【あれこれピカソ】第4回目
ピカソ青の時代編第2部です!
今回は絵を多めに紹介致します。
第3回で『青の時代は友人の自殺による悲しみだけじゃなく、自分の中のアイディアを試したかったという部分が大きかった』と書きました。
その事を早速実感して頂きます。
【これも青の時代⁉︎】
この3点は青の時代と見て分かります。なんてたって青いもの!笑
因みに右上の目を閉じてる作品はピカソの友人【カサヘマスの死】という絵です。
この出来事がピカソを悲しみへと追い込んだ一つの原因だという説があります。
ですが、これらも青の時代の作品です。
結構驚きじゃないですか?(いろんな意味でね照笑)
青のモノクロームで統一されたイメージなのにここにきてガラリと変わりました。
この作品を見るとやはりピカソは、悲しみに暮れるだけじゃなく、自分のアイディアを試したり、調べたりする事の方が重要だったのかもしれません。
もしかしたらこうすることによって悲しみから遠ざかろうとしてたのかも…なんて、色々な考察が出来ます。しかし、それも絵の楽しみ方の一つだと思います。
さぁ次はちょっとお勉強!何故青色なのか分かるよ!!
【象徴主義ってなんやねん!】
さぁきました!
僕は美術を学ぶにあたって必ず出てくる◯◯主義みたいなのが凄く嫌いです!笑
だって分かりにくいもの!笑
だから今回は見る人が飲み込みやすいよう僕が噛み砕いて書きます。
離乳食のように!!!笑
前回にも書いたのですが、ピカソが青の時代に描いた乞食や娼婦、酔っ払いなど社会的弱者をモチーフにしたことはなんら新しいことではありません。
それらはすでに19世紀半ばに描かれておりました!(19世紀=1801年〜1900年)
その19世紀半ばに今までの美術を否定する象徴主義という運動が起きました。(詳しく記すと1870年あたりです。ほぼほぼ末ですね笑)
じゃあその象徴主義ってなんだよ!
お答えしましょう!
『芸術作品は第1に観念的であるべきである。そのただ1つの理想は観念の表現であるから。第2に象徴的であるべきである。その観念に形を与えて表現するのだから。第3に総合的であるべきである。諸々の形態や記号を総体的に理解される形で描くのであるから。第4に主観的であるべきである。事物は事物としてではなく主体によって感受される記号として考えられるのであるから。第5に装飾的であるべきである。』
ねっ?
こんな事書かれたらそりゃ絵から遠ざかるよ笑
因みにwiki参照です。
早速かみ砕こう!!
・第1に観念的であるべきだ
観念的・・・具体的な事実に基づかず、頭の中で組み立てられただけで現実的ではない様。
言っちゃえば机上の空論!笑 はい次!笑
・第2に象徴的であるべきだ
象徴的・・・抽象的な概念をより具体的に表現すること。
机上の空論をもっと正確なものにしようぜ!ということ!笑
・第3に総合的であるべきだ
総合的・・・ある体系によって一つにまとめられている様。
正確に考え抜いた机上の空論を色々な視点から見て、要点まとめようということ笑
・第4に主観的であるべきだ
主観的・・・自分1人のものの見方。
要点をまとめた空論を自分なりに発表しよう!ということ笑
・第5に装飾的であるべきだ!
装飾的・・・飾りつけされている様。
自分なりにカッコつけて発表しようぜ!ということ笑
つまり象徴主義というのは、『机上の空論をあらゆる角度から見てまとめて、自分なりにカッコつけて発表しようということですよ!笑』
分かりやすい!笑
僕が正に象徴主義です笑
この時代から社会的弱者が暗い褐色(赤茶色)のみで描かれていました。
じゃあ何故ピカソは青色だったのかですよ。
事実、青色というのは悲しさや憂鬱を表す色でもあり、キリスト教では神性を表してしたりと、なにかと精神世界を表す色なんです。
そんな青色を使うことによって、テーマである社会的弱者を姿、形で強調するのではなく、色でさえも強調してやろうというピカソの実験だったのかなと思います。
『盲人の食事』
『セレスティーナ』
少し作品を紹介した所で最後の項目です。
【実体験から基づいた聖母マリアの作品】
『訪問』
この訪問という作品は聖母マリアがエリザベトを訪問したところを描いた作品です。(左がエリザベト、右がマリアでエリザベトが妊娠したのでマリアがお祝いに行った絵)でも、ただ描いたのではなく、ある実体験を基にこの作品を描いております。
その実体験とはフランスのとある女子刑務所の訪問です。
ピカソは1901年20歳のときこの女子刑務所を訪問しました。
そこでは、基本的に1人での監禁がルールだったのですが、服役している母親の手元に子供を置くことが認められていたそうです。
そんなわびしさや悲惨さを濃縮した場所は芸術家に深い感銘を与えました。
ピカソもその内の1人で、子供を抱く受刑者を尼僧(出家して宗教に入る女性)と見なし、妊娠したエリザベトと重ね(子を抱く受刑者=エリザベト)この作品を描きました。
【まとめ】
今回は青色を何故使ったのかという理由や、ピカソが模倣した象徴主義とは、どのようなものなのかを記しました。
そして、最後にキリスト教の作品【訪問】
現実世界の悲しさと宗教の世界をリンクさせることによって女性受刑者が罪を償い、母となりしっかり生きていって欲しいと願いを込めたのかもしれません。
そんなピカソは人として優しかったのかな〜
なんて想像にふけたりしました。
次回は青の時代大作『人生』について記します!
お楽しみに!
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