瀬戸亮平

ソフトマター物理,レオロジーの研究者

瀬戸亮平

ソフトマター物理,レオロジーの研究者

最近の記事

軽症から回復後のPCR検査Ct値

[6月20日更新] 6月8日にPCR検査を受けてコロナ陽性になった。その時のCt値は26。その後、6月12日に受けた検査では陽性だけどCt値は31と回復傾向。しかし、6月16日の受けた検査の結果は再びCt値26くらいに戻った。そして、6月19日と6月20日に受けた検査で陰性に戻った。PCR検査ではCt値が37度以上を陰性している。中国では今でも16元(約300円)でPCR検査を受けることができ、 Cycle threshold(Ct)値も検査結果に含まれている。ごく軽症で発熱

    • ゼロコロナとwithコロナ

      追記(2021-3-10)  動画はここ(ryseto.github.io/COVID19)から. 国がどこを目指せば良いのかを考えるの絵を書いた。 傾斜にボールがあり支えないと転がり落ちるという絵。この坂の目盛は,日毎の新規感染者数を表す.感染状況はこの数字で把握している. 傾斜の傾きは一定.ボールに働く力が一定ということだ.数字が10のところも1000のところも同じ傾きは直感に反するかもしれない.少し説明する. 対策が弱いと感染者は増加し、対策が十分だと感染者は減

      • ゼロコロナストラテジーのモデル

        ゼロコロナストラテジーがどんな感じになるかを定性的にみるためにかなり単純化したモデルを考えてみた.感染者が見つかれば対策して抑え込み,抑え込めたら対策をやめるという時間発展.都市が複数あり,対策していない都市の数が多いほど経済的に良い.対策による抑え込みだけに注目するので集団免疫などの効果は無視している. 都市数はNと仮定。感染者数 I は指数関数的,単位時間あたりR倍で増えていく.Rは対策強度 a の減少関数。感染者数がゼロの時はR倍してもゼロ. 感染の種は確率的に海外

        • (非専門家による)再生産方程式の説明

          2020年5月24日修正 西浦先生が2020年5月12日に「実効再生産数とその周辺」という発表をされた.その前半で解説された再生産方程式の説明を補うノート.西浦先生のスライドは次のリンクからダウンロードできる.  https://github.com/contactmodel/COVID19-Japan-Reff 再生産方程式時刻 t の新たな感染は,過去に感染した人から移されたもの.t の新規感染者数 i(t)は,その時間までに感染したその時々の新規感染者の人数 i(t

        軽症から回復後のPCR検査Ct値

          集団免疫の「オーバーシュート」

          既に免疫を持っていて感染しない人が一定の割合でいれば感染は広がらない.これを集団免疫という.ワクチンではなく,感染で免疫を獲得する場合は,病気になる人が少ない方がいいので,集団免疫が働くぎりぎりの割合まで感染する事を目指すというのが対策の目安になる.簡単なSIRモデルで見積もるとすると,平時の基本再生産数R0に対して,(R0-1)/R0という値が目標値になる.R0=2.5ならば目標値は0.6,つまり60%の人が免疫を持っていれば,一度終息したあと感染対策をしなくても,次の感染

          集団免疫の「オーバーシュート」

          集団免疫か根絶か(SIRモデルの解説)

          (5月5日修正) 感染の広がりと終息を予測する一番単純なSIRモデルを通じて,COVID-19対策について考えてみる.単純化し過ぎているため正確な予測はできないけど,終息の2つのシナリオ,集団免疫か根絶かの違いはよく分かる.一人一人の行動変容が大切な今,何を目指しているのかを明確に理解する必要がある. ここの解説は牧野先生の記事を参考にしつつ,自分の理解を書いているので間違いがあればメールで教えてください.seto{at}wibe.ac.cn https://www.iwa

          集団免疫か根絶か(SIRモデルの解説)