うりゃーおりゃー
恋人とスキンシップを取りたいなと思っても、うまいことタイミングを計るのが苦手だったりする。お互いにそういうことが苦手で、でもスキンシップを取ることそのものが嫌いなわけではない、むしろ積極的にスキンシップは取りたい、そんな人と付き合っていた時、いつの間にか生まれた方法が、「うりゃー!」「おりゃー!」などと言いながら、タックルのように相手に抱きつくというやり方だった。受ける側も、「そいやー!」「どすこーい!」などと言いながら受け止める。或いは「ぐあー!」「うぎゃー!」なんて言ってタックルのダメージを表現する。ムードも何もあったもんじゃない。しかしこれも、お互いにスキンシップは取りたい、でもタイミングやムードを計るのは苦手である、という共通認識があればこその合理的なやり方なのであった。例えば2人で並んでテレビを見ていて、何となく一瞬の沈黙があった折に、どちらからともなく「うりゃー!」と抱きつくのはなかなかに楽しかった。彼女とはたくさん楽しい時間を過ごしたし、色んな場所に行ったり他にも楽しい思い出はあるが、こうやって思い出すのがうりゃーおりゃーと抱きつき合った思い出なのは面白いものだ。
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