
さっぽろ 日めくりカレンダー No.001
2025.1/11~1/20 (奇数:●さいさい 偶数:〇遥々岬)
札幌を舞台に繰り広げられる摩訶不思議な物語を、
《詩(し)りとり》形式でXにて毎日連載中🌇
言葉がつながり、物語が紡がれる――。
しりと「り」
りんごのケーキを焼きました
懐かしいあの味
故郷のみんなは元気かしら
「り」→「ら」
ラジオの音
おすすめの曲
A列車で行こう
「ら」→「う」
うさぎが飛び回る 広い庭
眺めてこのまま寝てしまいそうね
「う」→「ね」
ねぇ おねえちゃん
手を繋いでみない?
こっち 振り返らなくていいからさ
そうするものなんでしょ
夕焼けの帰り道って
明日には名字
違うんだし
今日くらいはさ
あの日の帰り道を歩こうよ
「よ」→「ら」
夜になったから
こっそり屋根から抜け出して
散歩でもしようかしら
「ら」→「な」
ライラック
春と夏の端集い
大通り公園
木陰のベンチ
可憐に仕立てる
しろ ぴんく むらさきの花
「な」→「わ」
ながい ながい 厳しい冬が終わった
また色とりどりの季節が始まるわ
「わ」→「り」
綿毛に掴まり
そよ風が吹くまま
5つの山を越えたい
きっと違うんだ
空気の舌触り
「り」→「る」
流氷というものを
初めて見たの
海の命をここに感じる
「る」→「つ」
ルリユール
それは美しい革の本
祖父から父へ
受け継がれた
我が家の記憶
楚々とした佇まい
書棚にそっと存在感を放つ