競走馬の種類について【内国産馬とマル外】~一口馬主的よもやま話
以前、記事のコメントで西宮 ながた整体院さんとちょっとしたお話になりました。そこにインスパイアして今回の記事は書きたいと思います。【2174文字:読み応えがあります。】
自分の記事より面白いです(笑)
見に行ってもここに帰ってきてくださいね(*'ω'*)
意外と多い競走馬の分類
産まれた出自からの分類
まず、一つの分類の仕方として
・内国産馬
・外国産馬
・外国馬
の三種類を挙げる事が出来ます。
内国産馬
出生地が日本国内である競走馬
日本国内で産まれたお馬さんを指します。今は、ほとんどの競走馬を内国産馬が占める状況になっています。そんなん当たり前じゃん?日本の競馬でしょ、と思う方もいるかもしれませんが、実はそうじゃない歴史も有ったのです。
ちなみに
父馬がサラブレッド系の内国産馬であり、自らも内国産馬であるサラブレッド系の競走馬
の事は父内国産馬と区分されます。
外国産馬
日本国外で生産され、日本国外の競走に出走せずに日本で競走馬登録された外国産競走馬
若干わかりにくくなりましたね。具体的にはアメリカなどで生産されて国外の競馬に一度も使った事が無い馬(例:モズアスコット・モズスーパーフレア)を指します。一時期、猛威を振るった事が有りました。
外国馬
日本国外で生産され、日本国外の競走に出走した競走馬
これはシンプルに海外の馬ですね。ジャパンカップなどに来る外国馬がこの内容となります。
内国産馬と外国産馬
今でこそ内国産馬(父内国産馬)が全盛の世の中ですが、30年前は全く様相が違いました。元々、いわゆる父内国産馬はその時代でも劣勢でした。しかし、外国産馬の輸入が急速に進み、内国産馬そのものが逆境に陥ります。外国産馬の台頭に全く抵抗できないような状況になっていくのです。
輸入された数そのものはピーク時でも300頭から500頭程だったのですが、とにかくパフォーマンスの高い馬が多かったです。外国産馬はマル外(出馬表に〇に外の記号で表記されている)、外車と呼ばれ、とにかく外車を狙っとけと馬券戦術にしていた馬券親父も多かったものです。
クラシック・天皇賞における出走制限
外国産馬の猛威に対し、生産界は正攻法では無く外国産馬の出走制限と言う方法で抵抗します。今でも外国産馬は混合のレースしか出られませんし、当時はクラシック・天皇賞も出る事は出来ませんでした。
マル外の全盛期には、トライアルや前哨戦でマル外馬が上位を独占し、負け残りの内国産馬で本番を争うという歪んだ能力検定となっていた時期がありました。1993年から94年にかけてヒシアマゾンは阪神3歳牝馬ステークスでローブモンタントに5馬身差をつけて優勝したものの、出走権がないためクラシックとは無縁の状況となっていました。迎えたエリザベス女王杯では、オークス馬チョウカイキャロル、桜花賞馬オグリローマンを下して優勝と実質の最強牝馬であったことを証明する、などと言う事もありました。
天皇賞に関しては完全撤廃は2005年、クラシックに関しては現在と同じルールになるまで2010年まで待つ事となります。
また、マル外に対するガス抜きの意味合いで96年にNHKマイルカップが創設されます。このレースは当初の6年間優勝馬はマル外で、内国産馬は3着が2回と完全にマル外の強さを見せつけるレースとなっていました。
ここまで頑なな態度を取ると言う事はマル外の天下は永劫と続いたのでしょうか…。って競馬ファンの方はどうなったか知っていると思いますが(笑)
毒を以て毒を制す?サンデーサイレンス降臨
マル外の天下が終わりを告げたのは、1994年に端を発します。
天下の大種牡馬サンデーサイレンスの初年度産駒がデビューした年です。そこから先はまさに破竹の勢い。95年から13年連続でリーディングサイアー、産駒は重賞・G1を勝ちまくり、サンデーにあらねば馬にあらず的な猛威を振るいます。そして、サンデーの仔が種牡馬になっても状況は変わりません。
サンデーサイレンス自身は外国馬ですが、サンデーの仔は内国産馬、その仔(サンデーの孫世代)は父内国産馬となります。皮肉な事にマル外が勝ちすぎたため、当時父内国産馬には賞金的な手厚い保護が有りました。勝てるわ賞金的に優位だわと言う事であれば、輸入コストや出走制限のある外国産馬はスポイルされます。気がつけば、内国産馬に対しかなり不利な状況となってしまいました。
最終的には、父内国産馬に対する優遇措置がどんどん撤廃される位に外国産馬の優位は無くなったのです。(今でも内国産馬には優遇は残っています)
盛者必衰の理を表す
外国産馬は今でも年間100頭前後は輸入されています。前述したモズの2頭やミスターメロディなどG1を制覇する馬も出ています。ですが、一時期の隆盛を取り戻す事は難しいと思います。
競走馬にもやはりトレンドが有り、その流れを見極める事も馬券や一口馬主で良績を上げる一要因なのかもしれません。
今後の競馬はディープインパクト・キングカメハメハの二大種牡馬がいない世界を迎えます。またも大きな歴史の流れを見守る事になるのでしょうか。歴史的なトレンドを目の当たりにできるのも競馬の醍醐味なのかもしれません。
ここまでお読み頂きありがとうございました。
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