報奨金800万円
八田輿一はこのまま逃げ切るのだろうか?
2022年に大分県で轢き逃げ事件を起こし、重要指名手配犯となっている八田與一は、多くの情報提供がなされているにも関わらず、未だ逃げ続けている。
道路交通法上の轢き逃げは控訴時効が7年であることから、遺族は時効の無い殺人事件に切り替え、八田を追い詰めるよう、署名運動を行っている。
この事件が注目されている背景には、民間からの報奨金が高額に設定されていることもあるが、道交法上の轢き逃げ事件として控訴時効が成立してしまうと、逃げ得になるのではないか?と言う点が焦点になっているからだ。
この逃げ得になることに憤った民間が、独自に報奨金を出し、八田を追い詰めることに協力しているのだ。
警察の報奨金は最高額の300万円、民間からの報奨金は500万円が提示され、その合計額は800万円となっている。恐らく、現在日本国内の報奨金としては、世田谷一家殺人事件や富山市の放火・殺人事件などに次ぎ、高額な報奨金にランクされている。
偶然だろうと何だろうと、八田與一の逮捕に繋がる情報提供がなされ、実際に逮捕された場合、この金額が支払われることになる。
今回、名古屋市内の空き巣事件の防犯カメラに撮影された犯人と思われる男が、指名手配犯の八田與一に酷似していることが話題になっているのは、八田與一に似ている男の情報提供をするだけで、本人であることが確認され逮捕に繋がれば800万円貰えるのだから、これを狙うバウンティ・ハンターの多くが名古屋入りしていると言われているからだ。
2022年以後、八田が逃げ続けられているのは、協力者がいるとか、整形したとか、既に亡くなっているなど、様々な憶測が飛び交っているようだが、今回の名古屋で撮影されたのが八田だとすれば、空き巣を繰り返しながら日本中を移動し、捜査の目を掻い潜っていることが想定され、なるほど、そんなこともあるかもしれないと、俄かに賞金稼ぎ連中が湧き立っているようなのだ。
何せ、八田と直接接触せずとも、逮捕に繋がる情報提供さえすれば、800万円が手に入るのだから、その一発を狙って、本気で八田を探す者が出てきても不思議ではない。
何だか、時代遅れの感もあるが、世界的にも優秀と言われている日本の警察をもってしても捕まえきれない犯人であることから、民間の協力が求められているのだろう。
近年、闇バイトによって簡単にお金儲けを企む若者を集め、強盗事件を起こす事例が多発している。時代背景などを取り上げ、殊更に社会不安を煽るつもりはないが、実際に、インターネットを通じて安易に人集めを行い、募集する側も、手軽な金儲けを求めて応募する。そして個人情報を抜かれ、その情報を元に半ば強引に強盗事件を実行してしまう。
安易に犯罪に手を染めることになると、当然、その後の人生を棒に振ることになるのだが、その背景には日本社会の閉塞感が漂っていることを否定する人はいない。
ただ、景気が上向かないからだとか、実質賃金が上昇しないから若者がこういった安易な手法に走るのだとか、殊更に政府対応を責め立てるマスコミや野党議員もいるようだが、政府も手をこまねいているわけにもいかず、石破政権もその対応に本腰を入れることになった。
ただ石破政権の手法は、付け焼き刃感は否めない。根本解決に繋がるとは、とても思えないのだ。
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倉沢良弦『ニュースの表側』(有料)
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