【2024年創作大賞応募用】【短編小説】傘花火 ~初夏の夜に咲く恋の花~ Chapter-14 エピローグ
※この小説はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
エピローグ
「沙羅・・・ねぇ沙羅・・・。」
翔が優しく声をかける。
「ん?」
「朝だよ。」
「そっか、私、夢見てたのか。」
「どんな夢見てたの?」
相変わらず優しい声で、翔が声をかける。
「んー!内緒!」
「んー、が長い!」
翔が優しい声でツッコんだ後に続けた。
「そういえば海斗のところ、生まれたって?」
「うん、LINE来てた。くるみがお母さんなんて信じられない。」
「そっか、何かお祝いしないとね。」
「そうだね、花蓮も何を贈ればいいか悩んでいるみたい・・・・ねぇ?傘はどうかな?」
「傘?あの傘はだめだよ。俺たち以外見えないじゃん?」
「あげるわけないでしょ。冗談通じないんだから。」
「ほら、遅刻するから早く支度しなきゃ。帰ってからゆっくり話そう。」
そう言って翔は洗面へ向かった。
沙羅は幸せをかみしめていた。あの伝説が本当なのかを確かめるには、まだまだ先は長い。
ただ・・・今のところ文句のつけようがなかった。
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