みかんの季節がやってきた!
ここ2週間、実は父の具合があまり良くなく病院で検査したりとバタバタとしていた。
今日になりようやく回復の兆候が出てきてほっとしたところ。
今夜は、
親戚のミカン農家から頂いたミカンが
ついに夕食後の食卓に登場。
この冬「初ミカン」を食べることになった。
たまたま目の前の新聞の上に油性ペンを発見。
ミカンに顔を描いてみることに。
小さな頃だったら、食べ物にそんなことして、と怒られたかもしれないけど、
でも、今だったらゆるされそうな気がしたのでやってみた。
するとそんな私の姿をみて父も
「ちょっとかして」とペンを持ち
何かを描き始めた。
「え!?ちょっと怖い。コレなあに!?」
「ジョン」
「ジョン!?」
どうやら小さい頃に飼っていた犬の名前とのこと。
我が家では犬といえば、
かつて飼っていたジュディとベルなので
いきなりのジョンの登場にびっくり。
そっかぁ、今思い出すのはジョンなんだね。
年齢を重ねると小さな頃の記憶が思い出されやすくなる、というけれど、そういうことなんだろうな、と思いながらいると
「戦後はな、、、」と思い出話がはじまった。
「戦後は犬狩りというのがあって
保健所が野良犬を捕まえに来ることがあって
ジョンは犬狩りがくるといつも軒下に隠れにきていた、
今思えば首輪をつけてあげたら良かったな」と。
犬狩りという言葉が強烈すぎる。
父という1人の人生のなかで
現代からは想像のつかない世界を生きていたんだな、ってつくづく思いながら
ミカンでも食べながら話の続きを聞こうっと。
「お父さん、申し訳ないけど、ジョン食べてもいい!?」
「ん!?」
「ミカンのジョンだよ!笑」
「ジョン食べるんだ、こわいね〜」
と笑いながら、
父も私の描いたミカンをむきはじめました。
その後、
静岡大空襲があった日のことを話してくれた。
ここ最近ずっと、
父の体調にハラハラしていたので
こうしたなんでもない小さな時間が
永遠性にも感じられて
なんとも言えないあたたかな気持ちになる。
ちなみに、
ジョンは甘さと酸っぱさとを兼ね備えた
この冬初ミカンにふさわしいミカンだった。
ジョンちゃん、さすがだね、ありがとうね。
ミカンをいっぱい食べて
長生きしよーぜ、お父さんっ