今や、人類の敵は左派リベラルか?
パリオリンピックは、さまざまな問題点が噴出しながらも、一定の盛り上がりを見せている。
フランスは環境問題や人種差別問題、LGBT問題に対してこれらを乗り越えるべきだというリベラル左派が大半を占めており、その結果、今回のオリンピックにおいてもCO2排出量を半減させる為のベジタリアン食を推奨したり、LGBTの潮流に逆らわないよう、性別に対して疑問がある選手が金メダルを獲ったりしている。また、選手村では自然エネルギーを推奨しようと、選手の部屋にはエアコンすら設置されていない。にも関わらず、フランスオリンピック委員会メンバーがいる部屋は、エアコンが効きまくっているらしい。
普通に考えれば、これらは狂っているとしか言えないだろう。オリンピックとは本来、選手が主であるべきだが、フランスのオリンピック委員会は、自分達のイデオロギーが中心らしい。つまり、政治的プロパガンダの場にオリンピックを利用しているのだ。これに対して、IOCはなんの見解も示さないどころか、近い将来、日本での夏季オリンピック開催を匂わせている。つまり、多大な経済的負担を強いるオリンピック開催を、日本に金を出せと言っているのだ。
IOCが日本でのオリンピック開催を匂わせているのは、新型コロナウイルスの影響で無観客開催を行なった東京五輪が不憫だから、再度、開催のチャンスを与えようとしていると聞こえるかもしれないが、その実は、日本なら経済的にも問題が無いし、IOCが注文をつけなくてもホスト国として選手も関係者も満足できる開催が可能だろうと計算していると見るべきだ。
多くの日本人が指摘しているように、開催に際してIOCの意向を強く反映させるようなオリンピックなら、今回のパリの二の舞になるだろう。「日本はIOCの財布ではない」は、その通りだと思うが、むしろ、IOCや欧州のオリンピック委員会の背後にいる活動家然とした左派リベラルに警戒すべきだ。むしろ、そちらの方がはるかに問題が大きい。
今回のオリンピックは、左派リベラルの自称意識高い系、過剰な自意識が形になったオリンピックと言って良い。問題は、自分達は環境や人権など配慮する気などサラサラ無いのに、他人に強要するその姿勢だ。左派リベラルが「お可哀想論」でパレスチナ人を擁護し、NATOの後押しを受けているウクライナを批判し、欧州各国の争乱など意に介さず移民受け入れを推進していることが招いている世界的な混沌の根源に左派リベラルがいると言うことだろう。
左派リベラルと言われる自称意識高い系、別言すれば自意識過剰な連中の多くが、世界の地図を書き換えようとしていることは、長年、多くの人が警戒感を示してきた。差別とか人権とか環境とか反戦、反核を叫べば叫ぶほど、それが如何に現実を無視した理想主義かは、誰の目にも明らかだ。
彼らはそんな平和とか反戦とかの綺麗事を並べる自分が大好きなだけの自己満足の人々であって、それらの主張が本当にこの地球上の混沌とした複雑極まる問題を解決するとは、信じてはいない。つまり他人事なのだ。そこが一番の問題であり、現実にそれらの問題に直面している人々のことなど、何も眼中に無い。
日本でも反核思念を拗らせた挙句、原発を全廃し、化石燃料の使用を停止して再生可能エネルギーに全面シフトすべきだと暴論を吐き散らかす政治家も活動家も無自覚なクソ左翼リベラルも数多くいる。その脳みそはどう考えても一般常識が欠落しているとしか思えないのだが、ご本人たちは自説を曲げると死んでしまう病に侵されているのか、全く訂正しようとはしていない。
これも巷間言われ続けていることだが、彼らはそれを「正義」だと考えている。地球の長い歴史も一切無視して、少し地球の温度が上がったから、少し各地で異常気象と言われる事象が起きているからという理由「だけ」で、環境を保護しろ、人種差別を無くせ、原発を止めろ、CO2排出量を削減しろと祝詞のように唱え続けている。彼らは本気で地球だの人類だのといった大それたことは考えてはいない。人権だの反差別だの反核だの反戦だのと講釈を垂れる自分に酔いしれているだけだ。つまり自己満足なのだ。
私は以前、新興宗教にハマる人に対して言ったことがあるが、新興宗教にハマる人は他人のことなど何も心配などしていない。世の中の真理と言われることを誰よりも早く知りたがり、誰かを助ければ自分が救われるという価値観で行動しているに過ぎない。つまり利他ではなく利己なのだ。この価値観を見抜ければ、新興宗教に騙されることはない。
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