【小ネタ】新NISA応用編 ~見落としがちな3つのヒント~
神NISAと金融業界が崇め奉る、
「少額投資非課税制度」、通称NISA。
やらなきゃソンなんて言いだすものだから、かえって怪しまれる。
私は、新NISA制度を充分理解し、1分で説明する自信があった。
でも、まだ少し甘かった。
実際に使うと見えてくることもある。
四半期の運用を終えたので、再認識した点を小ネタとしてまとめた。
〚1〛金融機関変更による2段階NISA投資
新NISAでの金融機関変更を理解できていなかった。
キッカケは、さわかみさんのコラム。
最後のほうで書かれていて、NISA口座を移管しても、NISAで購入したさわかみファンドを、そのまま保持できることを知った。
NISA口座を他社に移管する場合、課税口座に出すか、全売却と思い込んでいた。
さわかみファンドは、直販にこだわっているので、さわかみ投信でしか買えない。また成長枠のみの対応だ。
だから、
さわかみファンドをNISA口座で投資したい場合は、上限1,200万円までしか投資できないし、さわかみ投信は、1本のファンドしかないので、さわかみファンドしか買えない。
まあ、早い時期に1,200万入れきれれば、もう充分とも思える。日経平均5万時代も近い!!!?
さらに、2段階で投資すれば、この制約を回避できる。
逆も真なりで、
先にオルカンなどで積立枠を埋めて、成長枠の残り分で、さわかみ投信さんへ口座移管後、さわかみファンドを買える。
これは、
「旧NISA」で、非課税期間が終了するまで引き続き「旧NISA」の残高として保有できるのと同様の仕様だと思えば、ストンと理解できる。
新NISAでは、非課税期間は無制限なので、ずっと非課税で保有できるというロジックだ。
元のNISA口座では、非課税分として追加購入できない。売却した場合、口座移管した金融機関のNISA口座で簿価が再利用される。
こんな仕様が、顧客本位なのだろうか?
少なくとも政府の制度設計上の問題だ。
金融機関変更しても、iDeCoのように全売却されない点はよい。
幾つも金融機関を渡り歩くことはできるのだろうか?
・さわかみ投信に500万円(成長枠)
・楽天証券に600万円(積立枠)、
200万円(成長枠)
・SBI証券に500万円(成長枠)<=ここにNISA口座
こんなモデルは、あまり考えたくない。
昨年末から、NISA口座争奪戦が、勃発中だ。でも大枠は、SBIか、楽天かの2択で、決着したかに見える。
これからも条件が変わったり、各陣営の連携などがあり、金融機関を変更したいケースも出るだろう。
特殊な動きをするロボアドはどうか?
NISA口座が占有されるウェルスナビさんのQ&Aにも、既に回答があった。
https://support.wealthnavi.com/hc/ja/articles/360056841211
ロボアドでも、売買を特定口座を優先する仕様で対応できるようだ。
とにかく、
はじまったばかりなので、金融機関を変える人は、まだ少ないだろうけれど、制度を活用し、よりよい金融商品、金融機関で勝率をあげよう!
〚2〛NISAを活用した少額課税投資
iDeCoは最後にまとめて課税される、
積立投資税後払制度だ。
一方、新NISAは、完全非課税なのかというと、少額課税される。
だから、恒久投資少額課税制度の方が正しい。
「少額投資非課税制度」というなら全部、非課税にして欲しい。
1つ目は、消費税
投資一任フィー、信託報酬には、きっちり消費税10%が上乗せされる。
ファンドの信託報酬は、ほぼ設定されているので、税の区分は違うけれど、徴収するのに非課税と言って欲しくない。
ロボアドのだだでさえ、クレイジーと言われる1.0%のフィーが、NISA口座でも税コミで1.1%になる。0.00x%台でコストを争うインデックスファンド陣営から見ると、確かに消費税加算額も含めると、スーパークレイジーだ。
投資人口が増えれば、金融機関の利益と消費税収入が増える。
だから、関係者は、株式はリスクが高いので、ファンドの『長期分散積立』を呪文のように繰り返す。
消費税減税の検討すらしないx民党がネックだ。
2つ目は、米国での配当金への課税
NISA口座の場合、国内での配当金が非課税なので、2重課税にならず、普通に外国(国により異なる)で課税される。どうしようもないが、ちょっと嫌な感じ。ふるさと納税的な違和感を感じる。
話は少し逸れるが、NISA口座での国内の配当金を非課税にするには、
株式数比例配分方式
を選択する必要がある。
他にも、登録配当金受領口座方式、配当金受領証方式がある。
それぞれ、証券口座受取、銀行口座受取、郵便局窓口受取、
ぐらいの名称にして欲しい。こういった名称の難しさが、投資を面倒なものにさせていると思う。
3つ目は、特定口座での損益通算
NISAの弱点は、NISA投資分での損益通算できない。と、金融機関は繰り返し説明している。
ちょっと小技だけれど、NISA(旧NISA含む)で保有している株が、充分な株価水準になったら、課税口座へ移管する作戦も取り入れたい。
移管すると、移管時点の時価で、購入価格が更新され、配当金は課税されるが、移管した簿価分は、次年度から別の投資アイデアに再利用できる。
<もし移管後、下落したら>
NISA口座内で高値から下落したら、単なる下落だ。課税口座に出すことで、損益計算に下落分を使える。NISA口座で高値で売却したのと同様のメリットを享受できる。
<もし移管後、上昇したら>
さらに上昇した場合はラッキーだが、課税口座で発生する売却時の税負担は、ラップ口座のフィーの還付等にも利用できる。
これにより非課税の恩恵を、特定口座やラップ口座でも享受できる。特定口座へ移管タイミングが難しいが、適当にやるしかない。
運が良ければ、特定口座の税の少額化にも利用できる。
とにかく、
制度を活用し、税負担を下げて、勝率をあげよう!
〚3〛クレカ積立による割引投資
特に裏技というワケでもないが、クレカ積立は、ポイントが得られるだけではない。主に4つ利点がある。
たとえば、得たポイント1%分を次回の積立時に利用できれば、1%引で投資できることになる。年3~4%程度の益を期待するファンド積立投資において、1%割引&非課税は有利だ。
クレカだけでなく、電子マネー(楽天キャッシュ)なども活用できつつある。
月10万円積立なら、
・ポイント1%:1,000円
・1ケ月の金利分:16円(金利0.2%の預金口座の場合)
の直接的な効果がある。
残り2つの利点を換算するのは難しいが、これらの効果は個々のファンドの損益に反映されないので注意が必要だ。
家族全員でクレカ積立する。複数口座でクレカ積立するなど様々なバリエーションがある。
今後の1つのテーマとして、
年金は2ケ月分振込まれるので、余剰分をつかって、MAX10万円クレカ投資を継続しつつ、旬でなくなったファンドを切崩しながら生活する投資モデルを研究していきたい。
NISAの活用方法は、人による。アラカンであれば、投資と切崩しを併用した中短期での活用もアリだろう。
とにかく、
クレカ等の仕組みを活用し、勝率をあげよう!
まとめ
NISA制度は、
税金からないからいいよね、政府も後押ししてるんだし、利用しないと損だよね・・・
じゃあなくて、
個人がリスクを取った上で、低減された税金以上の益を必ず出し、インフレ、社会保険料の増加などの対策に自ら充当する、一種の自助努力を推進する制度だ。
信託報酬を得られるウハウハな金融機関も、顧客が損失を出せば、顧客資産の劣後で、やがて衰退する。
富裕層ではない個人投資家にとって、NISA口座は、自ら責任を持って、絶対に益を出さなければならない、
No Impairment Savings Account
だ。なぜなら、庶民層の金融資産のロス、税金のロスのダブルロスで、社会的ダメージが大きい。ダブルロスによる、社会保険料などの負担や生活保護者が増加したら、負のスパイラルで社会が崩壊する。
【今日のひとこと】
質問
『インデックスファンドに比べてパフォーマンスが低いことに対して何か対策をしていますか?』(40代男性)
回答
え? 設定来の25年間という長期では、さわかみファンドはインデックスファンドに大きく勝っていますよ!(以下のセミナーQA集より)
この、
え?
で回答するところに、独立系の心意気を感じる。
独立系でないと顧客に対して『え?』では、どこかの組織からコンプラ違反を指摘されるだろう。
じゃあ、vs S&P500は?というと、
あほか!日本人じゃろが!日本株買え!
(これは私の創作)
このスタンスは、これでいいと思う。
目先の損得でなく、
生涯の非課税投資の中で、
負けない個人投資家を目ざす!