ガウディとサクラダ・ファミリア展
こんにちは、choco...です。
前回お伝えした通り、私はいま名古屋にいます。
だいぶと生活にも慣れてきて、やっと生活が落ち着きました。
名古屋の食事は美味しいものが沢山あり助かります。順調に肥えてきました。
今回はそんな名古屋でガウディ展が催されていると聞き、持て余した3連休にふらっと行ってきました。
私はどちらかというと絵画が好きで、あまり立体や建築物は観に行きませんが、気が向いたので。
行ってみて驚きました。30分待ち。
国内の美術館でこんなに並んだの初めてかも。
前評判がいいのは知っていましたが、こんなに人が来ているとは。
小雨の中傘を抱えてやっとこそチケット購入。
中もすごい人。アート好きのトラフィックジャム。
「あまり立ち止まらず、順路を気にせず鑑賞を」とアナウンスが流れるも進まず。
私は遠目から見れるので良かったが、ベビーカーでの参戦者は可哀そうになくなく途中退場してました。
それくらい人気の展示会でした。
ただ今は思います。心の底から、ほんとうに来れて良かった。
中にはガウディの生い立ちから、サクラダ・ファミリアの遍歴。
その建築様式や構造、中にある彫刻に至るまで様々な展示物が置かれていました。
アントニ・ガウディはスペインのカタルーニャ地方出身の建築家です。
彼の手掛けたサクラダ・ファミリア、グエル公園、カサ・ミラなど、多くの建造物が世界遺産に登録されています。
胴細工職人の両親から生まれた彼は、幼少期をリウマチという難病を抱えながら過ごします。
そんな幼少期を、模型作りや造形観察をして過ごしていたそうです。
その後学生時代はバルセロナの建築学校へ進み、建築設計事務所の門を叩いたそうです。
当時の校長は彼をこのように評しています。
そんな彼が、生涯の半生をつぎ込んだのがサクラダ・ファミリアです。
ご存じの通り、サクラダ・ファミリアは未完の作品です。
ガウディは1926年、路面電車に轢かれ73歳の生涯に幕を閉じます。
後半生、心血を注いだサクラダ・ファミリアとはいったい。
実はサクラダ・ファミリアの初代設計者はガウディではありません。
初代建築家はフランシスコ・ビリャ―ル。
当時民間のカトリック団体である贖罪協会の計画をビリャ―ルが無償で設計を引き受け、このサクラダ・ファミリアの歴史は始まりました。
その後意見の対立からビリャ―ルが失脚。当時まだ無名だったガウディに白羽の矢が立ちました。当時31歳でした。
ガウディの設計の仕方はとても斬新でした。
サクラダ・ファミリアには多くの曲線的構造を伴っています。
例えば天井のアーチ。
一本の紐の要所に重りを垂らしていく。そうすると、重力によって錘が垂れ下がる。
こうして紐は地面に向かってアーチを描きます。
これを逆さにして、あの特徴的な塔の屋根を作るのです。そして、それが一番バランスの取れた構造だと証明しました。
建築家にとって大敵である重力を味方につけた瞬間でした。
そんな幾つもの斬新なアイデアが盛り込まれています。
ガウディは、当時から自身の生涯を賭しても、この建築物は完成しないことを悟っていたそうです。
彼の死後、1980年当時でもあと300年以上はかかると言われていました。
そこで、多くの模型やスケッチ、意図や目指すべき指針を後世に残しながら設計建築を行っていたそうです。
しかしながら、その多くが内戦によって失われてしまいました。
現在の設計者が9代目。
設計者たちはガウディが作成途中のものから、あらゆる意図をくみ取って活動を続けています。
彼らが脈々と受け継いだ来たものは、至る所に散らばったガウディの未完の作品。
なぜ彼は多くの彫刻や建造物を同時並行で進めていたのか。
戦争を3度経験してきた彼だからこそ、紙などの物体は消失すると分かっていたのかもしれません。
ガウディが有名になったのはここ10~20年のことらしいです。
それまでは観光客はおろか、地元民も大した関心を示していなかったそうです。
建築に携わる者はみなガウディの意図や思想をサクラダ・ファミリアから読み取ることから始めます。
そうして皆が感動するのだそうです。
建築家にとって、彼は紛れもなく天才でした。
これは、外尾悦郎さんの著書「時の中の自分」で語られていたエピソードです。
外尾さんは現在もガウディ建築に携わられています。
展示に感動した私は、その日すぐに外尾さんの本を購読しました。
そのレビューもまた書けたらと思います。
ガウディは、こんな言葉を残しています。
幼少期を観察することで過ごしたガウディだからこそ気づけたことなのかもしれません。
オリジンということを大切にされてきました。
それは自然に限らず、この世界そのものです。
そんな大切な教えに出会える、素敵な展示会でした。
残念ながら名古屋での開催で最後のようですが、また機会があるかもしれません。
その際は是非ご覧ください。
私も現地に行くことを目標の1つに、毎日を大切にしたいと思います。