良かったね、北朝鮮兵はまともなご飯が食べられる
ウクライナーロシア紛争に北朝鮮兵が派兵され、相次いで前線に送り込まれているようだ。その数は5,000人とも15,000人とも言われていて、最大100,000人まで増派する可能性がある。
北朝鮮は武器弾薬と兵士を送る見返りとして、ロシアからエネルギーの提供を受けている。金正恩にとっては、エネルギーや武器製造の資源を受け取ることで、国としての体裁を整えられるのだから、兵士をどれだけ送り込もうと安いものだと考えているのだろう。金正恩にとって兵士の命など、ただの金正恩帝国の維持にとっては、何ほどのこともない。
兵士の家族は、死地に兵士を送り込む苦悩を抱えながらも、少しでも今の生活が向上する可能性があるなら、それも仕方ないと諦めているのだろうか?
北朝鮮のような政治イデオロギーで国家を維持しようという国は、総じて、閉鎖的になり、独裁体制に陥りがちだ。そうしなければ国民を統制し、国家としての統治機構を維持できない。もちろん、金正恩のように独裁者として君臨し続けたいという意地汚い目的もあるだろう。だが、現実問題として、歴史上の半島国家は近隣の強国にいい顔を見せるあまり、同様のことを繰り返している。
特に朝鮮半島によって国家が二分された朝鮮は、政治体制が明確に分かれてしまった為、余計に国家が閉鎖的になってしまっている。
余談だが、朝鮮半島は朝鮮労働党の国であって、大韓民国は反乱を起こした側であり、だからこそ朝鮮半島は休戦状態のままだ。朝鮮半島には二国あるのではない。朝鮮半島は政治的には北朝鮮のものなのだ。だから、トランプが38度線に訪問した時、韓国の大統領は金正恩と握手出来なかった。トランプは連合国司令官として敵対する朝鮮政府の代表者である金正恩に非公式に会ったのであって、韓国の文在寅大統領は、無関係な存在だった。
ロシアと中国が北朝鮮と仲良くする理由は、実は背景にこんな事情があるからだ。勿論、政治体制的に親和性があるというのもあるが、そもそも、朝鮮戦争において今の北朝鮮労働党を支援したのはロシアと中国で、それは朝鮮半島の統治は金日成率いる朝鮮労働党がやってたからだ。
ロシアのウクライナ侵攻は明確な国際法違反だが、にも関わらずロシアが戦争と言わず軍事作戦と言い続けているのは、ウクライナは元々、ロシアと一体だったからで、そのウクライナの土地にNATOが触手を伸ばしてゼレンスキー政権の傀儡となっており、ロシアのものをロシアが守って何が悪いという論法だ。確かに奇襲作戦として2年前にロシアが一気にキーウ制圧を成功させていれば、その理屈も言えなくはないが、主権国家であるウクライナは、ふざけんじゃねえと抵抗し、国際法を無視して他国に攻め込むなと戦争状態に陥った。
国連加盟国やNATOがロシアを批判する理由は、国連加盟国(戦勝国)でありながら、国連憲章(国際法)に明確に違反しているからで、先の大戦以後、国連憲章により、いかなる理由があろうとも武力で他国に侵攻してはならないからだ。
反面、休戦状態にある北朝鮮は朝鮮戦争以後、歴史がそこで止まっているため、ロシアと中国との関係もその時のままだ。だから、同盟国のロシアにNATOが侵食し東進してきたことをロシアと共に防ぐというのは理屈としては間違ってはいないという彼らの論理になる。
これらの背景を全く無視して今回の北朝鮮兵のウクライナ派兵を論じてはいけない。
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倉沢良弦『ニュースの表側』(有料)
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