大学生のエジプト旅行記⑧
朝日に照らされる至高の境地、アブシンベル。
こんばんは。アブシンベル神殿に行った日から1ヶ月が経ちました。
忘れたくないな〜。そう思いながら今日もただ書きます。
さて、朝が来ました。ナセル湖から眺める朝日です。
海のような広大な青から顔を出すオレンジ。アブシンベルを真っ直ぐに照らしています。
アブシンベル神殿
まるで合成写真みたいですよねwww
アブシンベル神殿は、ラムセス2世によって紀元前1250年頃に造られました。
ハトシェプスト女王の葬祭殿と同じように砂岩をくり抜いて造られた岩窟神殿です。
アブシンベル神殿は、前の記事で少しお話しましたが、1960年代のアスワンハイダムの建設の影響でこの神殿はナセル湖に沈む運命にありました。
しかし、世界各国からの批判があり、国際的な救済活動がユネスコを筆頭に行われました。
具体的な救済方法は「分割して運ぶ」というやり方。
ちょっと何言ってるかわかんないっすwww
しかし、やってのけるんですね〜。4年の月日をかけて今の200m上の高台に移築させました。そうして、アブシンベル神殿は九死に一生を得ました。
この大規模な移築工事がきっかけで始まったのが、ユネスコ世界遺産。
アブジンベル神殿は、「アブシンベルからフィラエまでのヌビア遺跡群」として前回紹介したイシス神殿などと共に世界文化遺産に登録されました。
さて、では気になる神殿内に入っていきましょうか〜。
大神殿の内部です。
中に入るとすぐに4体ずつ左右に並ぶラムセス2世の立像に囲まれます。その威圧感は現代になっても衰えることはありません。
その奥の至聖所には、4体の坐像が並んでいます。
この神殿は、年に2回、神殿の奥まで朝日が届き、上の写真の4体のうち、一番左の冥界神プタハを除いた3体を照らすようになっています。
それは、移築された今も日は1日ズレているものの、朝日が入る角度を正確に計算し神殿の向きを調整してあるそうです。
本来は、ラムセス2世の生まれた日(2月21日)と、彼が王に即位した日(10月21日)に計算されているそう。なので、今は22日になるのかな?(逆かもしれないです)
ラムセスデイと言うらしいです。かっけ。
古代でそんな暦の計算ができてしまった彼らはまさに天才…。彼らだからこそピラミッドも作ることができたんだろうと思いました。
私が行った日は、そのラムセスデイの数日前だったので心なしか右3体が明るく見えます。正確な日ではないけどちょっとラッキーっちゃラッキーでした。
この4体、左から冥界神プタハ、守護神アメン・ラー、神格化されたラムセス2世、太陽神ラー・ホルアクティ。
2体の神の間に入って並ぶことで自分も神同等の力があることを証明しようとしました。もしくは、自分も神になるんだ、なれるんだということを証明して後世に残したかったのかもしれません。
カルナック・ルクソール神殿の時に紹介したラムセス2世のプロフィールを読んでいただけると分かるのですが…
もうラムセス、いいよ。神になれよ。って思いますwww
これ彼に見られたら天罰が下りそうなのでこの辺にしておきましょう。
さて、小神殿の方も見ていきましょう。
正面、6体の立像のうち4体がラムセス2世、2体がラムセス2世の最愛の妻だったネフェルタリ女王です。ラムセス2世が彼女を挟むようにして立っています。
小神殿は、ネフェルタリ女王とハトホル女神のために造られたものです。このあたりの地域はヌビアと言って、お馴染みハヤブサの神ホルスが宿る聖地であり、またネフェルタリ女王の故郷であったとも言われています。
ハトホル女神とは、愛と美と豊穣と幸運の神です。ハトホル女神を信仰してファラオになったのが、ハトシェプストやクレオパトラといった女性たちだという説もあります。
中に入るとまず大神殿と同じように柱の並んだ部屋があります。列柱室です。
左右に3本ずつハトホル女神の顔を刻んだ柱があります。
壁のレリーフには、ハトホル女神が真ん中のネフェルタリに王冠を授けるシーンや、
ネフェルタリが雌牛姿のハトホルにパピルスを捧げるシーンなどが描かれていました。
ネフェルタリとは、古代エジプト語で「最も美しい女性」を意味し「偉大なる王妃」「王の母」「上下エジプト2国の女王」などの称号で呼ばれているそうです。
ラムセス2世は、「永遠に彼女のために朝日が昇る」そうこの神殿に記しました。彼のネフェルタリへの愛情は、今でも色濃く残っています。
いかがだったでしょうか。アブシンベル神殿。
皆さんも機会があれば、いや機会をぜひ作って朝日に染まるアブシンベルを見てみてください。死ぬまでに見ることができてよかったと19歳ながら本当に思います。
それでは、今日はこの辺で。
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次回は、待ちに待った(?)ピラミッド巡りです。
ではまた。