シェア
神崎龍佑 RYUSUKE.KANZAKI
2018年9月5日 22:37
片道、4時間の時間旅行。その先に彼女はいる。いつだって僕を待っていてくれる。そこでしか会えない。というわけではない。でも僕はそこへ行く。こんなに一つの場所へ思いを巡らせ往復したのは彼女のいるその場所だけだ。綺麗にレイアウトされたギターが並ぶ店でもなくそこの一冊にどれだけの思いが詰まったかわからない本達が並ぶ場所でもなく友達の溜まり場になっている場所でもなくどこでもない、そ
2018年9月8日 00:01
その話を半信半疑で聞いてほどなく本当に現れた。僕の元に。この人の心を知りたい。この人の心が欲しい。僕だけを想って欲しい。 僕のことを好いてくれるわけがない。もし、万が一そんなことがあっても僕のことだ。愛想を尽かされてすぐに終わりがやってくるだろう。 僕は気がつくと車に乗りあの店へと向かった。そう心を渡して心が手に入る店だ。 まるで悪魔との契約だ。自分の心を対価と
2018年9月13日 22:34
彼女と知り合ったキッカケは大学の音楽サークルだった。僕はギターを弾く時間に費やしたり未来について深く考えもせずに高校生活を過ごしてしまったため大学に進学する道を選択した。音楽サークルはいくつかあったが上半期、下半期とバンドを組まなきゃいけない決まりがあるサークルだったりある程度の制約があったりしたそういうのは御免だった。15歳でギターを始め、バンドを組んだりもした。方向性の違
2018年9月14日 06:05
はじめての二人きりの時間。この大学を選んだ理由や好きな音楽の話やお互いに知らない学生時代の話。そこで大きな共通点が見つかった。彼女も好きな、ではなく尊敬しているアーティストはと言いそれが僕と同じだった。宇多田ヒカルとX JAPAN。尊敬している理由もふたりともよく似ていた。日本人でありながら英詞なども使い、世界的に知られていて心に染み入り、頭の中で何度もリフレインするメロ
2018年9月14日 21:09
正直な気持ちで言うとどんな大学生活における日々やどんな授業よりも土曜の2限のひかるとの時間は僕の楽しみになっていた。いつも僕よりも先にそこにいて決まってピアノの前に座っている。だけど彼女のピアノは聴いたことがなかった。入る前に聴こえてくることもなかった。音楽はやりたいときに好きなように自由にそれがいちばんの音楽の魅力だと楽しさだと思っていたから、弾いてほしいと僕から言うことも