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これで分かる(?)ハワイ発ヒーリングメソッド「ホ・オポノポノ」解説⑤  境界線を引いたことで「ゼロ」を達成した人の実例

シリーズ目次はこちら↓

 さて、前回の記事でホ・オポノポノにおける「ゼロ」に至るには境界線を無くすのではなく、境界線を徹底的に引くことという、一見真逆の話をしました。↓前回の記事はこちら

 今回はその証明といいますか、境界線を引ききってゼロに到達した人の実例について示したいと思います。まずは、ホ・オポノポノの話なのでヒューレン博士の話から行きましょう(笑)

case 1. イハレアカラ・ヒューレン博士

 様々な奇跡を起こしてきたヒューレン博士ですが、彼は間違いなくゼロに到達している人間の一人でしょう。博士自身は生前、自分も記憶まみれだと謙遜はしておりましたが。

 このシリーズの冒頭で、ヒューレン博士がホ・オポノポノを使って起こした精神病院の奇跡について覚えておいででしょうか?その壮絶なまでに劣悪な環境により職員が次々辞めていくような場所をクリーニングだけで改善したという話です。

 多くの人は、ホ・オポノポノによるこの奇跡の結果ばかりに目を奪われがちなのですが、もっと大事なことがあります。

 私は前回、境界線を引けるようになることでゼロに至るということを主張すると同時に、境界線というのは他者からのプロテクトになるという話をしました。逆に言えばだからこそ、一般的に境界線を引くのが苦手とされているHSPとかエンパスという人種は、周囲の環境や人に強く影響を受けやすいということになります。

 さて、もし仮にゼロに到達したヒューレン博士が、自身の境界線を無くすことでそこに至ったのであれば、精神病院の劣悪な環境にメンタルが持つでしょうか・・・?答えはNOですよね?

 その証拠と言ってはなんですが、当時同じ病院で働いていた第三者(ソーシャルワーカー)のヒューレン博士に関する貴重な証言が絶版となったジョー・ヴィターリ著「ハワイの秘宝」に残っています。以下抜粋しましょう。

私は、当時ハワイにある州立精神病院で新たに開設された犯罪法医学ユニットのソーシャルワーカーとして着任いたしました。
<中略>
事件は予想に違わず頻繁に起こっていましたー患者によるスタッフ襲撃、患者による患者襲撃、患者自身への暴行、脱走未遂。スタッフ間の事件もまた問題でした。
<中略>
そのときやってきたヒューレン博士なる人物は、妙に人懐っこい以外、ろくになにもしていない様子でした。評価もしない、査定もしない、診察もしない。
<中略>
何が一番奇妙だったかと言えば、この心理学者ときたら、いつものほほんとしていて心から楽しんでいる様子だったこと!よく大声で笑い、患者やスタッフと戯れては、楽しくてしょうがないといった風情だったのです。おかげで誰もが彼を好きになって面白がる始末。ろくに仕事をしている様子がないにもかかわらずにです。

ハワイの秘宝 P.260~ オマカ・オーカラ・ハマグチの手紙より

 さて、どうでしょうか??あんな劣悪な環境で普通こんなに楽しくいられるものでしょうか?無理ですよね?優しそうなおじいちゃんの見た目とは裏腹にとんでもないメンタルの強さです。

 あとは、「嫌われる勇気」で有名になったアドラー心理学では、境界線が引けないと自他の課題の分離が困難になります。境界線の引けない人は他者の評価に敏感になるので、のほほんと何もしないでいることが出来ないのですよね。他人から「怠けている、サボっている」という評価が怖くなりますからね。

 ここから理解できることは、ヒューレン博士はとてつもなく境界線が強いということが理解できます。むしろ境界線を極めたからこそ、そこから「陰極まれば陽となる」の発想で逆に境界線が消えてゼロになるという私の主張とも合致します。

case 2. レスター・レヴェンソンの場合

 ヒューレン博士と打って変わって、「誰?」という印象が強いと思いますが(笑)、この人は感情の手放しのメソッドの一つであるセドナメソッドの創始者です。実は彼もホ・オポノポノとは別の手法でゼロに至ったと言える人なのですが、せっかくなので紹介しましょう。

 直上リンクのセドナメソッドの本はこの界隈では有名な本ですが、ヘイル・ドゥオスキンという方が書いていますが、この方は創始者ではなく創始者であるレスター氏のお弟子さんにあたる人ですね。

 この本にはあくまでメソッドのやり方しか書いておらず、創始者であるレスター氏がどのようにメソッドに至ったか、そしてその結果どうなったかについては一切書かれていません。

 レスター氏がどのようにしてそこに至ったかは英語版の資料を邦訳してくださった方がおります。全部読もうとすると比較的長いのですが、それでも引き込まれる面白さです。まずは、そのリンク先の物語を読んでいただいてから、私の記事の続きを読んでいただけると分かりやすいと思います。

 ここからは、直上の記事の長文がしんどくてどうしても読めないという方のために、記事の内容をかいつまんで解説します。

 さて、大学で物理学の学位(恐らく博士号)を取得してから、超エリートコースを歩んできたレスター。ところが40代半ばで病に倒れ余命を宣告されます。手の施しようがないと医師からは家に帰され、働くことも出来ないまま、有り余る時間をこれまでの人生の振り返りに捧げることになります。

 超絶エリートだったレスターは病に倒れるまでは、名声、富、人間関係、知能などあらゆるものにそれなりに恵まれ順調だったわけですが、それらが全て吹き飛び絶望します。「幸せとは一体何だったのか?」と。

 有り余る時間の中で幸せとは一体何なのか問い続ける中で、彼は気づきます。人が幸せを本当に感じられるときというのは、自分が誰かを愛しているときの内面的な出来事であり、外側は一切関係ないなのだと。彼はそこに気づいて以降、これまでの人生であった様々な出来事を全て愛に変えるというプロセスを始め、わずか3か月で病も癒えたうえに悟りともいえる境地に到達します。どんな感じか具体的には、

彼はカリフォルニアに住む友人の事を思った。いま彼は何をしているのだろうと考えた。すると、レスターはその友人の家のリビングルームにいたのである。彼はその部屋や部屋にいる人達、その人達と友人が座って話しているのを見ることが出来た。レスターはすぐにその友人に電話をした。「君がどうしているかと思ってね、電話をしたんだよ」レスターは言った。「君はいまリビングルームにいて、3人の人がそこにいるね…」彼はその部屋の詳細、そこにいる人、いまその人達と何を話していたかを友人に話した。レスターは受話器の向こう側でハッと息を呑む音を聞いた。そしていま自分が話した事は事実かどうか尋ねた。

その友人は答えた。「その通りだよ。でも、一体どうして君にそれが分かったんだい?」

笑いながらレスターは言った。「オレはそこにいるんだよ。君には見えないのかい?」

長く沈黙が続いた。レスターはパニックになるのを感じ、又、いま感じているパニックは友人が感じているものだと驚きながらも分かったのである。
彼はまるで友人の内部に存在しているかのように感じた。その友人と同じように感じ、考えているように感じたのである。これは全く新たな経験だった。そして、突然彼は友人に変わったのである。事実、彼は他の人全てだったのである。なぜなら、彼の核の部分は全ての核であったからである。

レスターの物語 | レスターレベンソン(セドナメソッド創始者)の珠玉の言葉

 まさにすべての境界線が無くなったゼロの状態になっているわけです。

 ちなみに、レスター氏が行った他人を愛するという「愛」についてですが、その一つの形態として、この場合の愛というのは相手をあるがままに受け止める、一切コントロールしないという意味合いがあります。

彼は、この新たな方向性を検討し始めた。胃潰瘍の原因は、あらゆる事、それは最も身近な事から世界の果てまで、合衆国やその他の国、政府の長、天候、今まで見た映画の結末、ビジネスの経営方法、税金、軍隊、大統領、そういった事を変えたいと望んでいたからだと彼は理解した。彼が何かにつけ変えたいと望んでいないものは、無いに等しかったのである。

何という啓示だろう!彼は自分自身を、彼が変えたいと思う事全ての犠牲者であり、被害者として見ていた。それら全てが解け始めた。彼が人や出来事に関して痛みの原因になる何かを思うと、今やそれを愛に修正するか、それを変えたいという願望を溶解させるのだった。

レスターの物語 | レスターレベンソン(セドナメソッド創始者)の珠玉の言葉

 これを最後の気づきとして短期間にゼロの境地に至るわけですが、どうでしょうか?この何かを変えないというのは、まさに境界線を引くことに相当します。境界線が引けない人というのは自他の区別が特にあいまいなので、何でもかんでも自分の都合で変えられると誤解するのですよね。

 こうして徹底的に境界線を引くことで、やはり孤立どころか全てと繋がるワンネスの世界に至ったというわけです。

今回のまとめと注意点

 というわけで、二人の覚者の実例と境界線の強さについて紹介しました。いかがだったでしょうか?従来とは逆の発想ではあるので、受け入れがたいと思いますが、私はこの方法論が唯一の悟りへの道だと思っています。

 ちなみに、ヒューレン博士はホ・オポノポノで精神病院を変えてしまったわけですが、レスター氏の「何も相手を変えようとしない」という姿勢と相反するのではという疑問を持つ方もいらっしゃると思います。

 しかしこれに関しては何も問題はなく、元々ホ・オポノポノは結果を期待すると効果が無くなる、台無しになると言われています。つまり、自分の内面の記憶にのみアプローチするのみです。その結果、あくまで外側が自然と変わることがあるというだけですね。つまり、「ヒューレン博士が病院を変えたのではなく、結果として変わった」というだけのことです。

 実際に僕自身もホ・オポノポノを知った当時は、境界線を引く能力が著しく今よりも弱かったので、頭では期待してはならないと分かっているのですが、どうしてもすぐに外側の変化を求めてしまっていました。今ではある程度引けるようになったので、外側の変化に期待せず淡々とやれるようになり、そうすると逆に外側に変化が起こるようになって、効果を感じられるようになった次第です。


 


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