馬場状態について~一口馬主的よもやま話
こんばんは、竜神です。競馬は基本的に屋外の競技のため、どうしても天候に左右されます。今回は馬場状態のお話です。【1917文字:読み応えがあります。】
馬場状態ってなんだろう
競馬の番組を見ていると頻繁に『馬場状態』と言う言葉が出てくると思います。”馬場の状態”ですから、何となくは想像できるかと思いますが具体的に何を指すのか、と言うのは慣れて来ないと意外と出てこないと思います。
冒頭でも触れたように競馬は屋外で行われる競技です。なので天候の影響を受けるのですが、中でも雨による影響が大きいです。JRAでも、雨の影響に着目して情報を提供しています。
JRAの公式サイトでは
Q.馬場状態とは?
A.馬場の湿潤度合を表します。
最も水分が少なく乾燥している状態を「良」として、水分が多くなるに従って稍重、重、不良となります。
JRAでは、芝コース、ダートコースとも「良、稍重、重、不良」の4段階に区分されています。
と表現されています。
馬場状態はどうやって決める?
基本的には、芝、ダート、両コース共にコースの含水率(水を含んでいる割合)を参考に決定されます。晴れている状態から雨が降れば馬場状態は悪化(不良に近づく)しますし、雨が止めば馬場状態は良化(良に近づく)していきます。
ただし、馬場状態は含水量が○○だから…とそのままシンプルに決まるものではありません。広い馬場全体の状態をひとことで表現することとなること、場所によって含水率は異なる事から馬場担当者が実際に調べて総合的に判断することとなります。
芝コースの傾向
「良」「稍重」の範囲では大きな負担もなく走りやすい状態です。 「重」「不良」と変化していくと、芝が水を含んで滑るようになり、レースタイムが掛かるようになります。 馬場状態で表すと「良」「稍重」「重」「不良」と悪化していくにつれて時計(レースの決着タイム)が掛かるようになります。
現在の芝コースは路盤が砂地で構成され排水性が良いので、多少の雨ではコース上へ水が溜まってしまうことが少ないです。そのため、相当な量の水を吸って芝が水を含まないと「重」まで馬場状態が悪化する事はありません。
ダートコースの傾向
芝の場合とは異なって、一般的には含水率がある程度高い方が(馬場状態で言えば「稍重」から「重」の時)レースタイムは速くなる傾向にあります。
「良」の場合、踏み込んだ際に砂が散りやすくなっているので、砂を踏み抜けない場合は推進力が逃げてしまいます。その場合、他の馬場状態に比べレースタイムが掛かることになります。ただし、大型馬など力のある馬であれば砂を下層まで踏み抜くことが出来るので、推進力のロスを少なく抑える事が出来ます。基本的にダートではパワー型が有利と言われるのは、この現象が起こるためです。
「稍重」から「重」の状態であれば、水が含まれているので砂同士がくっつき、蹄と路盤の間の砂が引き締まった状態となります。砂は動きにくくなるため推進力が逃げなくなりレースタイムが速くなります。
「不良」まで達した場合、水によって少し砂が浮いてしまう状態となります。砂が浮いていると路盤の上で蹄が滑りやすくなり、レースタイムが遅くなる現象が起こります。ただし、近年では「不良」の状態でもレースタイムは掛からない傾向にあるようです。
外観による変化の参考点としては、
「良」ではサラサラの砂状態。
「稍重」は手に取って握ると砂が固まる程度。
「重」は足で数回踏み固めて水が浮き出す位です。
また、ダートコースが乾いてきた場合には、粉塵が舞うのを防止するため、散水車によってダートコースへ水が散布される事が有ります。 なお、散水車で散布した程度では含水率は0.5%程度しか上がらないらしいです。
この項目に関しては、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia):馬場状態』を参考にして記述しています。
馬に対しての見極めが大事
馬場状態が重や不良までくると競走能力に影響を受ける馬も出てきます。(中には雨が一滴でも降るとダメなんて馬もいますが)
その際には、対応ができるかどうか、見極めが必要になります。
見極めるためのヒントとして使えるのは
・出馬表の馬場状態成績欄
馬場状態ごとの成績がまとめられています。
JRAの公式サイトの場合、出馬表の馬名からリンクが貼られています。
・血統を参考にする
血統的に重の不得手が有る馬もいますので、参考にはなります。
以上、馬場状態についてのお話でした。
多少でも競馬を覚えるうえで参考になれば幸いです。
ここまでお読み頂きありがとうございました。
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