ウォーズ五段までの道のり(初段〜二段編)
さて、今回は私が初段〜二段の頃に行っていた勉強について書いていきたいと思います。
(このモチベーションが保てているのが奇跡に近い笑)
これを見てくださっている方は初段以上の方も多いと思いますので、将棋を強くなるうえで最も大切な「継続」という部分は既にクリアされているのでしょう。
ただ当たり前ですが、これから先はポンポンと段位は上がらず、すぐに結果に結びつくことは少ない場合がほとんどです。楽しみながら将棋を続けていきたいですね。
初段〜二段の頃の勉強
級位者の頃はあまり棋書を持っていなかった私ですが、初段になった後は棋書での勉強も始めました。
また、なんとなくで行っていた棋譜並べも本格的に取り組むようになりましたね。中終盤力の強化のために次の一手問題の棋書も読んでいました。
具体的な内容は以下の5つです。
①詰将棋
②手筋、次の一手
③棋譜並べ
④棋書で序盤を固める
⑤実戦
ひとつずつ解説していきます。
①詰将棋
基本的には級位者の頃の延長で、5手〜7手詰めの詰将棋を繰り返し繰り返し解いていました。
おすすめはお馴染みの「ハンドブックシリーズ」か、高橋道雄先生の「5手詰将棋」や「7手詰将棋」になります。
個人的な意見ですが、コレ!と決めた1冊を完璧にするまで他の詰将棋本には浮気しない方が良いと思っています。
②手筋、次の一手
手筋の勉強については、級位者の頃は「羽生の法則」で駒ごとの特性を活かした手筋を勉強しましたが、今度はより難易度の高い中終盤の手筋について勉強していきます。
私が特におすすめしたい棋書は、
「寄せの手筋200」
「美濃崩し200」
「羽生善治の終盤術1〜3」
になります。
「寄せの手筋200」と「美濃崩し200」は本当に名著なので、必ず繰り返し解いてください。これをマスターしているかどうかで、終盤のスピード感が全く違います。
「寄せの手筋200」で様々な局面での手筋を勉強し、「美濃崩し200」で遭遇率の高い美濃囲いの簡単な崩し方を覚えてください。振り飛車党の方も相振り飛車などで美濃囲いを相手にすることもあると思いますし、逆に美濃囲い崩しを受ける立場での勉強にもなりますので、取り組んでおいて損はしません。
(実は同じシリーズで「凌ぎの手筋200」もあるのですが、これはかなり難しいので、初段や二段のときに手を出すとかなり苦戦すると思います。)
また、追加で「羽生善治の終盤術」の3冊も勉強しましょう。この棋書も本当に内容が濃密で、とても勉強になります。
注意点としては「1→2→3という順番ではなく、3→2→1の順番で取り組む」ということです。正直この棋書は1が本当に難しいです。1は三段になってから取り組んでもいいかもしれません。もし難しく感じたら、こう指すものなんだな~程度でななめ読みでも構いません。可能な範囲で取り組みましょう。
③棋譜並べ
個人的にはおすすめしたい勉強法ですが、棋譜並べはあまり人気のないイメージがあります。以前にも書きましたが、どうしても苦痛ならやらないほうがいいかもしれません。もし棋譜並べが楽しいと感じるのであれば、ぜひ取り組んでみていただければと思います。
この頃に私が行っていた棋譜並べは、「自分の指す戦型のプロの棋譜を並べる」、「自分より少し強い方の棋譜を並べる」の2つです。
プロの棋譜並べでは、当時私は四間飛車穴熊を多用してましたので、広瀬八段の「広瀬流四間飛車穴熊勝局集」を並べていました。ここら辺は自分が居飛車党か振り飛車党か、棋風は攻めか守りかというところにも左右されますので、似たタイプのプロの方の棋譜を並べてみるのがよいと思います。
自分より少し強い方の棋譜を並べるというのもおすすめです。
(といいますか、上達的にはこちらのほうが効率いいかもしれません)
初段や二段の方でしたら、ウォーズ四段~五段くらいの方の棋譜をYoutubeで探すのがよいでしょう。ここでも自分の棋風とかを参考に、似たようなタイプの方の棋譜を並べていただければと思います。
また、おすすめの並べ方ですが、個人的には同じ棋譜を3回くらいは並べてほしいな~と思います。
一度で棋譜をすべて覚えられるくらいの方でしたら特に問題ないのですが、そのような方ばかりではないでしょう(私は全然覚えられません笑)。
ですので、初回は一手ずつ「次はこの手かな?」と考えながらゆっくり並べて、2回目や3回目は棋譜(棋書や動画)を極力観ないで、自力で再現するように並べていただければ、かなり棋譜から栄養を吸収できるかなと思います。
よい棋譜には栄養がたっぷり詰まっていますので、何度も反芻しましょう。
④棋書で序盤を固める
ここも人によっては好き嫌いの意見が分かれる部分ですね。
私は本を読むことに苦痛を感じないので全然問題なかったですが、苦痛に感じる方は動画などで勉強することをおすすめします。
さて、棋書の種類ですが、基本的には自分の指す戦型の、口コミや評価がよい棋書を選んでいただければ問題ありません。ただ、解説は可能な限り分かりやすく丁寧な棋書がいいですね。
勉強の仕方は「棋書の内容を丸覚え」したい方も一定数いらっしゃると思いますが、あまりおすすめはできません。四段以上くらいの方はしっかりと覚えておくことも必要になりますが、初段や二段の方の対局で定跡どおりに進むことは稀だと思います。
では、どのようなところに注意するのかというと、「序盤の手の意味を一手一手しっかりと理解すること」です。
序盤の手は何気ない手が多いです。最終的にはどうせよくある局面に落ち着くし、別にどんな順序で陣形を整えても同じでしょ?と思われる方もいらっしゃるでしょう。しかし実際には一手一手に意味がしっかりとあります。その意味を理解していれば、丸暗記していないくとも、実戦で大きく定跡から外れることはありません。
ただ、将棋は序盤よりも中盤、中盤よりも終盤です。
序盤の勉強には時間を割きすぎず、中終盤の勉強をメインにしましょう。
⑤実戦
さて、皆さんお待ちかねの実戦です(笑)
実戦は大抵の方が大好きだと思うのですが、問題は振り返りです。皆さんちゃんと終局後は振り返りしてますか?
有段者の方はしっかりとソフト等で振り返るのがよいでしょう。
序盤も大事になってくるので、序盤からソフトで悪手や疑問手がないか確認していきます。
自分が対局中に考えていた構想と、ソフトの手を比べながら、なぜ自分の構想がダメなのかをしっかりと確認し、次に活かしていきましょう。ある程度実戦の戦型を固定している方でしたら、同じような序中盤になることは目指しくないと思います。
まとめ
さて、今回は自分が初段~二段くらいのときに行っていた勉強について書いてきました。
少し厳しいことを言いますと、初段や二段の方は、三段や四段の方に比べて一目で違和感のある悪手や疑問手を指すことが多い印象があります。
(高段の方でもミスはありますが、分かりにくいミスだったりします)
手筋の問題や、次の一手問題、棋譜並べ等を通じてミスが減ると、棋力も劇的に向上すると思います。一局一局丁寧に指したいものですね。
(これについては最近私も指し手が荒れているので反省しています)
さて、次回は三段~四段編について書いていきたいと思います。
私もこの段位だった頃、なかなか上達も感じられず、有効な勉強についての情報も少なく、かなり苦戦した経験があります。
どこまで皆様のお役に立てるか分かりませんが、頑張って書いていきたいと思います。
今回も読んでいただきありがとうございました!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?