白物家電業界におけるデータ活用のポイント
白物家電業界は、一定の買い替え需要が見込まれるなか、厳しい競争にさらされています。中国メーカーの台頭(シャープや東芝の白物家電事業買収)や、巣ごもり需要の減退、部材価格の上昇などがその一部です。 参考:日経業界地図2024
こうした課題に対抗するため、企業は新たな戦略を模索しています。例えば、IoT機能の組み込みにより、製品の付加価値を高め、顧客により魅力的な製品を提供しています。また、パナソニックは、店舗での値崩れを防止するために、返品を受け入れるなど従来の商習慣の見直しにも取り組んでいます。
こうした環境を踏まえると、買い替え需要を獲得するための、ブランドのイメージや製品の付加価値がますます重要になっているといえます。
ブランドの強化や製品付加価値向上のための有効なデータ活用について整理します。
ブランドの強化や製品付加価値向上のためのデータ活用
ブランドストーリーの策定・発信: SNSやアンケート調査、顧客フィードバックなどのデータを分析し、既存のブランドイメージと顧客ニーズのギャップを埋めるブランドストーリーを作成します。
ターゲット顧客への情報発信: 特定の顧客層(例えば、年齢や地域、趣味などで特徴づけられる顧客)に向けて、適切な情報を発信。これにより、顧客の関心を引き付けます。
付加価値の向上: IoT機能を活用して、製品の利用状況を把握し、顧客に役立つ情報を提供。また、アプリとの連携を通じて、顧客の生活をサポートするサービスを提供することがポイントになります。
例えば、冷蔵庫とアプリを連携して買い物リストを提案するサービスなどがあります。
家電そのものの価値だけではなく、生活全般への価値提供が求められる時代になってきており、データ活用は競争力強化のために必要不可欠と感じました。
ちなみに、デジタル競争戦略という書籍に、製品の役割の変化が以下のように記されています。
「従来のデータの役割は、製品を効率的に生産、販売するために活用される」
「データこそが新たな顧客価値を創出するための源泉となり製品はデータを取得するための導管の役割へと変化する」
白物家電業界は、まさにこの変化の渦中にあると思いました。