【あれこれピカソ】第5回
今回は青の時代3部作の最終章です!
【青の時代の頂点《人生》】
まずはこちらの絵をご覧ください。
この絵は1903年(ピカソ23歳)に完成した大作《人生》という作品です。
この絵はピカソが何枚もスケッチを重ねようやく完成した作品なのですが、右側の赤ちゃんを抱く女性はきっと聖母マリアでしょう。
左に抱き合うカップルの男は最初ピカソ自身を描く予定でした。
自分自身の人生を芸術に昇華しようとしたのです。
だけど完成品を見るとピカソ自身ではなく、自殺した友人【カサヘマス】という人物を描いているのです。
【自殺した友人を描いたピカソ】
1901年(ピカソ21歳)のときカサヘマスは自殺しました。
その悲しみを埋めるために数多くの作品を描くことによって心を整理しようとしたピカソ。この絵は以前にも載せた『カサヘマスの死』というピカソの作品です。
そして1903年。【人生】の製作に取りかかります。
上記にも記したようにもともとはピカソ自身を描くつもりでした。
だけどここにきて整理したはずのカサヘマスの死。先に人生を終えたカサヘマスを聖母マリアと向かい合わせることによって、人生とは何か。死ぬとは何かを見つけ出そうとしたのかもしれません。
【まとめ】
3部作に渡って綴った青の時代。
1回目では、青の時代とは何なのか、実は過去の美術史から見ても新しい作風ではなかったことを書きました。
2回目では、青の時代は青を使うだけではなく、アイディアの実験要素も大きかったこと、何故青色なのかということを書きました。
今回3回目では、青の時代の大作【人生】と友人カサヘマスの死がどのように繋がっているのかを書きました。
連載を通して見て頂くと、最初は理解出来ないというピカソのイメージや、何が凄いのかわからないというイメージが少しずつ変わってきたのではないかと思います。
次回は薔薇色の時代です!
是非お楽しみください!
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