自衛隊入隊試験
高校を中退した僕は、自衛隊に入る為に、18歳になるまでひたすら食べては身体を鍛える日々を続けました。
軽度の自閉症の僕は、対人関係がまったくできず、自衛隊ならそんなに必要なく、命令に従って体を使えば、僕でもできるのではないか?そんな風に安易に考えていました。
18歳になり、自衛隊の入隊試験を受けました。第一候補は戦闘機のパイロットになりたいと思っていたので、航空自衛隊の試験を受けました。
第二候補に、陸上自衛隊を受けました。
航空の試験は、筆記があったのですが、航空機がどの方向に向かっているかを答える試験があり、空間認識能力が必要らしく、それがまったくない僕にはわかりませんでした。残念な事に航空自衛隊の入隊試験は落ちましたが、代りに陸上自衛隊の試験に合格しました。
やっと嫌だった学校からも家も家族からも抜け出し、一人で生きていく事ができると、僕は内心とても喜んでいました。
この時に、僕が実は自閉症だと母から告げられ、なぜ今まで人と上手に人間関係をきずけなかったのか?喋れなかったのか?チックや他の人と違う行動があったのか、理解できたのでした。