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蚊の存在意義

9月になった。夏が終わる。
といってもまだまだ関東は暑くて、35度とかが通常営業。
そこからだんだん気温が下がっていって、昼間でも蚊の存在をいやでも感じるようになる。
というのも、蚊は25度から30度くらいで活発に活動するらしいからだ。

蚊は私にとって本当に心底大敵だった。
小中学生の夏休み、必ずと言っていいほど蚊に刺されて見るに堪えないくらい腫れあがっていた。
夏休みの宿題をやりながら足もとは氷水を張ったバケツに腫れた足を突っ込む。こんなの恒例。さらにひどい時は刺されたところが水膨れになる。
祖父母の家は山の中でど田舎だった。お盆最終日に親戚一同が集まり、飲み食いをし、夜中の12時過ぎまで行われる寺の前のお祭りは大好きだった。しかしご先祖様には大変申し訳ないが、お盆の墓参りは蚊に必ず刺されるからという理由で心から気が進まなかった。
虫よけスプレーが効いたと感じたことなど、一度もない。

小学生の時、足の甲を刺されて靴も入らなくなり、団子でも仕込んだのかと言うくらいに腫れあがってしまったので、病院に行ったら
「あー、ずいぶん腫れちゃったねぇ。」といって大して効かない塗り薬だけ渡された。

中学生の時、手の甲を刺されて指の付け根までぱんぱんに腫れあがり、指もろくに曲がらない。ムリしてグーにするとまるでドラえもんの手。恥ずかしいので湿布をして包帯を巻いていった。刺されたのは左手だったからペンは持てたが、その時体育の授業でやっていたバレーボールはどうしたって無理だと思った。痒いを通り越して熱を持って痛い。サーブはできてもレシーブは無理だ。見学は気が進まなかったけれど、体育教師に実は蚊に刺されて・・・と包帯をほどいて見せたらまさしく腫れものに触るような目で見てうわぁぁっと言い、うん、いいいい!見学してて!と去っていった。

大人になってから、嘘か本当かディズニーランドは蚊が繁殖しないような何か電波だか薬だかを使っているから蚊はいない、と聞いた。さすがディズニー。夢の国にいる間は楽しく過ごせるようにそこまで配慮しているのかと感心した。確かに今までディズニーで蚊に刺された経験がない。真夏のディズニーは暑いのでほとんど行ったことがなかったが、夏には水浴び的なイベントがあると知って子供を連れて行ってみた。夜のパレードが終わる頃、アトラクションに並んでいたらそれは起こった。痒い。しかも2か所。家族で行って私だけ刺された。あぁ、夢の国の気遣いは蚊にまでは及ばなかったか。そして私はそんなに臭いのか、それとも蚊を寄せ付けるフェロモンでも出ているのか。

あまりにも刺されて腫れるので、蚊の生態について自分なりに調べてみたことがある。刺すのはメス。刺されやすいのはO型B型。余計なお世話だ。血液型なんて変えられない。ついでに言うとB型は性格的に難あり、みたいなことをよく言われるので私は血液型占いは信じていないし、血液型何型?とか聞いてきて盛り上がるような人はケッ、くだらない。と心の中で思っている。

蚊に刺されることで亡くなる人は世界で72万人いるという。蚊の存在意義ってなんなのだ。水の浄化作用とか生態系で重要とか言うけれど、そんなのデング熱やマラリアなんかの恐ろしさを知ったら蚊じゃなくったっていいじゃないかと思ってしまう。

以前は夏休みの苦い思い出として蚊に刺されることが一つにあったけど、猛暑日という言葉が当たり前になった今、蚊との本格的な戦いはこれからだ。
猫の額ほどしかない庭の芝生も昨年撤去して人工芝にしたら、劇的に蚊が減った。それでも蚊がいなくなることはない。
近年、私の中で強力だと思っているのはやっぱり臭くても蚊取り線香。そして、最大8時間蚊がいなくなるという「ヤブ蚊バリア」。

今日も私はヤブ蚊バリアのスプレーを片手に、ささやかな花壇に植えた向日葵と朝顔のため、水を撒く。

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