#37【夢日記】A.M(女友達)もメイプラー!?じゃあ一緒に遊ぼうよ!
こんな夢を見た。
僕はメイプルストーリー(以下メイプル)を、いつもの如く、ソロプレイで楽しんでいた。なぜソロかというと、友達が一人も居ないからだ。
そう。メイプルストーリーは、オワコンと言われて久しい。オワコン。略さずに書くと、終わったコンテンツ、となる。多くの人々からは「流行りが去ったゲーム」として、取り扱われているのだ。
そんな周囲の声を意に介さず、僕は、今日もせっせと、ゲームをプレイしている。別にオワコンでも良いじゃないか。やりたいからやるのだ。別にソロプレイでも良いじゃないか。やりたいからやるのだ。そう自らに言い聞かせながら。
しかし、ある時、壁にぶち当たる。
「俺、何のためにメイプルやってんのかな?」
定期的にやって来るモチベーション低下の波に人間は抗うことが出来ない。そんな時は「やりたいからやる」といった、シンプルな目的意識を見失ってしまい、続けるべきかやめるべきか、葛藤状態に入り、思い悩んでしまうことが、度々あった。
そんな風に、不安定な状態のまま、けれども、メイプルから離れることはなく、といった具合に、まるで、長く付き合ってはいるけど結婚には至らないカップルかの如く、僕とメイプルの関係は、一応、続いてはいた。
その時である。
A.Mが、イエティについて語っているのを、小耳に挟んだのは。
「A.M」とは、大学時代、同じサークルで知り合った、女友達のことだ。人となりを軽く書いておくと、小柄、活発、ノリが良い・・・。有名人で例えると、矢口真里が、何となく近いのかもしれない。顔は近くはないけれども。
ちなみに、彼女に告白して振られた悲しい出来事もあるのだけど、今回の夢とは関係ないので割愛する。
「イエティ」とは、メイプルのキャラクターのことだ。ゲームのマスコット的存在に位置付けられているモンスターでもある。僕としては「おっ、割と渋いチョイスだね」と言いたくなる人選とも言える。
あと、個人的な意見を述べさせてもらうと、ピンクビーンに行かない辺り、さすがA.Mだなとも感じた。ピンクビーンのファンの皆様、ごめんなさい。
それはさておき。
A.Mがイエティについて語っているのを小耳に挟んだ僕は、単刀直入に聞いてみた。
「イエティが好きなの?へぇ。良く知っているね。やってんの?メイプルストーリー。」
すると、A.Mは、こう返した。
「エルナスのBGMが好きなんだ〜」
「エルナス」とは、イエティが生息するするMAPのことだ。僕はBGMに関して興味がないため良く分からないのだけど、彼女は、その街で流れるBGMが好きだから、音楽代わりとして、エルナスで放置するのが、ルーチンワークになっているらしい。
そんな話を聞いて、僕は、こう返した。
「よし。だったら2人で、イエティ狩りと洒落込もうじゃないか!」
「狩り」とは、文字通り、モンスターを狩ること、要するに、モンスターを倒して、経験値・お金・アイテムなどを収集することを指す。
すると、A.Mは、こう返した。
「えー。でもだけど、私、倒せるかなぁ?」
A.Mは、イエティを「狩りの対象」として見なすのではなく「愛でる対象」として見なしているようだ。それと同時に、自分自身は「狩りの対象」としか見なしてなかったことに気が付いた。
同じゲームをやっているのに、これほどまでに変わるものか、などと驚きつつも、僕は、こう返した。
「へーきへーき。最悪、吸えば良いから」
「吸う」とは、一緒にグループを組んで、モンスターが居るMAP(今回ならイエティ)へ足を運び、自分は何もしない、という行為を指す。
「何もしない」と書いたが、同じグループを組んだメンバーが、イエティを狩っているため、倒したことによる経験値を、グループ内で分配されることとなる。
つまり、何もしていないながらも経験値だけはいただける、そんなオイシイ状態のことを指しているのだ。
※なお、現在のメイプルの仕様は、ちょっとややこしくなっているので、僕自身「吸う」という行為が、今も有効なのかどうか、良く分かっていない。夢の世界観は一昔前のメイプルだった。
以上のことから、僕は「A.Mは何もしなくて良い。僕一人でイエティは狩る。それでも一緒に居たいんだ」と、猛烈なラブコールを送ったわけだ。
そんな僕の求愛に対して、A.Mは、こう返した。
「でもやっぱり申し訳ないし・・・」
分をわきまえた発言。さすがは僕が告白しただけのことはある。まぁ振られたんだけど。僕の目に狂いはなかった。やはり、良いオンナだ。
そんなことを思いながら、僕は、念押しとばかりに、どストレートに、こう言った。
「一緒に話せれば僕は本望なんだよ。気にすることはないから。だからさ、行こ?」
そう。本音を言うと、僕は、彼女と一緒に、イエティを狩りたいわけではない。ただ、彼女と一緒に居たいだけなのだ。ただ、彼女と一緒に話したいだけなのだ。それさえ出来れば、あとは何だって良いのだ。
おそらく、実際に言葉に出さなくとも、薄々、A.M自身、分かってはいたと思うけれど、押してダメなら更に押してみな、と言わんばかりに、僕は、半ば強引に、彼女を誘ってみた。
すると、A.Mは、観念したかのように、こう言った。
「そこまで言うならお言葉に甘えて・・・」
僕が凄い剣幕で誘って来るから、断ったら何をしでかすか分からない、と思った挙げ句、渋々了承した、といったテイではあったけれども、兎にも角にも、彼女と、一緒にイエティ狩りする約束を、取り付ける ことが出来た。
僕は、その事実で十分だった。これで、メイプルへのモチベーションを再燃させることが出来る。A.Mもメイプラーなのだ。A.Mと一緒に狩りに出掛けることが出来るのだ。
嗚呼、これまでやっていて良かった。人と人とを繋げるオンラインゲーム、メイプルストーリー。こんな出会いがあるから、やっぱりやめられない。
そんな多幸感に包まれながら、夢から覚めた。
いつもの如く、A.Mを抱いていると思ったら抱き枕のクマだった、というオチで、目が覚めた。