ラブ・アクチュアリー

ビル・ナイを「生きる Living」を観て知り、すごい俳優だと思っていたところ、彼がこの映画でブレイクしたと知り、観てみました。

確かに、同じ俳優かと思うほどの違いで、この映画では相当ぶっ飛んだ落ちぶれつつあるロックスターでした。演技の幅が広いということだけでなく、よくこんな変わり者の役をこんな年齢で演じられるなと思います。

映画全体としては、イギリスでの様々なカップルたちがクリスマスの機会に繰り広げる恋愛模様です。皮肉な内容が多いように思っていたイギリス映画には珍しく、ハートウォーミングなものです。

一番驚いたのは、ダイ・ハード1作目で、カッコ良いドイツ系か北欧系のテロリストを演じていた俳優が出ていて、アラン・リックマンという人と知りました。なまりのある英語をダイ・ハードでは話していたので、ドイツ人か北欧の人かと思っていたら、アイルランド・イギリス系の人だったんですね。この映画でもなかなか存在感のある役でした。

職場の同僚男性に憧れていた女性が、ついにその男性とベッドインかという直前に、「ちょっと待って」と言って、一人になり、「ギャー」という喜びの雄たけびを上げる場面は面白かった。

コリン・ファース演ずる作家が、使用人として働いてくれたポルトガル人女性を愛し、ポルトガルの実家に出向いてプロポーズする場面がありましたが、私の知るポルトガルはあんなに田舎じゃないのではと感じたので、イギリス人から観た偏見では?と疑問に思いました。

ヒュー・グラントが首相役で出ていて、アメリカ大統領との会談で無理な要求をされた後に、共同の記者会見で、グラント演ずる英首相が「私はアメリカにいいなりにならないで、戦います」という趣旨のことを述べて、イギリス国民から拍手喝采を受けるというシーンが印象的でした。イギリスでも、アメリカという超大国にはビビっているということがよく分かるシーンで、日本にも通じる部分がありますね。

映画の始まりのシーンで、ヒースロー空港で迎えに来た人と飛行機から降りてきた人達が抱き合う数々の場面を観ると、世の中に愛があふれているのが分かるというナレーションは、なるほどなと思いました。イギリスっぽくない(偏見かもしれませんが)、ストレートな恋愛模様を描いており、とはいえ、アメリカの恋愛映画とは違う趣きの映画ですので、アメリカ映画に飽きた人にはお勧めです。

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