クリエイティブマインドの心理学 心理学入門
心理学入門
アーティストの資質。創作に向かわせる5つ、自尊心・創作意欲・創作思考・創作の行動・創作の気分を理解する。
自分やまわりのクリエイティブな人に傾向として多いのが躁うつ病だと自分も感じていて、
研究では、
・双極性障害患者の多くは平均より高い想像力を持つ
・高度な創造性を持つ人達には双極性生姜に似た症状が見られる
という結果が実に多く上がっています。必ずしも躁うつ病ではありませんが、私たちの助けになります。以下のことがわかりました。
クリエイティブな人たちについて分かっていることは
・想像力の乏しい人達と比べると、ずっと強烈な感情の浮き沈みの中で生きている
・エネルギーが高いとき、軽度の躁病患者とにた資質を示す
・上記の資質が表せるとき、生産性が満ち潮になる
・創作過程では、成果を出すことよりも、高いエネルギー状態や陶酔状態にあることのほうが大きな意味がある
これらはみな次の5つから生じる現象のようです。自尊心・創作意欲・創作思考・創作の行動・創作の気分の5つです。
自尊心=クリエイティブエゴ
アーティストが人前に断つ、また何かを作るためには、躁病患者のように、自分の創造と能力について肥大した思い込みが必要です。躁病のひとは自分が世界で一番だと感じています。膨張したエゴが次の作品を見てもらえると思い込みを保つ力になります。
クリエイティブな人の場合、膨張したエゴ、そして押しつぶされるような自己否定という両極端の特性を同時に持っている。
このエゴの揺れと共に、これと同じような創作意欲の揺れもやってきます。
創作意欲=クリエイティブエネルギー
創作意欲とは、凄まじい勢いで活発にする実行力のことをいいます。この意欲がより早く、より鋭く、より生産的に作業に取り組むことを可能にさせます。
・フローを見つける
チクセンミハイが見つけたフロー状態。没頭した時間を見つけるのと同時に時間管理もしないといけない。
・創作意欲と体内時計
体内時計が狂うと情緒面に影響が出ます。
引用:クリエイティブマインドの心理学 P59
概日リズムがずれると躁うつ病も出やすくなります。
そんなとき、行き過ぎを止めて、引き戻してくれる第三者が必要です。
インタビューした人は創作意欲と周りの人への感謝を語っています。
創作思考=クリエイティブ・シンキング
創作過程については前回述べましたが、知覚が最初の最初です。その知覚を開花させるべくユニークな思考活動を試す必要があり、この思考が知覚の下地になります。これを心理学では観念奔走(思考過程の障害の1つで考えが次々と湧くこと)といいます。
躁うつ病との違いはこの観念奔走を抑えられることにあります。でたらめな思考は躁うつ病ですが、それなりに意味を持っていればいです。
創作思考と記憶力
思考がスムーズに機能するために、想像する頭脳の持ち主には引き出しが沢山必要になります。これを前回は井戸といっていて、記憶と創作思考は次のような能力を介してリンクしています。
・音、光、色、質感、感情や人格と言った創造的な領域に関わりのある素材を蓄え、分類する能力
・関連する情報をすばやく引き出す能力:クリエイティブな人たちは自分なりの速記法をあみだして、音楽の形式や繋がり、ダンスの振付、登場陣ムツなどの記憶をしているようです
・関連性のない情報の中から関連性を選び出す能力:これは躁病と想像する頭脳の違いです。
・保管されている記憶を、新しいものを生み出すために一風変わった予想外の方法で合成する能力
記憶の保存
すばやく、独特な繋がりを考えるためしばしばパンク寸前までおいこむこともあります。
認知エネルギー
クリエイティブな人はなにか新しいものを見て、感じて、体験すると、関心がすぐさま新しいものにいってしまう。と同時に学習能力も記憶も取り戻す力も加速する。
実際、創作の鍵は注意力です。
最初のうちは定まらず無関心で、記憶を手繰り寄せることもできてませんが、新しいものがあると集中力が高まり、思い出したり考えが加速したり、創造に日が付きます。クリエイティブな人が問題解決能力が高い理由は個々にあるようです。(チクセントミハイより)
俊敏で独特な注意力と記憶を手繰り寄せる能力がセットとなり、新しい情報を吸収するスキルと結合します。これがクリエイティブな人が優秀と言われる所以です。
創作の行動=クリエイティブビヘイビア
リスクを取るということ
クリエイティブな人には個人的な体験を元に社会常識の境界線を押し広げkる必要があり、そうすることで、記憶、イメージ、個性を蓄えます。それが創造の枠組みとなり、そこから制作が始まります。
リスクをいとわない好意はクリエイティブな人にとって不可欠であり、意識するしないにかかわらずその意欲をどう表現するか、決断を迫られることになります。
リスクを取る経験〜内面の世界〜
クリエイティブな人は豊かな内面世界にあり、何かに焦点を合わせていく力は、おそらく自分を周囲から残ゼツできる力も含めて、作品作りに必要な能力となっていきます。想像力が豊かな内面を持つがゆえに、クリエイティブな人たちは意識を拡大しようとリスクをとるのです。ジョンレノンは世界を広げるため麻薬を使っていたようですが、これは副作用もあります。
クリエイティブな人は何かしらの方法で自分を超える世界を探索する必要を感じるようです。これを実践するには健全かつ前向きな方法を見つけること、それが想像する頭脳をケアする上で不駆な要素となります。
創作の気分=クリエイティブムード
エゴや意欲くわえて、クリエイティブな人達には気分の上がり下がりというものが自ずと備わっています。
感情が生理現象と思考とにリンクしていることは事実です。なので、生理学を見てみます。
人の感情の流れを分析する
役者の場合:
本番、脳は演技せよと意識し、アドレナリンとコルチゾールが出ます。これらはストレスホルモンで、呼吸と心拍数を増加させます。
本番の成功のあと、脳は自分の演技を受け入れ、評価し、理解することを意識し、ドーパミンが増加し、気分が大きくなって高揚します。
体内のアドレナリンとコルチゾールがようやく減少すると、今度はノルアドレナリンというホルモンが出ます。通常の体内時計は急速と睡眠を求めているのに、飲み会が長引いて、エンジンのかかっていない憑かれた状態で2日目の舞台を迎えます。
そして、ミスが増えると扁桃体の中の恐怖に関する感情的な記憶が刺激を受け取ります。扁桃体は官女を書き換える機能を持ちます。
通常、わたしたちは、何かを見て、考え、そして反応します。しかし、脅迫的な状況では、私たちは理由もわからないうちから見ただけで、すぐさま反応してしまいます。
脳内の社会性を掌る部分hあ、扁桃体からくる「Fight or Flight or Freeze」という指示に直結しているために、前向きな感情よりも拒絶と言った負の感情を認識するようにできています。
この場合の恐怖の波はアドレナリンとコルチゾールにようるもので、「Fight or Flight or Freeze」のいずれかにようる心理的な決壊のようなものとして促されます。次第に震え始め、不安そうな声に変わり、消化器官への血流が減り、吐き気をもよおします。
意識の閾値の手前あたりで見え隠れする失敗したら誰も愛してくれないといった思い込みの断片は「潜在的関係スキーマ」(潜在的な人間関係の図式)といいます。
失敗に終わったとき、自己疑念と自己批判的な考えが意識に入り込み、人を圧倒して、セロトニンが分泌されると気分が落ち込み始めます。
この感情のジェットコースターは破壊的な影響をもちます。演技は悪化し、抑うつ的な気分が悪化します。このスパイラルを予防するには負の感情を危険信号として察知できるようになることです。
クリエイティブな人たちにとって感情がどれだけ大切なものであるかを過小評価してはいけません。痛みに対する感受性が鋭いがゆえに、独特な心理的圧迫が彼らにのしかかることがあります。
感情の痛みと気分
有名アーティストがつらい過去を背負っていたということはよくあります。苦悩がいかに創作意欲に火をつけるのか。
クリエイティブな人が受ける感情の痛みは普通の人より大きいのか
彼らが創作するためには強烈な痛みが必要なのか
スキンレス
周囲で起こる自称やその事象が発する情報を過剰に感知してしまい、知る必要の有無を識別するフィルターを失ったように意識が開いた状態wお、外皮を1枚失った状態にたとえてスキンレスといいます。
これは、感情の痛みを受けやすい存在であるということです。
あるアーティストをみた医者は「自分と周囲の世界の間にあるはずの防御壁や健康を保つための緩衝材が、はじめから欠落しているようだ。外界での体験と精神内部との間の自由な行き来を可能にするような過剰な感受性は2つの結果を招く可能性がある。1つは心身の破綻で、利己的な満足が心を占め、合理性を書く比現実的な思考空間が際限なく広がり始めます。もう一つは、自尊心によってきめ細かく制御することで、作品の生産性が急激に上がることです」と。
普通の人は官女の痛みから単純に離れますが、アーティストは感覚的な素材を自分のうちに取り込もうとしているようです。
また、カクテルパーティ効果(自分のことは周囲がうるさくても聞こえる)と言うものがありますが、アーティストは普段からパーティの喧騒にふれている。中には自分の殻に閉じこもるかもしれない。しかし、喧騒からアンテナを絞って管理すればいい。管理方法は、アンテナにNOということ。披露してるときや夜にみる映画や音楽には気をつけること。
フィルターに書けられないままの自分の中に貯まった情報は、言葉で表現しうる部分を超えるので、絵にしたり、作品に落とします。色、質感、かたち、素材全てが自分の経験や自分の内部にタメていたものを表現します。
次は、こういった複雑さについて述べます。
クリエイティブな人々と複雑性
チクセントミハイはアーティストを調査して傾向を見つけました。
1. エネルギー・レベルが高いが休憩もよく取る
2. 頭脇れるが、バカ正直で考えの甘いところもある
3. よく遊ぶが、生活に規律がある
4. 創造の世界と現実を交互に行ったり来たりする
5.外交的だが、内向的でもある
6. 控えめだが、自負もある
7. 両性具有的で、男性に女性的な傾向、女性に男性的な傾向が見られる
8. 反抗的だが、伝統を重んじるところもある
9. 情熱的だが、自分の作品を客観的に見ることができる
10. 苦しみと喜びの両方に敏感である
クリエイティブなひとは両極端にとらえ、普通の人は極端の中立を、安定したことをしようとします。
2章 心理学入門のまとめ
本質的にクリエイティブな人たちはその内面と外面の世界を、普通の人よりも熱心かつ集中的に見て、五感で感じて、そして知覚する人たちだと言えます。感覚的な情報をより多く取り込むことが彼らの驚くべき想像力の燃料となります。この情報は感覚的な経験の記憶装置に蓄えられ、知覚の瞬間を起こすため、想像する思考回路がこの中から何かを引き出すことになるのです。
この感覚の動きによって相反する2つの力がアーティストに働きます。1つは、痛みを感じる感受性。特に自分が生きる環境に存在する痛みへの感受性です。
2つ目はリスクをとり、対峙し、挑み、逃げずに経験しなくてはならないというプレッシャーです。
お決まりの退屈なことはクリエイティブな人には存在せず、そのかわり世界は両極端に偏ります。この両極端からくる緊張感の核の部分では躁と鬱でうまれ、躁のムードは、彼ら独特の感受性が多くの共感を生みます。
クリエイティブであるための心理学
人と違う考え方、感じ方、行動をすることが創作活動の燃料となります。
知覚:
・新規性ー新しいものは頭の回転の早い流動的な思考を刺激する
・ユニークな認識的、知覚的結合を起こす
発見:
・記憶装置(井戸)を満たして独創的な発見ができるよう、リスクを取ったり探求したりすることが求められる
・ユニークな感覚を得ることは記憶装置を満たすのに役立つが、過剰な負担になることもある
制作;
・創作の衝動によって高められたエネルギーは正しく管理される必要がある。さもなければバーンアウトや抑うつが生じることがある。
・前回 1章 創造力
・次回 3章 9つの次元