すぐに結果を求めない人が成功する理由

人が新しいことを学んだり、
スキルを身につけたりする際には、
必ず段階を踏んで成長していきます。

このプロセスを理解しないまま、
すぐに成果を求めると、
焦りや挫折につながることが少なくありません。

NLP（神経言語プログラミング）では、
この成長のプロセスを次のように分けて考えます。

1. 成長の4つの段階

(1) 無意識の無能(意識もしてないので当然できない状態)

最初は、自分が「できないこと」にすら気づいていない状態です。例えば、子どもが初めて箸を見たとき、それをどう使うかすら分かりません。

(2) 有意識の無能(意識はしているが、まだできない)

次に、「これをやりたい」「やるべきだ」と意識するようになりますが、うまくできません。
箸を持ち方を教わっても、手元がぎこちなかったり、食べ物を落としてしまうのがこの段階です。

(3) 有意識の有能（意識すれば、できる状態）

練習や試行錯誤を重ねると、「こうすればできる」という感覚がつかめます。
この段階では、まだ意識的に注意を払いながらでないとスムーズに行えません。
箸を持つとき、手元をじっと見ている子どもがこれに当たります。

(4) 無意識の有能（意識せずともできる状態）

繰り返し行うことで、
無意識にスムーズにできるようになります。
大人が食事の際に箸を自然に扱うように、意識しなくてもスキルが身についている状態です。

2. なぜ「すぐにできない」ことが当たり前なのか

人が新しいスキルを習得するには、
どうしても時間と反復が必要です。
このプロセスを飛ばして「すぐに結果を出さなければ」と考えるのは非現実的です。

成長には「慣れ」が必要

脳や身体は、繰り返しによって「新しいこと」を無意識で行えるようプログラムされていきます。これを「習慣化」と呼びますが、そのためには十分な時間と練習が必要です。

「すぐにできるようになる」と期待するのはナンセンス

どんなに才能がある人でも、最初は失敗するものです。むしろ、失敗やできない経験が成長の一部であると理解することが重要です。

3. 箸の例：誰もが通る成長のプロセス

箸を上手に使える日本人でも、
最初からうまくできた人はいません。

◽️初めて箸を持ったとき、ぎこちなく使い、食べ物を落としてしまう。

◽️手元を見ながら、「こうすればいいのかな？」と試行錯誤を繰り返す。

◽️やがて、手元を見なくても自然に箸を扱えるようになる。

これは、箸というツールに限らず、すべてのスキルや習慣に共通する成長のプロセスです。

4. 教育や仕事での応用：焦らず見守ることの大切さ

教育や仕事において、
すぐに結果を求めることは適切ではありません。

新しいことを学ぶプロセスは、必ず上記の段階を経ます。

それを理解せずに「早くできるようになれ」とプレッシャーをかけるのは、本人に不安やストレスを与え、結果として学習効率を下げる可能性があります。

(1) 見守ることの大切さ

人は成長の段階において、ある程度の時間が必要です。すぐに結果を求めるのではなく、その人が「できるようになる過程」を見守ることが、成長を促します。

(2) 小さな成功体験を重ねる

最初は失敗して当たり前です。その中で、小さな成功を積み重ねることで、「できた」という自信が生まれ、次のステップへ進むモチベーションになります。

5. 成長のプロセスを信じること

すべてのことにおいて、成長は時間を要します。
箸の例のように、繰り返しの練習を重ねることで、意識しなくてもできるようになります。

教育や仕事においても、焦らずプロセスを楽しみながら取り組むことが大切です。

成長には段階がある。
すぐにできないことは当たり前。
それを理解し、見守ることが、
本当の成長を引き出す鍵。