パワハラ疑惑問題をきっかけに上司との関係を振り返ってみた
今回の全柔連でのパワハラ疑惑問題は、いち柔道家としてとっても残念な出来事でした。
多くの柔道家が私と同じような気持ちになったのではないかと思います。
この問題をきっかけに、私は上司との関係を振り返ってみました。
振り返って見ると、同じ柔道界にいるけれど、私はすごく恵まれてるなと。そういう風に思わせてくれる柔道家が一番身近にいることを伝えたい!と想い、今この記事を書いています。
スポーツ界を賑わしたパワハラ、女性軽視。その問題と向き合いながら、自分の現状を伝えたいと思います。
まずはじめに、私は日本大学で助教をしながら女子柔道部のコーチをしています。
その女子柔道部監督の北田典子先生が私の直属の上司となります。
北田先生の経歴や実績は改めて紹介するのもおこがましいので簡単に。
ソウルオリンピック銅メダリスト、日本大学スポーツ科学部教授、全日本柔道連盟理事。
これだけでも、ざっくり言うとすごい人。
簡単ですが伝わったのではないかなと思います。
そんな北田先生と私の立場は、一般企業で言うと取締役と平社員くらいのレベルの差です。
そんな北田先生と女子柔道部監督とコーチとして働き出してから四年。
私達は色んな人から「最高の関係性だね!」と言ってもらえるパートナーとなっています。
北田先生の部下への接し方が、今後どのような社会でも求められる、理想の上司像になるだろうと私は確信しています。
北田先生がどのような上司力を持っているか、これから順番に書いていきたいと思います。
①部下を認めて信頼する
北田先生は女子柔道部の現場の大部分を私に任せてくれています。これは意外と簡単な事ではありません。それを北田先生は徐々にではなく、すぐ実行しました。任される事で信頼され、認められていると私は感じながら仕事ができています。押し付けてるのではなく、任せてくれている、そういう風に部下の私が感じれている事こそが北田先生の上司力の高さではないかと思います。
②部下に感謝を伝える
北田先生は常々私に感謝を伝えてくれます。それも「ありがとう」ではなく、なんなら「ありがとう」なんて感謝の言葉は毎日言われているので当たり前すぎて書く事でもないほどです。どんな言葉かと言うと「一緒に仕事ができて幸せだ」「あなたに救われた」「信頼している」など文字にすると恥ずかしくなりますが、四年間ずっと言い続けてくれています。しかも直接。上司にありがとう以外でこんなに感謝を伝えてもらった事がある部下はいるのかなぁ。
③立場や年齢関係なく
私と北田先生は仕事を始める前は殆ど接点がなく、まともに話した事もありませんでした。そんな私をなぜ誘ってくれたのかとても不思議でした。誘った経緯を教えてもらった時に、北田先生はこう答えました。「自分の教え子や関係者ではなく、学生に、柔道部にプラスになってくれる人をと決めていた。あなたなら必ず学生達の力になってくれると思ってお願いした。」自分のやりやすさよりも、学生の環境を整える事を最優先に考えられていた事にすごく感動しました。
これ以外にも飲みニケーションがないとか、嫉妬や束縛がないとか、干渉しすぎないとか、おっちょこちょいな一面があるとか、北田先生の素敵な所をあげたらきりがないのでこの辺で。(全て簡単なようで簡単ではない事なんだよなぁ)
ただ、勘違いしてはいけないのは下の立場(私の立ち位置)の者がその優しさに甘え、あぐらをかき、何を言ってもいい、何をやってもいいと言うことではありません。
お互いが信頼感を持ち、使命感を持って仕事に取り組む事でバランスが保たれるはずです。
あまりにも北田先生が優しく、勘違いしてしまいそうな自分がたまに居るので、自戒の念を込めてここに。
そして冒頭でも書いた通り、別に自分の環境が恵まれてる事を自慢したかったわけではありません。
オリンピック開催が間近に迫り、コロナ禍の中良い意味でも悪い意味でも注目されているスポーツ界において、がっかりするようなニュースも多くありました。
でも、柔道界は止まってたわけじゃない。全日本柔道連盟の理事である北田先生は数年前からずっと先進的な環境作りをし、女性指導者として後進を育てる事で、女性の道を広げている。
そういう努力をしている人達もいるのだと言うことを少しでも知ってもらいたかったのです。
それは一般の方だけではなく、同じ柔道家にも。
大好きな柔道がこれからも普及、発展していくためには自分達が変わっていかないといけない。
北田先生のように、私が後輩達に環境を作ってあげれるよう自分自身の力をつけていきたいと思います。