知の探求と女性の学び 『天幕のジャードゥーガル』1巻
近頃は様々な歴史を舞台にした漫画が多く、今どきの学生が羨ましい限りです
この作品はイスラーム文化史、モンゴル史のとっかかりとして面白く
また学ぶということとは何かを解りやすく見つめ直す事ができる作品でもあるように思います
第1巻ではイスラーム文化圏の学者の家庭で育った奴隷の少女がモンゴルまで連れて行かれるお話し
時代としてはホラズム朝の滅亡の時期(1219年)となります
奇しくも日本では源実朝が鶴岡八幡宮で斬られ
源氏による鎌倉幕府が終わりを告げた年でもあります
モンゴルでは天幕を時計として利用していたとか、面白い話が盛り沢山
イスラームでは女性が抑圧されているイメージが強いのですが、少なくとも13世紀頃において
中央アジアのイスラーム世界は、女性の学びについて最も先進的であったように思います
この作品よりちょっとだけ前の時代が気になる方は伊藤悠『シュトヘル』もオススメ
トルイとなったユルールがこんな粗雑な男なはずがない!(フィクションです)
なお、北方謙三『チンギス紀』最新刊の第15巻でもモンゴル軍とホラズム軍が激突中
興味のある方はそちらも是非