投資と新NISA口座 ~何を買うかの前に、どこで買うか~
新NISA口座開設先を、1年間検討してきた。
現在の私のNISA口座は、野村證券さんの一般NISAだ。2014年のNISA開始時点で、野村さんが一番洗練されていると感じたから開設した。今は、もうすっかり野村證券さんとは、心が離れてしまったので継続しないことを決めている。
・マネックス証券
・ウェルスナビ
・楽天証券
の3社を候補にして、他の証券会社も機会があるごとにリアル、リモート問わず接触してきた。
証券投資の日(10月4日)に想定外のマネックス証券の資本業務提携の発表もあった。
また先日、開催された楽天証券の新NISAのイベントにもリモート参加した。首都圏の方はいいなと思う。気軽にリアル参加できる。リモートでは、参加者の熱気などが分からない。
セミナーの冒頭で説明があったが、新NISAでのクレカ積立を来年1月から開始するには、はやめに積立設定をする必要があるらしい。スタートダッシュの為の新NISA積立予約機能を近日リリースすることが紹介されていた。
新NISA口座にいくら投資し、どこまで期待するかではあるけれど、あまり細かく検討しても、意味がない気もしてきたので、そろそろ決めようと思った。
楽天さんのセミナーは、開始直後の特別セッションあたりまでは、何がしたいんだろうと不安になったが、次のセッションあたりからは、内容が充実していて参考になった。
NISAでの投資は、iDeCo(企業型DC)も同時に検討が必要だ(個人的にはiDeCo口座は受給フェーズなので、もう関係ないが。。。)と思う。2番目のセッションの中では、iDeCoファーストを言い切られていた。個人の資産状況により異なるものの、説明内容は、ほぼ完璧だと思った。
楽天証券のセミナーを見終わって、もう情報収集は充分。
今回のセミナーで決めようと思った。
NISA口座の決定
あくまで個人評価だけれど、
SBIと楽天の2択なら、投資として組む相手は、断然、楽天さんだと今回のセミナーを視聴して感じる。先月のSBI証券のフェアは、単なる商品説明だった。
それでも、以下の雑誌に楽天証券の社長のインタビュー記事があったが、
インタビューの見出しに、
『楽天カードつみたての最大1%は変更しません』
なんて書かれると、ガックリする。他にキーメッセージはないの?と思う。さらに本文にも、楽天市場でポイントが高くなる日は、楽天グループの負担になるので自分は買わないとか、冗談としても、社長がこれでは、ダメだと感じてしまう。
ネット証券会社は、もう少し何とかならないものだろうかと思う。
よって、私は、消去法的に
マネックス証券に決めた。
選定の第一の理由は、企業ロゴと経営理念への共感だ。加えて、まだ何も明確ではないが、docomo、イオンとの協業に期待する。
企業ロゴは、私にとって重要だ。
新卒で入社した企業は、ほぼ企業ロゴから感じるインスピレーションだけで決めた。そのカンは正解だったと思う。
あと、楽天証券の株を保有したいかを自問してみた。答えはNoだ。
ウェルスナビは、株式を保有している。良い仕組みだと思う。ただCEOとの相性が悪いのと、docomo&イオン連合の魅力には負けるので、次点とした。
マネックス証券の最終チェック
マネックス証券に決めたものの、ファンドラップの研究者として、以前よりオンコンパスの広告に違和感があった。
マネックス証券は、手数料無料化グループに組せず、対面証券同様、アセマネモデルへ移行しているので、オンコンパスは、規模はまだ小さいものの主軸のサービスになる。
そんなオンコンパスで、
昨年度末での調査結果から、3年リターン、5年リターンで1位だったと公表した広告が気になっていた。
集計上、1位なのは事実だ。
ただし金融庁が毎年公表している「ファンドラップの『費用控除後』平均パフォーマンス」では、なぜか海外ETFに直接投資しているロボアドを外している。
つまり比較すべきロボアドのウェルスナビ、THEOを含まない中で、
マネックス・アセットマネジメントが自慢するだけならまだしも、マネックスグループの社長が、この1位広告を何度もアピールするところを目にしたので気になっていた。
そもそもファンドラップは、平均で比較するものではないと思う。顧客が選んだリスクレベルが、低ければ、パフォーマンスは当然ながら低い。運用の優劣と平均パフォーマンスは、直接関連しないセミオーダーメイドのサービスのハズだ。
私は、もう老い先も短いし、気になるので、金融庁に確認してみた。
楽天モバイルは、やっぱりすばらしい。電話通話無料なので躊躇なく電話できる。
結果は残念ながら、集計先(QUICK資産運用研究所)が意図をもって集計しているので、特に理由はないという、意味不明な回答だった。会話してもこれ以上の情報は得られそうもないので、深堀はやめた。
回答のニュアンスからは、海外ETFを直接組み入れるロボアドは、手数料の体系が異なる為、ファンドラップとして集計しなかったのかもしれない。ETFをラップしているが、ファンドをラップしていないということだ。ウェルスナビ、THEOは、ファンドラップではないが、ロボアドではあると定義するなら、つじつまは合う。
少し話がそれるが、結婚するかどうかは、相手の欠点や異なる価値観を受容できるかどうかが最大のポイントと聞いたこともある。
このポイントは、非常によくわかる。
まあ、資産規模が、まだ20位近辺のロボアドなので、アピールが必要なのは理解できる。株主としてもアピールはして欲しい。マネックス・アセットマネジメントが独自に開発した計量モデルが、ほんとうに科学的にもすばらしいのかもしれない。
CEOには、共感できる。
新NISA口座開設先は、パートナーに近いと思うので、オンコンパスの広告への不信は、ノーサイドとし、受容することにした。
より良い取組みを行う金融事業者の評価
NISA口座を開設する業者選定と関連して、興味深いレポートを見つけた。
金融庁が野村総合研究所へ委託して作成させた資料だ。
タイトルも中身も微妙で、この資料の骨子は、
金融庁のご指導どおり進めても、顧客がアホだから、活動を理解できないので効果がでていないということ。よって、顧客側の主体的な行動がなければ、よりよい金融事業者を、顧客は選べないということらしい。
顧客本位の業務運営に関する活動は、各社ホームページで公開している。だだし中身が非常にわかりにくい。やらされ感を強く感じる。
もともとのトリガーは、投信の回転売買や、仕組債の販売など、顧客の利益より、自社の利益追求の反省から始まったのでは?その初心を忘れていないかい?と、内容に対して???がいくつも脳内に発生した。
野村さんらしい洗練されたレポートだけど、出発点と方向性が、理解できない。こんなレポート作成の為にNRIさんへ、ちゃりんと税金が落ちる。悲しい気持ちになる。顧客本位の業務運営をしないことで、自分たちで改善の為の仕事を作り、本来不要な仕事をしているように見える。
興味深かったのが、投資信託を例にした、NRIさんが考えた顧客の認識能力とプロセスの仮説だ。
認知と評価ができる顧客のイメージは、
まず、評価に値する比較対象の会社を選定でき、正しい評価項目を理解しているので、有効な情報収集ができて、複数の会社を比較したのちに最終判断するというモデルだ。
非常に違和感がある。
非対面を前提にしたプロセスに見えるものの、AIで充分代替できるレベルにも見える。
そもそも金融業者の窓口担当者は、ほとんど他社情報を知らない。自社より、もっと条件の良い他社のキャンペーンや、サービスがあっても言及しない。顧客の認知レベルを議論する前に、金融業者が、顧客へ提案できるのかを自問して欲しい。
IT業界では、各社の製品、サービスの機能の比較一覧を元に議論することが多い。実際は、機能比較一覧の〇✖表では、表現できない実務レベルでの戦いになる。ほんとうに顧客システムの特性を理解していないと勝てないし、提案する場も与えられない。
NRIさんは、iDeCoをベースに考察すればよかったのではないかと思った。
iDeCo(or企業型DC)は、NISAと並び、資産形成の重要な制度だけれど、ほとんどの金融業者は、説明する能力がない。
せいぜい手数料と、投資可能商品ぐらいしか言及できない。多くの組合わせと、複雑な税制とからみ、ベストの選択は高度なコンサルになるからだ。
iDeCoの出口戦略に関して、
大手証券会社2社、iDeCoを契約した銀行1社、IFA 2社、FP 1社と会話したが、会話になったのは、たった1社だけで、他の5社は、ほぼ素人だった。
理由は簡単だ。iDeCoは、自社の儲けにほぼ関係ないからだ。まあ、相談相手を間違ったと言えばそれまでだが、顧客本位の業務運営を推進する中で、iDeCoを理解しないで、NISAを説明できるとは私には思えない。
面白い資料ではあるが、金融村から出て、異業種を参考にして、検討して欲しいと思う。
少し、マネしてNISA口座の開設先の判断へ置き換えてみた。
このような金融業界の中で、顧客は、ベストのNISA口座開設先を選定できるのだろうか?
迷った場合は、ポイント付与率の優劣などは、楽天証券の例をあげるまでもなく、変動するので、
・企業ロゴや経営理念に共感できるか?
・CEOに共感できるか?
・株式を保有したいか?
の3点で決めることをお勧めする。
無敵のプロ棋士も強みは『直観』らしい。
クレカ積立5%還元、ポイントザクザクのSBI証券さん1人勝ちになりそうな渦の中で、悩める日本国民が、どのような切り口で、新NISA口座の開設先を選択するのか、1年後の各社の集計結果が楽しみだ。
まとめ
超超微力な投資家ながら、
マネックスさんの理念、
「一歩先の未来の金融」を創造し、社会に貢献する
イオンさんの理念、
お客さまを原点に平和を追求し、人間を尊重し、地域社会に貢献する
docomoさんの理念、
あなたと世界を変えていく
各社の経営理念を統合して、
平和を追求しながら、新しい金融システムを活用することで世界を変え、地域社会に貢献する!!
マネックス証券にイオングループが加わり、さらにドコモ経済圏と一体化することで、dポイントをベースにしたマイド経済圏を、自分の生活の中に構築する。
イオンモール、ドコモショップ等の全国のリアルショップまでも巻き込んだ、成長と分配の好循環の経済圏の完成を目指す!
さっそく、NISA口座の変更手続きを開始した。
意外と簡単だ。
野村證券へ勘定廃止通知書の送付を郵送で依頼し、マネックス証券のサイトでNISA口座申請書の送付依頼をすれば、申請書類が揃う。
ゼロサムゲームではない、新しい非課税の投資環境への移行に、少しだけワクワクする。
【今日のひとこと】
家は、人生最大の買い物と言われます。
だからこそ、
信じられるところで探したい。
どんな家を買うか、の前に、
どこで家を買うか!
(「住まいさがしは、アットホーム」の新作CM 売買編より)
新NISA口座へは、最大1,800万円の投資ができる。
20年、投資を継続したら、投資金額は、5,000万円を超えるかも?
つまり、人生最大の買い物の器にもなりうる。
だからこそ、
どんな金融商品を買うかの前に、
どこに新NISA口座を開設するかだ!