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Less is more

昨日の感覚を忘れないように残す。

昨日は、秋田県のある真昼岳という山へ。
新しく揃えた登山グッズを身にまとってワクワクしながら登った。
山頂までは約3時間。
沢があったり、ブナ林があったり、決して簡単なコースじゃなかった。
でも、
山頂はやはり壮大で、苦しさを忘れさせるものだった。

そんな登山で、新たな魅力を発見した。
それは、登山は人生の縮小版ということ。
よく言われていることかもしれないが、昨日それを実感した。

近道はなく、
険しい道があって、
通れない区間があって、
時に遠回りをしながら、
怪我をしながら、
休憩をしながら、
仲間と話しながら、
山頂というゴールに、一心不乱で駆け上がる。

そして、登山の途中で心優しいおじさんに出会った。
そのおじさんは、道中の花や木の名前を詳しく教えてくれた。
近隣の山も、温泉も、沢山教えてくれた。
そんなおじさんの目は輝いていた。
きっと登山を愛してやまないのだろう。
そんな無垢な愛に出会えただけでも、
あの苦しい山に登頂した意味はあったと思う。

そして、
登山という人生においても、
人生という登山においても、
誰かの助けは必要だということ。
おじさんとまた、違う山で会えたらいいな。

もう一つ。
それは、
山登りが与える達成感について。
人生はゴールも終わりもないし、
例えあったとしても、果てしなく遠い。

でも、
山登りは山頂というゴールがある。
目の届く範囲に、イメージしやすいゴールがある。

競争が永遠に続いていく今の社会において、
登山によって、
ゴールを達成するという感覚を得るのは良いかもしれない。

登頂後は、近くにある
「サン・アール」という温泉施設へ。
ここも、あのおじさんに教えてもらったところだ。
スマホではなく、直接教えていただいた場所はなぜか好きになる。

その温泉施設に入ると、
なぜ美しさを感じた。
現代アートのような感じ。
洗礼された空間に、ミニマリズムを感じた。
ミースの建築を思い出させるこの施設は、
まさに "Less is more"。
無駄がなかった。

そんな感情を一瞬で描いて、温泉へ向かった。
一面ガラス張りの美しさにびっくり。
その奥にある新緑な自然たちに目を奪われた。
サウナに入った後は、実際に外に出た。
美しい自然たちと、小鳥の音色、かすかに聞こえるピアノの音が、
僕を"ととのい"へ誘った。
今までで、体験したことのないサウナだった。
そんな温泉も、今日からリニューアル工事らしい。
もう二度と、同じ温泉に入れないと思うとマイナスだが、
きっとあの温泉は、
また僕を引き込む空間を作るのだろう。
楽しみすぎる。

そんな昨日、5月19日は、
久しぶりにあの感情が溢れた。
あの感情とは、言葉にできないが、
現実を忘れ、
美しいとしか言えない自分を恨むほど美しく、
不思議な感覚になること。

今までを振り返ると、
金沢旅行をしていた時、
修学旅行中に長野県の湖の横をバスで通っている時に流れた”君の名は”を見ている時、
静岡駅から浜松駅へJRに乗って音楽も聞かずに窓を眺めている時。
実家の部屋で夕方に昼寝をして心地よい風を感じた時。
それに似た感情が昨日、いた。

なぜかわからないけど、
そういう感情でいるときの自分が好き。

昨日はよい一日だった。
また登山をしたい。
キャンプもしたい。
サーフィンも、スノボーも。

夢はいくつあってもいいはず。
やりたい事、全部やろう。

疲れたら、もう一度あの温泉に行こう。


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