りゅう

音楽と本と映画と旅行と自転車好きですが、料理も勉強中です。

りゅう

音楽と本と映画と旅行と自転車好きですが、料理も勉強中です。

最近の記事

SHOGUN 第1話&第2話-外国人が作った時代劇-

 アメリカでエミー賞を総ナメしたと聞き、映画館での上演を待って観ました。  ストーリーの設定は面白いです。戦国時代を舞台とし、豊臣秀吉のように天下人となった武将の没後に5人の有力武将たちの争いと、背景として、キリスト教の布教を名目に日本での利権を独占するポルトガル(背後にスペインも)に挑むイギリス・オランダの対立が絡み合います。この時代の歴史に詳しくはないのですが、戦国時代は西欧の列強諸国が日本に武器を大量に売って利益を上げ、世界的にもホットゾーンだったと聞いていますが、そ

    • 【映画】ザ・ヒツチャーーブレードランナーのルドガー・ハウアーの怪演は必見ー

      ブレードランナー第一作で、カッコ良い悪役を演じていたルドガー・ハウアーの出世作だと思います。とにかく彼の演技が怖い。 車を陸送するアルバイトをするためにアメリカ大陸を車で横断する若者が、ヒッチハイクをするアイツを乗せたがために巻き込まれる恐怖の数々。 ルドガー演ずるヒッチハイカーが何者なのか、全く映画の中で描かれていないのが不気味です。なんなんですかね、アイツは?人間にとっては、分からないものが一番怖いということか? 意味もなく人を殺し続ける。しかも、親切心から車に乗せ

      • 【映画】落下の解剖学ー夫婦関係を考えさせる問題作ー

        映画館で観ようと思っていたものの見逃してしまい、アマゾンプライムで観ました。 2023年のカンヌでパルムドールをとっただけあり、脚本がよく練られています。ストーリーとしては、フランス人の夫とドイツ人の妻が、夫の故郷である山の上の小屋で暮らしていたところ、夫が上の階から落ちて亡くなります。妻が殺人犯として起訴され、その裁判の過程で夫婦関係が暴かれます。夫婦の関係が、法廷で再現され、お互いの口論を通して浮かび上がります。対話劇でもあり、色々と考えさせられます。シリアスですが、大

        • 【映画】侍タイムスリッパーー現代に蘇る会津侍の魂ー

           低予算映画なのに上映館拡大中と聞き、観に行きました。ところが、なんと、タイムスリップしてきたのは会津藩士の侍であり、現代においても、戊辰戦争が終わっていなかった!  日本人は、判官びいきといいますが、低予算映画でヒットというと、「カメラを止めるな」を思い出しますよね。  この映画には、普段見慣れた俳優は出ていません。しかし、映画は俳優ではなく、ストーリーなのだということをあらためて認識しました。なにせ、脚本がすばらしい。  普通のタイムスリップものかと思いきや、実は、タ

          勝手にしやがれ(仏)

          ジャン・リュック・ゴダール監督の名作として有名なので観ました。 ジャン・ポール・ベルモントは、確かに軽快な感じで、面白い。 相手役の女性も、ショートカットのキュートないかにもパリのひとで、魅力的でした。 話は、ほぼめちゃくちゃですし、意味もなく警官を殺したりして、お尋ね者になります。 ストーリーではなく、雰囲気で楽しむ映画なのだと思います。 なお、ベルモントがやたら、唇を親指で触るのは、なにか意図があるんでしょうね。

          勝手にしやがれ(仏)

          田園に死す(寺山修司)

          2作続けて観たうちの一作目。 はっきり言ってつらかった。 なんだか恐山とかの風景とか、色々な変わった人が出てきて、基となる詩も読んでないし、分からなかった。 なお、原田芳雄が出てきたのは良かった。

          田園に死す(寺山修司)

          書を捨てよ町に出よう(寺山修司)

          2作続けて、寺山作品を観ました。 正直言って、全く分からん。多分、寺山さんという詩人の詩がテーマなのでしようが、映像化に成功しているとは、いえないのでは?と感じました。 最初の方はまだストーリーがあったのですが、体育館の部室で集団で女性にあんなことして、今なら間違いなく犯罪。昔の時代なので、今の基準で判断するのはよくないですけど。 昭和の文芸、文化でゆうと、必ず出てくる 寺山修司と、唐十郎ですが、同時代で生きていないので、共感するのが難しい。 当時は、難解なのを語るのが

          書を捨てよ町に出よう(寺山修司)

          ミナリ

          A24配信でしたね。 淡々とした映画でした。 奥さん役の女優は良かったし、旦那も見たことのある方でした。 おばあちゃん役の女優は、思っていたよりもインパクトがなく、残念! A24映画の特徴ですが、オチがなく終わります。 辛口で2.5点です。

          【映画】サラウンデッド

          アマゾンプライムで見つけて観ましたが、現代的なアレンジの西部劇です。面白い! 物語は、駅馬車が西部の荒野を移動中に、強盗団に襲撃されるものの、強盗団のリーダーと、乗客だった黒人女性との闘いということです。 駅馬車が襲撃されるシーンは、ドローンを使った空からの撮影が斬新です。どういう位置関係で、駅馬車が強盗団の騎馬たちに襲われるかがよく分かります。このシーンを見ると、ジョン・フォード監督の「駅馬車」の影響を多かれ少なかれ受けていることが分かります。 しかも、全編、映像がと

          【映画】サラウンデッド

          シビルウォー

           久しぶりに映画館で観るべき映画を観たという感じです。すごい。  しかし、映画アプリの口コミを読むと、結構ネガティブな意見が多いのにビックリしました。映画の感想は人によって180度違うのを実感しました。  私としては、今年観たDUNE Part2を観た後はうち震え、映画を観続けてきた良かった~、と思いましたし、(PERFECT DAYSも相当感動したのですが、)この映画も見終わった後、凄いもの見ちゃったなぁと単純に嬉しくなりました。  政治映画と思っていたら、ジャーナリ

          シビルウォー

          駅馬車

          ジョン・フォード監督による西部劇の名作としてあまりにも有名。昔買ったDVDをようやく観ました。 専門的にはカットがすごいとか、色々と見どころがあるようなのですが、確かに、白黒の映画ですが迫力のある映像です。 ジョン・ウェインも、若々しくて精悍でカッコいいです。 脚本も見せ場を盛り上げる作りです。アパッチ族によって別の町などが次々とやられたという報が寄せられ、彼らが近付い来るという恐怖感が後半に向けて段々と強められます。 駅馬車に乗り合わせる乗客たちも、様々なキャラクター

          うたうひと

          濱口竜介監督と酒井耕監督による東北を舞台にしたドキュメンタリーです。民話を語る様子を、岐阜県出身の小野和子がインタビューをするのを記録しています。 民話を語るのは三人のお婆さんとお爺さん。それぞれの語り口で、その人それぞれの表情で、自分が覚えている民話を語ります。 語る様子を、斜めからあるいは遠くから移したり、時には正面から顔を映します。民話は、どういう人がどういう風に語るのかによって、印象がまったく違うのだということが表現されています。 小野さんがインタビューのために移

          うたうひと

          TOKYO VICE

          マイケル・マン監督が作った、東京の裏社会を追うアメリカ出身の日本の新聞社の記者と刑事の物語です。 刑事は渡辺謙、アメリカ人記者ジェイクはアンセル・エルゴートが演じます。彼は本作では、アメリカの田舎からでてきて日本に住み着いて日本語も話し、大手新聞社に記者として採用されますが、ものすごい封建的な新聞社のしごきを受けます。なぜか日本のヤクザに物凄く興味があり、深くかかわっていく。 エルゴートは、とても魅力的ですが、ベイビー・ドライバーやウエストサイドストーリーで既に観ていたのだ

          Cloud

          黒沢清監督の作品を初めて映画館で観ました。というのも、敬愛する濱口竜介監督の「他なる映画と1」を読んでいて、彼の師匠であるということで興味を持ったからです。 菅田将暉も、これまでは「花束みたいな恋をした」しか観たことがなかったので、まじめに彼の演技を観るのは初めてでした。 前半は不気味さがあって面白かった。転売ヤーというという設定もなかなか興味をそそるし、こういう世界があるんだと感心しました。他方で、後半はなぜ菅田将暉演じる吉井がそこまで憎まれ、追われるのか、ピンとなかっ

          碁盤斬り

          「孤狼の血」の白石和弥監督で、落語の名作を映画化したということで、映画館で観たいと思っていたのに見逃がしていたところ、アマゾンプライムで発見し、早速観ました。 素晴らしいの一言。日本映画の魅力満載。 キャストが皆、魅力的。主役の草彅剛も、静かな前半の演技と後半の激高する演技の両方が印象的。清原果邪もさすがの安定感だし、相手役の中川大志も情けない役柄を上手に演じています。敵役の斎藤工も、最近、悪役ややくざ役が多い気がしますが、迫力がありました。国村隼や市村正規といった大物俳

          失われた地平線(1937)

          ふと手に取った本を読み始めると、そのお話は、幼い時に親に連れられて観た映画の原作であることに気付きました。しかも、出だしだけで人を惹きつける物語の始まりを予感させる。 ストーリーは、第一次対戦後頃の時代、イギリス人たちが混乱に陥ったアフガニスタンから引き揚げるために乗った飛行機のパイロットがすり替わっていて、チベットかどこかの山奥に不時着する。そこで、山奥からやってきた謎の人々に険しい山道を案内されて楽園または聖地に連れて行かれ、夢のような快適な日々を過ごすが、退屈さに飽き

          失われた地平線(1937)