【映画評】キャプテン・アメリカーブレイブ・ニュー・ワールドー
久しぶりにマーベル映画を映画館で観ました。
元々は、アイアンマン1は国際情勢を反映したリアリティが大好きで、2も好きでしたが、3からは多少食傷気味になり、アベンジャーズも確か1までは観ましたが、その後は、ヒーロー大集合に感激しなくなり、観なくなっていました。
久しぶりに観た本作で一番びっくりしたのは、キャプテン・アメリカという、アメリカ人を代表するヒーローがいつのまにか黒人俳優になっていたことです。どうやら前の作品からなっていたようですが、知りませんでした。しかも、キャプテンの助手役(バットマンのロビンのような役)は、ヒスパニック系の男性でした。トランプ政権が誕生して「反DEI(ダイバーシティ、公平、包括性に反対するでしたっけ?)」が幅をきかせる前だからだったのでしょうか?トランプ支持者のアメリカ人は、こういう配役にはどう反応するのか興味があります。
キャプテン・アメリカを演ずるアンソニー・マッキーは、体も動くし、知的な感じもするし、良い俳優と思いました。デンゼル・ワシントン系といえるかもしれません。
ストーリーをネタバレすると、ハリソン・フォード演ずるアメリカ大統領が、実はアクシデントで天才的知能を備えることになった科学者?を秘密に匿っていて、その男の策略により、大統領が狂わされ、最後にはハルクになるというお話です。
ハリソン・フォードがハルクになる過程は面白いです。やっぱり怒りが頂点に達するとようやく変身するという設定は、わかってはいてもドキドキするし、変身後の破壊力もいつみてもすごいです。
最後はキャプテン・アメリカとハルクが闘い、ホワイトハウスがぶっ壊れたりしますが、なんか最近はCGの精緻な映像に見飽きてきて、逆に、ゴジラ-0.1とかの手作り感のある特殊撮影の方に惹かれます。なお、シビル・ウォーの映画の最後で、ホワイトハウス周辺での戦闘シーンは迫力がありましたが、あれもCGではなく、実写だったのでしょうか。
ストーリーとして面白かったのは、日本が相当クローズアップされていることです。新しく見つかった鉱物を管理する条約を作るために米国大統領は尽力しますが、色々とあって日本の首相から不信感を買ってしまい、それをなんとか説得しようとする。日本の首相役を平岳大が演じますが、かっこいいです。この映画では、アメリカが日本を相当な大国として恐れているように描かれていますが、トランプ政権が誕生した現実もこうだといいのですが。いずれにせよ、アメリカが自信を失って、日本やインド、フランスにビビっている様が語られますが、アメリカ人はこのように世界情勢を見ているのでしょうか。
なお、昔のダイハード1では、テロリストに乗っ取られるビルが日本の商社のものだったり、ライジングサンという1993年に作られた刑事映画(ショーン・コネリーが渋い役を演じています。)でも、日本の経済的パワーにビビるアメリカという前提で作られていますが、映画はその時の時代を反映していて興味深いですね。
大統領の補佐役で警備の責任者的な役柄のシラという女性が出てきますが、イスラエル出身のできる女という設定のようですが、今ひとつどういうキャラとして出しているのか曖昧で、監督の意図は分かりませんでした。
エンドロールの後にも映像がありますという案内が最初にあったので、皆さん最後まで残っていましたが、これもマーベル映画の定番になっているようですね。私も映画は必ずエンドロールを観て、制作にどれだけの人が関わっているのかを確認し敬意を表すべきだと考えていたので、良かったです。
報道されないアメリカ人の感覚なようなものを感じ取るためにも、マーベル映画は役にたつと思いました。