Ni(内向的直観)とは何か
心理機能の1つである内向的直観(以下Niと表記)は、INFJとINTJの主機能、そしてENFJとENTJの補助機能として働く機能である。
本記事ではNiについて説明する。と言っても、ほとんど私(INFJ)の感覚と考察で構成されたものなので、鵜呑みにはしないことをおすすめするが、興味があれば読んでみてほしい。
①ひらめき・確信
Niは、ひらめきと思考を繰り返す。『ひらめき』という言葉はNiに興味がある人ならよく目にするキーワードだと思うが、これのせいでNiへの理解が遠のいているという人も多そうではある。一応言っておくが、断じて神のお告げなどのスピリチュアルではない。
このひらめきは思いつきのようなものだ。漫画のキャラクターの頭上に浮かぶ豆電球。
Niのひらめきは、最初に疑問を持ったあとから結論を出すまでの思考がバックグラウンドで実行されることで起こる。風呂に入っている時やご飯を食べている時など、まったく関係ないことをしている時にひらめく(=結論が浮かぶ)のはこのせいだ。Niは常に働いている。
Siは過程をすっ飛ばして結論を出すことに不安感を覚える。このため、彼らはひらめきをあまり信用せずに実証済みの物事を信じる。つまり、Siもひらめきを経験することがあるが、それの正確さを証明できるまでは重視しない。これに対し、Niはひらめいたことに確信を持つ。『これは絶対にこうだ。これは必ず達成できる』。これはS機能が弱いために起こる思い込みで、若いNi(特にINxJ)にありがちだ。特にSeは現実を正しく認識するためには欠かせない機能なので、弱いとこうなる。この根拠のない確信が彼らを自信家にするわけだが、まあ予測は外れる。Niは過去の事象から未来を予想する機能なので、『過去の事象』の数が少なければ少ないほど予測が外れるのは自明だろう。AIと同じである。
ちなみに教祖的立ち位置のキャラクターに結構xNxJがいたりするのも、Niの確信によって生み出されたカリスマ性によるものだろう。もちろん、Niが全員カリスマ性を持っているわけではないし、カリスマ性を持っている人が必ずNiだということでもない。
②思考の収束
パターン思考とも言う。これはNiの大きな特徴である。
この思考の例を挙げるとすると、キャラクターと自身の同一視だろうか。『このINTJのキャラクターの思考は私と似ている。よって私もINTJだ』と言った具合に、似ているものを1つのグループに分類する。上記の思考を頻繁に行う人が居たら、おそらくNiだと思う。
パターン化が得意なので、Niは結構ネット上のIQテスト(信憑性はなし)で高得点を取ったりする。あのテストは規則性を見つけるのが上手ければ上手いほど高い数値が出るからだ。
また、Niは過去の経験から未来(次に起こること)を予想する。これもパターン思考が得意だからこその思考回路である。
彼らは物事の恒常性を信じている。『過去から今、未来は同じことが続いていく』。
例えば、誰かに嫌味を言っている人がいるとする。それを見たNiは、『昔から嫌味や悪口をよく言っていたのかな』『これからも多分この性格は変わらなさそうだな』と考える。こうなると、やがてはドアスラムをすることもあるだろう。
ドアスラムについても少し触れておくが、これはINFJ特有のものではない。INFJが起こすことが多いというだけで、xNxJ自体にその傾向があると考えていいだろう。
③Ne、Siとの比較
もう少しNiを明確にするため、他の知覚機能(Ne、Si)との比較もしておく。Seに関しては完全に真逆の知覚機能であるため、不必要だという判断をした。
まずはNiとNeの差についてだが、これは思考パターンが大きく異なる。
Niは、ゴールまでの道筋を瞬時に思いつくことができる。障害を避けた上での一本道ではなく、初めは大雑把な計画だ。もちろん考え出した瞬間に思いつくわけではなく、先述の通り別のことをしている最中にポン、と頭の中に浮かぶのだ。そしてその計画通りに動けば上手くいく、と確信する。しかしこの状態では潰せていないリスクが多すぎるので、そこから先は単純な思考で計画を練っていく。
もちろん他の人間の言動は完璧には予想しがたいので、計画を「この人がAと言った場合はBを実行し、Cと言った場合はDを実行する」という風にパターン分けしていくつも計画を立てていることが多い。
それに対してNeは、そもそも計画を立てることに意味はないと考えていることが多い。状況なんてコロコロ変わってしまうのだし、今考えたところで後から変更する必要が出てくるじゃないか。それなら敢えて計画を立てずに臨機応変に対応していく方が効率がいい、と思っている。これは、Neがこの先に起こるさまざまな障害を一瞬でひらめくことができるからこその思考だろう。NeはNiに比べて可能性(リスク)の枝を広げるスピードが段違いに早い。
これをNiが聞いたなら「この先計画を変更する必要があったら、その都度修正したり計画を根本から立て直したりすれば良いじゃないか」と訝るだろう。
Niは見通しが立っていないと安心できないのである。たとえ今後計画を変更する羽目になろうとも、次にやるべきことが明確になっていないと不安に苛まれる。
また、Niは内向知覚なので自身の内側から、Neは外向知覚なので自身の外側からひらめきが発生する。つまり、Niはボンヤリ歩いている時など不意に何かを思いつき、Neは目の前にあるものから何かを連想するのである。
NiとNeで迷っている人は意外といるような気がするが、こうして考えてみると結構分かりやすいと思う。
次にNiとSiの違いを考えてみる。
この2つの機能はどちらも内向知覚で、変化を嫌う。Siが恒常性を好むのは周知の事実だろうが、Niも中々だと思う。その違いは、「予測できる変化であっても嫌かどうか」だ。
Siはルールを大前提のものとして捉え、Niはルールを自ら決めるものだと捉える。なのでSiはルールに疑問を抱かないし、与えられたルールならば守ろうとする。一方Niはルールに文句を言っている姿をよく見かける。
もっとも、SiとNiではあまり似ている部分はないため、この2つの機能間で迷うことは少ないんじゃないかと思う。
これはなんとなく書きたいから書くのだが、「Siは記憶力が良い」という俗説についても触れておく。結論を言うと、必ずしもそうだというわけではない。その逆も然り、NiはSiを使いこなせないことが多いが、だからと言って記憶力が良い人がいない訳でもない。が、Siは過去に重きを置いている。つまり過去を振り返る回数が多い。記憶というものは反芻すればするほど鮮明に残るもので、確かにSiには記憶力に優れた人間がそこそこいるのかもしれない。
切
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