ムシヌユン 〜虫とセックス〜
ムシヌユン 都留 泰作
最終的にはセックスは情報交換ということで。
ぞんじょそこらのコミュ障なんて目じゃない程、折り紙付きの人格破綻者上原くん(通称パンツ)は昆虫博士になりたかったんだけど無理で、
院浪5年目ついに、金も情熱も尽き、夢破れた東京から故郷のヨナセ島(与那国島みたいなもん)に帰るのである。
作者は絶対リア充コミュ強(大勢での会話に参加できるタイプの人)だと思った。そういうセンサーにはなぜか自信があるのだ。 作中でのパンツ(上原くん)と、沖縄風土の明るい土方達、リゾートに来る都会の若者、人物の個性がとても現実的で温度差さえもリアルに感じた。
そーいやこの前、ダイの大冒険をジャンプラで発見して、めちゃくちゃ久しぶりに読んだけど、最近キャラがストーリーの都合に沿って物語を運用するAIのように感じるマンガが多いなと思ってた矢先、クロコダインの仲間を思う激アツなセリフに目を覚まされた気分だ。カッコよさって表現するのが難しいんだろうなあ。
客観的にも住む世界が違うひとたちの中央を、図らずとも超ビンビン、ブリーフ一枚で割って入り、弁当欲しさから誰彼構わずに働かせて下さいと涙目で懇願す。それしか言えない不器用なパンツはかわいそすぎて爆笑した。
パンツは常に沖縄にツッコンでいる。
物語は終始SF要素の学術的な展開が多く、人間の考えたコンピュータの情報伝達の原理は脳の回路を参考に設計されたことに対して、もう一方の情報伝達の方法がDNAの塩基配列を参考に設計された例など、文系の僕でも分かる、目を見張るような発想が散りばめられている。
あとエッチな描写が多い。
南国x虫が無理な人以外は、然るべき時に見れば性癖に多大な影響が出るのではないかと、つくづく中学生の時に知らなくてよかったと思う。
と同時に、子供がいるマンガ好きの人って、そういう本はやっぱり隔離しているのかなと気になったのである。
沖縄x昆虫パニックxアルマゲドンと全6巻は映画のような見応えだった。
最後はちゃんと新城さんと情報交換できて本当によかったね!パンツ。
カオス