哲学と心理学と図書館司書

放送大学は、コースの垣根を越えて、自分の好きな科目を履修することができる。

今回心理学の授業を取ってみたのだが、心理学には実験がつきものだ。
実験の描写が出てくる。
ネズミを使った実験、犬を使った実験、チンパンジーを使った実験、、、

そうすると私は「かわいそうに」と思い、そこからしばし先に進めなくなる。
こんな実験する必要あったのか?
人間で実験しちゃダメだったのか?
実験に使われた動物はその後どうなったのか…

なんというか、自分の想像にダメージをくらう、とでも言おうか。

疲れてしまう。

その点哲学はいい。
哲学には実験が出てこない。
哲学は実験を必要としない。

そして思う。
心理学科に行かなくてよかった、と。

私は大学入試の際に父から何を学びたいのか聞かれ、初めは「心理学科に入ってカウンセラーになりたい」と言った。
しかし父からは「そんなツブシのきかない仕事はダメだ!」と一喝され、他の道を探すよう言われた。

そして次に聞かれた時に私は「文学部に入って図書館司書になりたい」と言った。
父は「そんなツブシのきかない仕事はダメだ」と一喝し…

長くなるので割愛するが、父にとって「ツブシのきく仕事」というのは大手企業に勤めるか、市役所勤務のことであったので、私の夢はことごとく否定され続けた。

そして最終的に「女に学問は不要」と言われて短大しか行かせてもらえなかったわけだが。

結果今は無職となっているが、あの当時、当初の夢のまま、心理学科に入っていたとしても、私はこういった実験を知る度に心が折れていたのではないだろうか。
結果、大学を中退していたかもしれない。
そしたら高卒だったから、同じ通信制の大学に入るにしても一年生から勉強しなくてはならず、大変だったかもしれない。
短大卒だったので三年次に編入できた。

そして図書館司書も、この間ニュースになっていたが、月収7万円くらいらしいではないか。
無事に図書館司書になれていたとしても、一人では生活できていなかったかもしれない。

無職でいるよりはよかったのかもしれないけど、結果的に私は心理学科に行かなくてよかったと思ったし、図書館司書にならなくてよかった、とも思ってしまっている現状ただの無職である。



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