続・みかん配り隊🍊
東京から実家に帰ると
玄関をあけてそこに
みかんが3袋並んでいた。
どれも入荷したばかりの新鮮なみかん達。
みかん配り隊、と名付けていたけれども
本当にそうなんだな、、と
この冬、途切れることのないみかん達につくづく思う。
静岡はみかんの名産地。
この時期はどこにいってもみかんがある。
ということは、
みかんを配っても配った先にみかんがあることも多い。
それに、
みかんを渡すことで
相手の方も恐縮してしまったりと
かえって迷惑になってしまうのでは、と
みかん配り隊長の父に伝えたことがある。
するとこう切り返してきた。
「みかんを渡すことが大切でなくて、
みかんをきっかけにして
縁が繋がっていくことが大切なんだよ」
「へぇー」
意外な返答。
「そうか、そうか、
案外お父さん深いじゃん」
「みかんを渡さなかったら
縁ある人とも言葉をかわす機会がなくなるからな。
一年に一度、言葉を交わすだけでも違うからね。」
話してみないとわからないものだ、
隊長なりの哲学があったとは。
今日も父は
同級生のテニス仲間5人に
年末みかんからの「追いみかん」を手渡してきたそう。
そこで思い出した。
隊長の子どもとして、成長の証の出来事があったことを。
「隊長、わたくしも先日タクシーに乗った時、リュックに入れていたみかんを運転手さんに一個手渡しましたよ!」
少し誇らしげに伝えた。
すると隊長
「1個じゃダメだな、
タクシーの運転手さんには3つは渡さないとダメだよ。」
まさかのダメ出し。
そんな決まりがあったのか、、、。
3つはなかなか厳しい。
人見知りな自分が
運転手さんと言えども
知らない人にひとつ手渡すのにも勇気が必要だった。
褒めてもらえず残念だったけれども
よくやった自分。
案外、隊長としての流儀があるものなのだな。
最近は
静岡にいる時はみかんを数個リュックにいれている。
配らないと傷んでしまうのもあり
出先で食べることもあれば
知り合いに出会った時など手渡す機会を探っている。
それにしても、配ってはなくなり。
なくなっては、注文して、で。
エンドレスのみかんループ。
明日は訪問診療、
お医者さん、看護師さん2名
全員で3名
3✖️3個
9個のみかんを配ることできる。
そうだ、
心の庭にも補充して
メジロとヒヨドリにも食べてもらおう。
なんだかみかんに追いかけられる夢でも見そうだが
みかんの旬。
過ぎてしまえば短い期間なのかな。
一個、と少なかったけれども、
みかんを受け取ってくれた運転手さんの顔が忘れられない。
タクシーのなかは
みかんを手渡すまで無言だった。
降り際、
みかんを手渡しただけでお互いの心が和んだ。
ちいさくて丸くてオレンジ色してて
かわいいのに偉大な感じ。
隊長なりの流儀に
父がみかんを配る理由がなんとなく見えはじめそうな気がしてきた。