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社用車をコネクテッドカーにしてみた
介護×DXの可能性を探るため、様々な技術を試しています。
今月のはじめに、ソラコム社とスマートドライブ社の共催セミナーに参加し、既存の車をコネクテッドにすることに興味がわきました。
スマートドライブ社はモビリティ領域で様々なことに取り組んでいますが、担当者の方と2回のミーティングを挟んで、弊社ではSmart Drive Fleetというサービスを試しに使ってみることにしました。
スマートドライブ社のサイトはこちら。なんだかすごいことをやっていそうな感じです。
https://smartdrive.co.jp/
車のシガーソケットにこのデバイスを差すと、ただの車がコネクテッドカーになります。車がインターネットに繋がるというわけですね。
USBの差込口が2つ付いているので、ちゃんとここから電源も取れます。
タイミングよく、片道50分かかる隣市の法務局と書店に行く用事があったので、試しに自分の車を走らせてみました。
コネクテッドになると何ができるのか
このデバイスを差した状態でエンジンをかけると、デバイスの電源もオンになります。エンジンを切るとオフになります。
何ができるのかというと、
① リアルタイムの位置情報が分かる
② 出発地や経由地、到着地を自動で記録する
③ 走行距離を自動で記録する
④ 走行経路を自動で記録する
⑤ 急発進、急ハンドル、急ブレーキなどを感知して記録し、運転スコアを計測できる
⑥ ①~⑤までのことを、PCやスマホ上でリアルタイムで確認できる
と、だいたいこんな感じです。
運転中の様子を会社にいる看護師さんに確認してもらうと、
こんな感じで居場所がバレバレでした。
約10秒に1度の間隔で位置情報が送信されるため、この画面上でも10秒ごとにコマ送りのように車の位置が移動していきます。
また出発時刻、出発地、経由地、到着時刻、到着地などが自動で日報として記録されます。場所については住所を自動取得するんですが、住所に社名や人名を登録しておけば、○○社に行って、○○社寄って、帰社したということも自動で記録されていきます。
①、②、③と3回の運転に分けられているのは、エンジンのオンオフで区別されてます。
このデバイスには加速度センサーとジャイロセンサーも内蔵されていて、急発進・急ハンドル・急ブレーキも感知し、場所と回数を記録します。このデータから運転スコアが出るので、ドライバーの運転を評価することも可能になっています。
3時間ほど使っただけですが、自分の運転ってこんな感じなのかと良い振り返りになりました。途中道を間違えてUターンしたこともしっかり記録されていました…。
これはすごいですね。
コネクテッドになると何が嬉しいのか?
大事なのはここです。
情報が取れるのはいいですが、それが何になるのか。
何かしら納得できない(進化させたい)現状があり、それを理想の状態に持っていくために、このデバイスを使って情報を取得し、問題解決に役立てていく。ここが本質です。
Smart Drive Fleetでできること
① リアルタイムの位置情報が分かる
② 出発地や経由地、到着地を自動で記録する
③ 走行距離を自動で記録する
④ 走行経路を自動で記録する
⑤ 急発進、急ハンドル、急ブレーキなどを感知して記録し、運転スコアを計測できる
⑥ ①~⑤までのことを、PCやスマホ上でリアルタイムで確認できる
このデバイスは個体ごとに識別されています。デバイスを乗用車と紐づけることもできれば、人間に紐づけることもできます。もちろん両方に紐づけることも。車ベースでデータを取るのか、人ベースでデータを取るのかで、この設定は変わってきそうです。
デイサービスで考えてみると、利用者名と住所を登録しておけば、“利用者宅を経由した=乗車した”とみなして送迎日誌を自動化できそうです。
また、送迎時に安全な運転ができているか評価するのにも役立ちそうです。
送迎者の到着時間にはブレがあり、何分に着くか分からない送迎者を外で待っている利用者さんや家族もおられます。送迎を待っている家族がもしこのデータを見ることができれば、「今この辺りまでお迎えが来てるのか。あと15分はかかりそうだから今のうちに○○をしておこう」など、時間の有効活用ができるかもしれません。
弊社の訪問看護スタッフと居宅介護支援のケアマネたちはフレックスタイム制で、在宅勤務もしています。業務で私用車を使ったり社用車を使ったりします。私用車を使った場合は距離に応じて燃料費を支払うため走行日誌が必要になります。
以前は、エクセルで作った表をプリントアウトしてファイリングし、私用車を使用するたびに手書きで記録してもらっていました。
現在はKINTONEでアプリ化しているため、スマホ上から入力してもらっています。これにより日誌入力がかなり楽になったようです。
しかしこのSmart Drive Fleetのこのデバイスを1人1台持たせておけば、シガーソケットに差すだけで走行日誌を自動作成することもできそうです。入力作業から完全に開放されます。プライベートで車を使う時はデバイスをシガーソケットから抜いておけばいいだけです。
と、パッと思いつく活用方法はこんな感じですが、もっと知恵を絞ればいろんなことに役立んじゃないかと思います。今日の業務終わりにデイサービススタッフと軽くブレストをしただけでも、いくつか活用例を思いつきました。
本格導入するのか?
ケアプランアシスタントのデモ体験の記事でも書いた通り、
コスト+デメリット<メリット
この式が成立する必要があります。運転業務はありますが、運転メインの仕事ではないので費用対効果は限定的です。
だからこそ、業務を楽にするという視点だけではなく、新たな価値を生み出せないか?という視点が重要かなと思います。
とりあえずはすでに2台導入しているので、使い続けながら考えていこうと思います。
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