広島のような地方で(現場)公務員削減や行き過ぎた「民営化」は自爆行為
広島のような地方で(現場)公務員削減や行き過ぎた「民営化」は自爆行為
広島のよう地方で現場公務員を削減したり、給料をカットしたりするのは自爆行為である。また、公共サービスの行き過ぎた民営化もしかりである。
というより、そういう自爆行為を広島県もやっていた、と言わざるを得ない。特に、前知事の時代、それは酷かった。そして現知事はそれを是正することもなかった。それどころか、現知事の腹心の教育長はそうした現場の弱体化に乗じて、自分のお友達の法人に事業を委託し、県費を流してきた。
市町村は86→23へと大きく減らす。そして、保健所も21から7へと減らす。全国と比べても異常なレベルの削減である。
非正規の先生も県内の公立学校で1000人を超えるという。
そうすることで、起きたのは、防災や感染症対策、教育の弱体化である。そしてもう一つは、地域に回るお金が減るということでもある。さらに、もう一つは、(正規)公務員という形で地元に定着する若者が減り、地域社会のアップデートが遅れることである。
いま、国は地方財政対策で、自治体が保健所や児童相談所などの公務員を増やすことに補助を出すという。
広島県はこれに乗り遅れてはいけないが、今までの惰性では乗り遅れかねない。
まず、実は現場公務員は足りないということを共通認識とし、国の制度も活用しながら増やすべきは増やしていく。そして、国の制度でも足りなければ、拡充を国に求めていくべきだ。
そもそも、公務員の政治活動は制限されている。そうした中で、現場公務員を叩いて、それで溜飲を下げてもらう、などというのは、政治家としては反則技だろう。むしろ、きちんと、県民に公務員の労働条件の決まり方も含めて説明申し上げ、また、人手が足りない部署も少なくない、というのもしっかり説明していくのが仕事だろう。
介護も市場原理をベースとしている現状では、安定供給が難しいことが明らかになっている。
昔は広島市でもヘルパーを公社で派遣していた時代があった。そういうのを復活させるということも否定すべきではない段階に来ている。
また、今後は、民間(市場原理)では難しいのであれば、食料やエネルギー(除く原発)の増産など国が責任をもってすべきところも出てくるだろう。例えば、廃墟となった重厚長大産業の跡地に、こうした分野での国の事業の立地をお願いするのも手だろう。
公共交通も、市場原理で維持は難しい。例えば芸備線の問題にしても、国鉄の分割民営化をして、一民間企業に委ねてしまった時点でこうなることは必然だった。
こうしたところも、国に責任を持たせるべきだろう。国の責任の後退は、広島のような地方の衰退に直結する。
繰り返す。現場公務員は増やすべきだし、ここ20-30年余りの行き過ぎた民営化は抜本的に見直すべきだ。
東京のようなグローバル大都市ならともかく、広島のような地方圏では市場原理にゆだねるのは自爆行為である。このことをお互い肝に銘じていきたい。