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神崎龍佑 RYUSUKE.KANZAKI
2019年8月26日 16:15
~please noise~「ソウマらしいと言えばソウマらしいよな。あんなに嫌がってた髪も切って染めて積年の想いが積もったアクセサリーまで捨ててまるで人生最後の日ってわけじゃあるまいし。」「ある種の決別、禊のカタチなんだろ、それが。」「そうそう。だからソウマらしいんだって。あのマンションの存在もそういうことしてたからずっと言えなかったわけで。多分さ、世間一般とズレてるんだよな
2019年8月22日 23:36
懸命に頭を下げた。「お前の音に対する心のコンパスってそんなもんだったんだな。呆れたよ。見たことも何も知らないそいつのため?そいつのためだけに奏でたい?」シンラも僕も本気だった。トキオはブラックコーヒーをすすりながら、ただ聞いていた。「そこにひとりでもいるなら全力で、鳴らす。それが僕たちの演り方じゃなかったのか?」「それはそうだ。だけど俺たちであって、ソウマのソロでの話じゃな
2019年8月18日 19:38
当然のことながら提携レーベルから大バッシングを食らった。「俺たちの音楽。俺たちの信条。今回のシングルの宣伝に関して自費で負担してます。何か問題ありますか?」シンラはいつも通り強気な発言を投げる。ここはパートナーシップを結んだレーベルの【理事室】だ。でも音に一片に対して触れられたシンラは、僕たちは、そんなことどうでも良かったんだと思う。「自分たちのしたこと分かっているのかね?そ
2019年8月17日 13:00
3stシングル「恋文」は結果的に言うと惨敗だった。でも大袈裟な言い方だが世界同時時刻ジャックは異例の試みとして大きな反響を呼んだ。FC加入者数およそ12万人。ミリオンセールスを記録したこともある僕たちだけどその1割。反響と言っても良くも悪くもと言ったところだ。【Moon Raver はファンを捨てた。】と囃したてるメディア。スタッフからは匿名掲示板でも似たような書き込
2019年8月14日 14:13
二人の妥協案はもうこの生活に限界が来たら海外にでも移住する。となったらしい。僕がチャットに夢中になっている間に気がつけば二人で次のシングルについて話し合っていた。スタ練に遅れてくる程の僕だから大体話し合いには相槌程度の参加しかしない。二人の総意に対して判を押すような役目を担っているのかもしれない。決して音楽への熱量が二人より希薄だとかそういう訳じゃない。ただ僕たちは自然とこうなっただけの話だ。
2019年8月12日 12:08
そのアプリを開いた。いや開いてしまった。友達リクエスト?なんだこれ。相手の性別も分からない。性差がどうってわけじゃないけど。とりあえず承認してみた。なんだこのアプリ、フォレストポリス??直訳で多分、警察の森?森の街?なんだろうこれ。携帯をスリープにしてスタジオに向かう。ただ時間を潰したくて楽器を流し見しに下北沢に来ていただけだった。まあこの近くに頻繁に利用しているス
2019年8月11日 01:48
人が行き交う。タクシーが往来する。人の数だけ言語、性別、食文化、趣味、嗜好、価値観、性格、座右の銘。人について知ろうと思ったら枚挙に暇がない。こんなに急いでこの人たちはどこから来て、どこへ行くんだろう。よくそんなことを考える。東京という街は全国からなぜか人が集まってしまう。夢や目標や憧れ。なんとなく上京したんだって言ってみたくてなんて人もいる。僕もそのうちの一人。