山口昌男著「アフリカ史」
講談社1977年の「世界の歴史6 黒い大陸の栄光と悲惨」が改題され、2023年8月に講談社学術文庫化。解説が今福龍太さん。
私の英語の先生がニュージャージー出身のアフリカンアメリカンなのだが、コロラド大学で文化人類学の修士号をとっている。文化人類学というと今福さんの著作もそうだが、レヴィ=ストロースの「悲しき熱帯」のイメージで、古川日出男さん「13」も懐かしく思い出した。ラフカディオハーンのひ孫さんの小泉凡さんは、文人類学者だ。ハーンはギリシャ生まれでニューオリンズに住んでいたことがある。まさにクレオールに染まって現地の女性と結婚もしている。
なぜ黒人差別があるのかという疑問から読み始めた「アフリカ史」だったが、全体が文化人類学であったことは楽しい発見だった。
ただ、近代ヨーロッパ社会の経済活動の犠牲になるあたりからは読むのが辛い。辛いが知っていなければならないことだ。
ただ、アフリカ大陸の人たちと、南北アメリカ大陸にいるアフリカンアメリカンの人たちでは境遇や背負っているものが全く違うということを改めて思った。
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