火星で酒を飲みたいという話
この世にはたくさんの仕事がある。
そこにはモノができるまでの流れがある。
例えば絵画。
フェルメールとかゴッホとか、ウォーホルとか。どんな時代にも天才的な画家、アーティストが存在している。
そこには絵の具があってキャンバスがある。
そしてそれらをつくる人がいる。
絵の具、ひいては顔料は鉱物からできているものや、動物からとっているものがある。
もちろんその鉱物を取る人がいる。その動物を狩る人がいる。
逆に、フェルメールの絵を売る画商がいて、それを海外の美術館へつなげるシンジケートがいる。
あらゆるシゴトが、モノが、ヒトが、複雑に絡み合うこの世界。あなたはそこで何がしたいのか?どう在りたいのか。
僕はウイスキーをつくるという仕事に関わりたい。今はバーテンダーとしてウイスキーやそれ以外のお酒を扱っている。絵画でいうと、画家の位置なのかも。
蒸溜所を設立してウイスキーを作るというのは、絵の具をつくる段階か。
それではここで絵の具のつくり方に触れておく。実はなかなか面白い。
オイルを調合し、顔料と混ぜ合わせ、ロールミルで絵具を練り上げる。品質チェックを通過したら、1週間〜1ヶ月ほど熟成させるという。
ウイスキーと絵具では全く違うものづくりに思える。しかし"ものづくり"が好きならば、ウイスキーじゃなくても絵具づくりで十分満足できそうだ。
僕が今ウイスキーにこだわっているのは、ウイスキーを探究したいからだ。どうやってつくられて、どうやって流通しているのか。シンプルに気になっているだけ。
僕の夢は、宇宙人と乾杯すること。
小さい頃から宇宙は僕の探究心を育ててくれた。だから行ってみたいし、せっかくなら他の星の友達もつくりたい。アルハラはしないけど、できれば僕のつくった酒を飲んでほしい。そう、シンプルに気になる。
僕の目指す在り方。
それは冒険家であり続けること。
オモシロいと思うことを全部やりたい。
気になることを探究し続けたい。
結論ものづくりはその為の手段。
ウイスキーは、手段。
目的は、冒険だ。
ある上司の言葉。
「楽しさに楽はなく、楽に楽しさはない」
本気でやるから楽しいし、楽しいから本気でやれる。
その辺の山登るよりも、エベレストの頂きに立ちたいし、火星のオリンポス山で一杯やりたい。
僕はそういう人間らしい。
photo : ミノカさん
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