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2020年4月の記事一覧
ねぇ、忘れないでよ。#31
どういうこと?
なんで?
そればかりが繰り返す。
幼子のように。
三人で彼の遺影を前にしていた。
シンラさんは我慢することも
できないようで声をあげて泣いていた。
トキオさんは静かに肩を震わせていた。
私は涙も出なかった。
怒りと哀しみが綯い交ぜになっていた。
なんで一言も言ってくれなかったの。
言ってくれたにしてもその意見に
賛同できなかったと思う。
想真くんが考えていたことは最後の最
生きて、生きて、奏でた#30
「もしもし、母さん?うん、想真。げんきにやってるよ。母さんはどう?」
「元気そうな声ね。活躍をメディアとかで聞いているもの、そうよね。母さんも元気よ。父さんに会ったんでしょう?色々と驚かせてごめんね。話すタイミング探してるうちに想真どんどん大きくなっていくから、隠すつもりはなかったんだけど、結果的にそうなっちゃったね。」
「そんなこといいよ。母さんはずっと僕の母さんだよ。これはなにがあっても変