は自分が歯科衛生士であることに
すごく誇りを持っていて
こんなこと言ったらおかしいかもしれないけど
歯科医院ってどうしても
歯科医師が一番偉くて歯科助手は下で
みたいなヒエラルキーが生まれがち。
でも私が働く歯医者さんは違う。
みんな尊敬しあっている。
歯科医師を変に尊重することも
歯科助手を見下すようなこともしない。
みんながみんなの仕事を尊敬していて
みんなありがとうの気持ちで働いている。
そのおかげで、私は歯科衛生士であることに
誇りを持つことができる。
私は歯科医師のように治療はできないし
歯科助手のように質の高い治療のアシストは
できない。みんなすごい。本当にそう思う。
それと同じで、
歯科衛生士という仕事も本当にいいなって
思ってて。
その中でも私が歯科衛生士であることで
与えている影響は微々たるものだけど、
ちゃんと存在意義はあると思っていて。
今思い返せば
私は自分の歯医者を斡旋することはしない。
いい歯医者教えてと言われたら
正直勤めたことがあるところ、
知り合いのところや見学したところ以外は
何もわからないので答えないようにしている。
でも歯医者といえば私というイメージで
自然といろんな人が連絡をくれる。
お口の中の悩み相談の連絡をくれる。
私すごくこれがうれしくて。
1聞かれたら100答えたくなっちゃう。
前にさ、知り合いの理学療法士さんに
手首が痛くてって話したらね、
「みてみないと何もわからない」
とだけ言われたことが私忘れられなくてさ。
同じ医療従事者として、
確かにみてみないと何もわからないのだけどさ
寄り添う気持ちって大事だなって思うわけ。
私はお口の悩みを相談されたとき、
みてみないとわかんないから、
私の歯医者に来て。なんて言わないよ。
でも、みんなが集まってきてくれる。
私のところに。
1聞かれると100答えちゃうから
なんかそこでもう解決しちゃうくらいなんだけど
さきちゃんのところに行ってみようかなって
言ってくれる。
すごくうれしい。
私の暑苦しい歯への想いが伝わった瞬間。
誰かに頼られるってうれしいよ。
働くという言葉の裏側に、
こんなあたたかいエピソードがいっぱい
できるなんて聞いてないよ。
歯科衛生士って最高じゃん。
まじ聞いてないんだけど!
って感じ。
長くなりすぎて
ここまで読んでくれた強者はいないと思うけど
こういう気持ちって熱いうちに記録しないと
なくなってしまうから。
気持ちはナマモノだから。
自分のために残しておきます
より多くの人に
質の高い予防歯科を届けるために
妥協はしないし
強い意志を持って口コミに左右されない
(口コミを無視するのではなくて
ひとつの意見として受け入れる気持ちでね)
私たちが私たちを信じないと
患者さんから信頼なんて得られないから。
私は私たちを信じて明日からまた
多くの人のお口のサポートをしていきたい。
直訳すると"歯で生き残る"
私が去年のくれに立ち上げた
まぁ、プロジェクト的な?
生涯自分の歯を残すのは誰だ
ある種バトルのような
みんなで競い合って
ゲームみたいに楽しく
自分の歯を残す、人生を賭けたゲーム。
そして歯を残した者は強い。
まさにTEETH SURVIVOR。
そんな想いで立ち上げたTEETH SURVIVOR。
今年は少し活動していきたいな。
働くという言葉の裏側の世界は
明るくてあたたかい。
今日もしあわせだ。
サの人