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シード期のスタートアップのマーケ・営業・カスタマーサクセス立ち上げの最初の30日間は何をした?

みなさんこんにちは。
noco株式会社の竹中(タケナカ)です。

2023年1月に縁あってnoco株式会社に転職し、
現在、ビジネス開発部 部長として入社し1ヶ月が経とうとしております。
このnoteでは、1月に入社をして、ビジネスサイドの立ち上げをミッションとして動いている私が、最初の30日間に何をしたか時間軸と共にありのままのリアルを書いていきます!

このnoteは以下の方に読んでいただくと良いかなと思います。
・スタートアップの経営者さん
・スタートアップのCOO、CROの方
・スタートアップの営業・マーケ・カスタマーサクセスのマネージャーさん
・上記を目指すすべての方々

何から手をつけていけばいいかわからない、課題が山積!
みたいな状況がみなさんあると思いますので、
少しでも参考になれば幸いです!

第1章 入社30日前

私の勝負は、入社の30日前から始まりました。
有休消化期間が約1ヶ月ほどあり、ここで入社前の準備をがっつり行います。
主に行ったことは以下です。

https://noco.notion.site/1032fe38b0b741cb99eaaf86be4b2365

色々調べたり見たり聞いたり実際にバタバタ動いてみたりしたのですが、
中でもやってよかったなーって思うことを以下に書いていきます。

やってよかったこと① 顧客データをもらい分析する

既存顧客のリストをいただき、
・業界
・規模
・設立年数
・エリア
・利用部署
などを一覧で書き出してそこから傾向を分析します。
少し骨の折れる作業なのですが、これを行うと、
自社の商材がどういう企業に選ばれているのか見えてきます。
自社サービスが誰に買ってもらっているのかを先に知ることで、
営業やマーケティングを行う際の土台の理解が作れます。


やってよかったこと② リードデータ、商談データをもらい分析する

次に直近1年くらいのリード取得データと、商談データも合わせていただき、
同じように分析をかけていきます。
既存顧客数よりも圧倒的にデータ数が多いので、これは死にかけました。

しかしこれを行うことで、自社のターゲット顧客を理解した上で、どういうリード、商談が取れていて、どういうところが失注しているのかなどが見えてきますので、自社の強み、ターゲットに加えて、
自社の弱みも見えてきます。

①と②を行うことで、
以下のようなことがぼんやりと見えてきます。

・ターゲット条件(受注傾向から定義)
・想定される今後の営業マーケ施策(受注傾向から定義)
・クオリフィケーション条件(失注傾向から定義)

ここが仮説としてある上での入社と、全く0からの入社では、
月とすっぽんくらい立ち上がりの速度が違うのかなと思います。


やってよかったこと③ 商談録画の視聴

顧客分析、リード分析、失注分析を通して、自社の商材が誰に選ばれて誰に選ばれないか、その「事実だけ」は理解をできたと思います。
その上で過去の商談録画を見返すことで、
「なんで選ばれていたのか」「なんで選ばれてなかったのか」
の答え合わせができます。

顧客分析、リード分析、失注分析だけで終わってしまうと、
選ばれている方は誰かわかるが、なんで選ばれているのかがわからない
ので、実際にマーケ施策や営業に活かしにくい情報になってしまいます。
そういう意味で商談録画の視聴はとても有効でした。

付随して、たくさん商談録画を見ていると、商談の流れも理解できるので、
1人の営業としての立ち上がりも早くなります!
(同じ歌聴きすぎて歌詞覚えるみたいな状況になります。)


やってよかったこと④ 競合の調査

ここは言うか迷ったのですが、リアルと届けるということで、
しっかり書いていこうと思います。

一度入社してしまうと、競合調査をしようと思っても、
なかなか情報を取りに行くのが大変になってしまいます。
入社前の無所属みたいな時期にしっかり競合の情報を取りにいき、
他社はどう言う強みがあって、自社独自の強みは何なのか、
理解を作ることもおすすめです。

競合の強みを入社前に理解したこともあって、
商談中に要件を伺って自社よりも競合の方が合っている時は、
迷わずご紹介しています。

以上ここまでが入社前に特にやってよかったなと思うことでした。


第2章 入社後30日間

さてやっとの思いで入社して初めの30日間で色々動くのですが、
結論から言うと以下のことを実施しました。
細かく書くともっとあるのですが、大きく分けるとこんな感じかなと。

・ロイヤルカスタマーへのヒアリング
・リスティング広告の出稿
・インサイドセールスの行動ルールの設定
・salesforceの導入、構築
・商談フェーズとアクションの設定
・初回商談資料、提案資料の改訂
・ヘルススコアα版の設定

それぞれ簡単に説明していきます。


その① ロイヤルカスタマーへのヒアリング

入社後にすぐにロイヤルカスタマーの方にアポイントをいただき、
事例取材と言う形で、自社サービスの何に価値を感じていただいているか
どう言う課題に対してどう言う使い方をしているかなどをヒアリングさせていただきました。

入社前に聞いていた商談録画はあくまで導入前のお客様であり、
実際に使っていただいているユーザの方の声を拾うと、
使い方、実際に感じた価値などさらに商材・顧客理解の解像度が上がりました。

事例取材はどっちみち行う時期が来ると思いますので、
入社後のタイミングで行うと一石二鳥なのでおすすめです。


その② リスティング広告の出稿

シード期はマーケ予算も少なく、人員も少ない状況かと思いますので、
実施できる施策が限られることが多いかと思います。
その中で優先度をつけて施策を実行していく際に、
リスティング広告は運用工数がそこまでかからない割に、
顕在層のリードが獲得できる
施策なので、
CACが合いそうな見立てが立つ会社であればおすすめかなと思ってます。


その③ インサイドセールスの行動ルールの設定

これは30日で、目に見えて数値が改善されたのでおすすめです
(商談化率がバッチシ伸びました、青線が商談化率です)

行ったことは至ってシンプルなのですが、

①インサイドセールスを行うメンバーはインサイドセールスに集中して
 リードへの即時対応(5分以内)ができるだけ商談は他のメンバーで行う
②インサイドセールスのメンバーは1日2時間〜3時間ほど、
 架電時間でカレンダーブロック
③送付資料にポップアップをつけて日程調整カレンダーを
 埋め込む(
nocoセールスを使ってます)

基本に忠実とはまさにこのことだなと身に染みて思いました。
特にシードのスタートアップの場合人数も少ないので、
なかなか専任でインサイドセールスを配置することは難しいかと思いますが、できるだけインサイドセールスの方は日中忙しくならないように、周りがフォローアップすることで、商談化率は上がると思います。


その④ salesforceの導入、構築

ここは、最初の30日で一番重要なことだと思ってます。
ツール自体はsalesforceではなくても良いのですが、CRM / SFAの導入、構築は、行えていない会社さんは是非とも是非とも取り組んでください。

弊社nocoは営業マーケカスタマーサクセス合わせて「2名」しかいません。
しかしその中でもsalesforceを導入しておりますので、
「自社には早すぎる!!」なんてことは全くありません。

CRM/SFAは、営業・マーケ活動のほとんどのデータソースであり、
ここの整備がいかに早いタイミングでできているかで、
その後の振り返り、改善、効率的でスムーズな意思決定につながります

最初の30日でまず構築した部分は以下です。

・リード、商談、取引先のオブジェクトの項目のカスタマイズ
・レポート、ダッシュボードの作成
・formrunとZapierを連携させてリードを自動格納
・スプレッドシートとZapierを連携させて顧客情報を自動格納
・顧客情報をもとにヘルススコアを定義
・フローをできるだけ作成して自動化
・Slackと連携して当日のアクションをリマインド

リード、商談、既存顧客の情報をまずはCRMに集約し、
KPI、数値の可視化を行うことが何よりも優先順位高く行いました。

ダッシュボードはまずは最低限で作成してます
自社のロゴとコーポレートカラーにカスタマイズするのが愛着湧くのでおすすめです

salesforceの構築について、どういう項目を作り、どういうレポートを作り、どういうダッシュボードを作り、どう活用していくかは、note1本分くらいになりそうなので、別のnoteを書きます。(近日出したい)


その⑤ 商談フェーズとアクションの設定

salesforceを導入したことで、商談をフェーズ管理して、
FORCAST、ヨミを作成することができるようになりました。

初めは仮説でフェーズを設計し、
運用していく中で違和感を感じたら修正していくみたいな運用でも
良いかなと思いますので、まずはα版のフェーズと、
フェーズを進めるためのアクションを作成しましょう。

*参考までにnocoの商談フェーズとアクションα版
0%:商談前
10%:商談実施
 →トライアル開始日を決める
30%:トライアル実施決定
 →活用支援
40%:トライアル利用率(低)
 →活用支援
50%:トライアル利用率(高)
 →懸念の排除と担当者の意思確認
60%:担当者合意
 →上申用資料提出
70%:決裁者合意
 →セキュリティ、法務チェック
80%:契約プロセス
 →契約日を確認
100%:契約
 →オンボMTG日程セット


その⑥ 初回商談資料、提案資料の改訂

商談フェーズとアクションを設定したら、
さらに商談時に活用する資料を作成します。
フェーズ毎、お客様の役割ごとに知りたい情報が違うので、
目的とフェーズごとに資料を作り分けました。

*イメージ
・担当者さんが比較検討をしていて上申の準備しているときに使う資料
・担当者さんが決裁者さんに導入の決裁をしてもらうときに使う資料
・決裁者の方向けにご提案する資料
・サービス自体に現時点では必要性を感じてない方向けの資料

営業活動・成果の標準化を行うためにも、
人数が数ないタイミングから勝ちパターンと言えるようなコンテンツを磨き続けることは将来、人が増えたタイミングで効果を果たすのかなと思います。


その⑦ ヘルススコアα版の設定

実は、カスタマーサクセスは正直ちょこっとしか動けてなく、
まずは30日ほぼ丸々営業組織の立ち上げに時間を使ったのですが、
唯一、次月以降にカスタマーサクセスを動くことを考えて、
顧客の状況チェック=ヘルススコアの設定だけ行いました。

SaaSのシード期のスタートアップさんの場合、
チャーンレートの課題がまだ顕在化していなく潜在化しているケースがあると思います。
(まだ契約更新になる会社が少なく、チャーンレートが低く見えるみたいな)

そのため先行指標となるヘルススコアの設定は早めに行い、
ウォッチ、対応していくのが良いのではと思います。

ヘルススコアは解約との相関のあるデータが何なのかという、
データとの睨めっこをしてまずは仮で設定してみることが良いと思います。
ピンを立てて、モニタリングして、相関があるかチェックを行う中で、
修正をしていけば良いかなと思います。

顧客データをZapierを使ってsalesforceに入れると管理しやすくなります


まとめ

以上が、シード期のスタートアップのマーケ・営業・カスタマーサクセス立ち上げの最初の30日間に行ったことのリアルです!

何を行うことが正解なのかは、会社やサービスや顧客によっても違うと思うので、私が行ったことが正しいのかどうか正直不安でいっぱいではありますが、同じような感情の方にこのnoteが届いて、
「あ、同じことやってる!」とか「これはやってなかったな!」とか、
「ふむふむ、まだまだだな、うちの方が絶対いい取り組みしてるな」とか、
少しでも精神安定剤になれば幸いです!笑

最後に、noco株式会社のビジネス開発部は現在2名で、
マーケ、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスを行ってます!
スタートアップの組織立ち上げから成長フェーズは会社の伸びととともに、
自分も確実に成長できる環境があると思います!
ぜひ一緒に急成長ベンチャーを生み出したいという猛者の方、
カジュアル面談でも構いませんので、お声がけください!
一緒に働きましょう!!

*ISとCS以外にもマーケもFSも募集中です

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