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傾斜する夕景——短歌連作

あまりにも狭い選択肢の中で舗装路こんなに硬かつたかな

終はらない夕暮れ明日を繰り越して影がうしろのはうで嗤つた

置き去りの影から見える数刻ののち倒れ伏す彼のすがたが

諦めの音色、煌めく星のこゑ、消えゆく虹のあとのしづけさ


悪食の果てにほろびむ酩酊の底に埋めしあくがれあまた


あかときをなほかすみたる視界さへ揺らぎていつか雪のしろたへ



鴇野 流霞

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