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研究プロジェクト Day6

約1年前にチームを結成し、10月から始まった研究プロジェクトクラスも3月8日で終了した。

まずチームメンバーを決め、そのあとに何をするかを考えた。ビジョナリーカンパニー2でも有名な「まずバスに乗せる人を選び、そして行き先を決める」という順番は、先にやりたいことがあって起業した自分にとっては新鮮だった。

序盤はブレストで300近いサービスアイデアを出し盛り上がっていたが、結局は「メンバーの誰か一人が精通している業界であること」「社会課題であること」「解決したい課題であること」という3つの条件から介護という領域に的を絞り、研究プロジェクトの履修審査に応募した。

無事に審査をパスし、本格的なビジネスモデルの構築とアクションが始まると、うまくいかないことが多かった。

我々が“不変の軸”として定めたのは、“介護人材不足による介護難民の増大を防ぐ”こと。いま振り返ってみると、講師から不変の軸を定めるよう促された時はこの軸の重要性が今ほどは分かっていなかった。

ビッグピクチャ―を描くのが簡単だが、できることはごく僅か。何度もピボットし、PDCZサイクルを2周くらいした。※PDCZサイクルは、計画、実行、評価、絶望のサイクル

これだ!と思って意気揚々と市場に投入しても、箸にも棒にもかからず絶望し、気を取り直してまた一から取り組む。その時に「僕らは何がしたいんだっけ?」と振り返る。それが不変の軸。企業でいえば理念だ。ピボットする時もこの軸からブレないようにするが、途中ブレてきてる気がすることもあったが、最終的にはクラス開始時のビジネスプランに戻っていった。

プロジェクトメンバーでのミーティング・議論も100回近くやっただろうか?思うように議論が進まなかったり、決まらなかったりしたこともあったが、感情のもつれはなかった(と、僕は思っている)。これはかなりすごいことで、1年間健全な対立と議論ができていたと思う。“誰をバスに乗せるか?”から始める威力を感じた。

さて肝心のプロダクトのほうは、Day5終了後にエリアを絞って1万部の新聞折り込み広告を行ったが、まったく反応を得られなかった。エジソンの言葉を借りれば、“うまくいかない方法をひとつ見つけた”という感じだ。そこそこお金もかけたので高い勉強代になった。

Day6ではここ1ヵ月の進捗状況と、今後半年間のアクションプランを各チームで共有し、後半はチームごとに分かれて研究プロジェクトで走り抜けた半年間の振り返りと学びを話し合った。

色々と学びはあったけど、最も大きな学びは“現場に行くこと”“行動すること”だった。他のメンバーも同じことを言っていた。MBA取得の過程で様々な理論やフレームワークを学んだが、口だけは達者になって実行が伴わないのが一番カッコ悪い。行動することと決めることは、MBAという学位ではどうにもならず本人の意志の問題だ。研究プロジェクトではその難しさも学べたと思う。(これに関しては実務のほうが学んでるけど)

研究プロジェクトでは、妄想することではなく実践することが目的だった。クラスは終わってもビジネスは止めない、という前提だ。

とはいえ、研究プロジェクトでのチームはいったん解散し、チームを組み直すことも検討するようにと、講師からの最後のメッセージもあった。今後どうしていくかはメンバーと話し合うとして、ビジネスは形にしたいと思う。

介護サービスの会社を経営しながら、経営学を学ぶため大学院に通っています。起業前の13年間は特養で働いていました。介護現場と経営と経営学、時々雑感を書いています。記事は無料ですがサポートは大歓迎です(^^)/