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陽動居飛車(将棋ノートpart7)
こんにちは、先日娘がテレビに写ったジャングルポケット斎藤さんを見て「パパ!」と指さしてました……なるるです(゜o゜;
今回はツイッターでもたまにご紹介している対居飛車用の陽動居飛車について書きたいと思います!
最初に申し上げておきますが、今回の変化手順は私の実戦で特に多いものを中心に検討しています。相手に正しく対応されれば互角か若干こちらが悪い作戦なのですが、正しく対応されたことはあまりないです。おそらく相手も焦るのでしょう(・o・;) 私もこれで四段や五段の方にも勝てていますので、互角に持ち込めれば経験値のある陽動居飛車側が有利かなと考えています!
また、この作戦はあくまで奇襲になると思いますので、「この戦法で強くなる」というよりは「ここぞという場面で使う」という裏芸として持っておいて損はないかなという感じです。
陽動居飛車の序盤
▲76歩 △84歩 ▲68飛車 △34歩 ▲66歩 △85歩 ▲77角 △62銀 ▲78銀 △42玉 ▲67銀 △54歩 ▲78金 △32玉 ▲38銀 △52金 ▲36歩 △53銀 ▲37銀 △33角
初手▲76歩から78金型の四間飛車に構えるのが最序盤の構想です。相手の方は居飛車であればほぼ舟囲いに組んできます。△53銀のところは△74歩や△42銀などもあるところですが、何故か私の対局では△53銀〜△33角が圧倒的に多いので、今回は後手53銀33角型を検討します。
△44歩型
▲38飛車 △44歩
相手の△33角に対して▲38飛車がこの作戦の骨子。ここで相手の対応は大きく2つ。1つ目は△44歩です。△43金と上がるスペースを設けて、がっちり守ろうという構想です。これには陽動居飛車側は3筋突破を目指していきます。
▲35歩 △同歩 ▲46銀 △43金 ▲35銀 △22玉 ▲34歩 △42角
▲35歩の突き捨てで勢いをつけてから銀を繰り出していきます。後手としては▲35銀に△34歩としたいところですが、同銀から金銀交換して先手が700点ほどプラスになってしまいます。そこで後手は△22玉と飛車の効きから逃げておきますが、▲34歩で拠点を作ります!
▲65歩 △32銀 ▲56銀 △74歩 ▲46歩 △33歩 ▲同歩 △同銀 ▲34歩 △24銀
▲34歩以降の構想は色々ありますが、一番分かりやすいのは▲65歩〜▲56銀〜▲46歩として、44の地点を狙うことです。▲45歩が入れば後手は同歩とは取れませんのでほぼ先手勝ち。 それまでに後手は攻めを防がなければいけませんので33歩で銀を進出させます。
▲44銀 △同銀 ▲45歩 △33銀右引 ▲同歩成 △同銀 ▲44銀
▲24同銀としたいところを▲44銀とし、▲45歩から攻めていきます! 結果的に飛車と角のラインを活かしての攻めが強烈で先手よし!
△44銀型
▲38飛車 △44銀
△44歩に代わって△44銀型もあります! △44銀型はすぐには攻め潰せない形なので少し厄介です。▲46銀と上がっても▲35歩が防がれています。 ここからは無難に玉を左に持ってきて、普通に雁木に組むのも1つの手ですが……それでは相手にとっても「よくある雁木」に落ち着いてしまうので、あまり自分は指しません。
▲46銀 △22玉 ▲37桂馬 △32銀 ▲58玉 △42角 ▲48金 △74歩 ▲39飛車 △14歩 ▲16歩 △64歩 ▲29飛車 △63金
私は44銀型には中住まい+下段飛車に組むことが多いです。将棋ソフトが好みそうな陣形です。互角の形勢なら自分の経験値の活きる形にすることが重要だと思っています。(私は右玉や中住まいが結構好きです)
▲56歩 △73桂 ▲26歩 △94歩 ▲25歩 △95歩 ▲68角
ここからは相手の出方次第なのですが、もし駒組みを進めるなら▲56歩〜▲68角の形を作ります。次に角を活かしての▲35歩等からの攻めを見ています。
△65歩 ▲同歩 △75歩 ▲24歩 △同歩 ▲25歩 △同歩 ▲35歩 △同歩 ▲同銀 △同銀 ▲同角
相手も△65歩などから動いてきますが、▲24歩からの継ぎ歩と35地点での銀交換で攻めていきます!
△44銀 ▲同角!! △同歩 ▲35銀打 △26歩 ▲同飛車 △23歩 ▲34歩
△26歩〜△23歩で防いできますが、▲34歩と拠点が大きく先手有利! この後は▲25桂馬から▲33銀打などで攻めが続きそうですね!
まとめると、 ①△44歩型には、▲35歩から銀を繰り出し、▲65歩〜▲56銀〜▲46歩で飛車+角のラインで攻めていく!
②△44銀型には、中住まい+下段飛車のソフトが好みそうな形にし、▲56歩〜▲68角で 2筋と3筋を攻めていく!
①も②も相手が△33角と上がらないパターンはありますが、その場合も基本的な攻め筋は変わりませんので、同じような方針で指して大丈夫だと思います!
陽動居飛車に対する他の形
数は少ないですが、実戦で出てきた他の形も簡単に紹介します。
三段の方との対局。相手の方がこちらを振り飛車だと思い込み、早々にエルモ囲いにしてきました。これには▲38飛車と袖飛車として3筋を攻めていくのがいいでしょう。そもそもエルモは横からの攻めには強いですが、縦の攻めには弱いです。3筋から攻めていけばこちらが自然と良くなります。
次に四段の方との対局。これも早々にこちら振り飛車だと思い、天守閣美濃を目指してきました。玉頭を直接攻めるために2筋に飛車を戻しました。 相手の作戦は失敗で、序盤のペースを握れました!
以上が陽動居飛車の変化でした!(*´ω`*)
もちろん紹介した以外の変化も色々あります。 しかし、相手にしてみればあまり経験が無い形だけど、こちらは指し慣れているという状況はここ一番ではかなり大きいと思いますので、皆さんも興味が湧いたらぜひ試してみてください!
改めて申し上げておきますが、個人的にはこういう奇襲戦法は「将棋の上達」のためではなく、「勝ちにこだわる」という場面で使うべきものかなと考えています。将棋の筋そのもののレベルを上げるには、やはり正統派な将棋が一番だと思います。あくまで奇襲はメインではなくサブとして備えておいて欲しいです。
もし他にも「これが知りたい!」とか、こういう分野でノートを書いてほしい!ということがありましたらぜひ教えてくださいね!(書けるとは言ってない)
また気が向いたらノート書きます(・∀・)