〇〇な人、と呼ばれる喜び-五ヶ瀬中等教育学校の探究活動の成果発表会に行ってきた-
今年2度めの五ヶ瀬中等教育学校。
今回は、昨年度に引き続き探究活動の成果発表会に伺って来ました。
昨年度の発表会が本当に強烈なインパクトがあり、今回も楽しみに伺いました。
今年もあまりにも面白いものでした。何が面白かったのかというと、ということで、3つほどまとめてみます。
1.学びの継続、進化が期待できる生徒たちの姿と、その背景にあるカリキュラム
五ヶ瀬中等教育学校は6年一貫。探究の発表も、1年生、2年生、5年生が発表してくれました。それぞれがとても興味深いものでしたが、特に2年生たちの発表後雑談する中で、「この探究は5年生(一般的に言うと高校2年生)まで続けます!」と話してくれた生徒さんがとても印象的でした。考えてみたい、調べてみたいから、突き詰めたいに変わるのでしょうか。その熱量に驚かされます。もちろん、5年生の発表を伺うと、本当に数年書けて探究している先輩の姿がそこにあります。続けられる環境が用意されているから、というのもあるのでしょうが、生徒たちの熱量が、今後の探究の進化を期待させる感じがします。だからこそ、「この先に期待」ということを思えるようにも感じます。
2.言葉にする楽しさ、発見する喜び、新しい問いを探す嗅覚を持っている。
1年生の発表の後、質疑応答のところでこんな質問をしました。
問い:『今考えたい新しい問いは〇〇です』とみんな言うけど、一体新しい問いって、どこで、どのように生まれるの?
その時の回答の1つが、
「発表では、詳しくは言えなかったんですけど、話を聞いたり、本を読んだり、実際に歩いて調べたりする中で、〇〇ってなんでこうなっているんだろう?って気になって考えたくなったんですよね。」
なるほど、この子たちは、多分、問いは、1回完結ではないことを知っているのだろうと思いました。また、それを実際に、体感するために、たくさんのコト・モノ・ヒトに触れているのだろうと感じました。3年生の発表で、最近賞をもらった発表も聞いたのですが、その発表の中で、本当に楽しそうだし、自分の見つけたものを自分の言葉でキラキラ話すこともできていました。正直自分自身が、最近になってようやく気づいたことを3年生は気づいているのか、率直にすごいなと思ったところでした。
↑ 中学校3年生の森さんの発表。個人的に、「クラウンの赤ちゃん」「ダブルクラウン」と自分自身で事象を名付けていることに感銘を受けました。自分しか見つけたことがないかも、を見つける喜びを感じたことある人は探究や研究がやめられないのでは?と思っていました。
3.〇〇の人と呼ばれることを誇りに思っている。
五ヶ瀬中等教育学校の子たちは、探究のテーマにあわせて〇〇の人、と呼ばれるのを喜んでいる気がする。その背景には、自分自身の活動が面白く、また、自分ならではのものと思っているのではないか、と思う。誰かにやってほしいとか、誰かに与えられたモノではないのだと思う。だからこそ、自分の名刺代わりになるものの一つを探究と捉えているのではなかろうか、と思う。こういう人たちって本当にキラキラしているし、発表が面白い。発表後の対話も面白い。そういう人たちに成長していく学校や場ってよい。そう思う。
最後に。もしも、来年も行くとしたら。
来年、もし見に行くことができるなら、今回発表した子たちが、どのように歩んだのか、聞いてみたい。高度化したとか、評価されたということよりも、進んできたプロセスに興味がある。探究を続けようが、続けていまいが、そんなことはどうでも良くて、この生徒たちに興味が出ている。多分、面白い〇〇な人になっているのだろうという確信めいたものを感じている。