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終わりの見えないプロアマ論について
以前、「誰がプロで誰がアマチュアなのかわからない」と言う質問をされ、先日「プロとは?アマチュアとは何でしょう?」と言う問いかけをアマチュアの方にされたことがきっかけでこの記事を書くことになりました。
この問いかけに対する返答は以下の記事をご覧ください
プロアマ論は幾度となく繰り広げられ、あちこちで色々な方々がそれぞれの考えを持っておられます。これも音楽と同じで、「答えがたくさんあり、確実な間違いもある」と言うことだと思います。
先に述べておくと、この記事の本質はプロとアマの境界の話ではありません。
巷では
「プロ=それでお金を稼いで生活ができていると人」
と言う意見がありますが、それはこの記事の内容には当てはまりません。
この記事の本質は「プロとしての意識」であり、プロと言う括りに金銭的な事柄を絡める意図はありません。
しかし、当然プロの仕事であれば金銭は発生します。この辺りを有耶無耶にしている現場を我々はよく目の当たりにします。
プロの立場で「プロはどのようにするのがプロと思われるのか?」と言うことをプロアマ関係なく問いかけるものになります。
この辺りをご理解の上お読みください。
まず一番難しいのが、プロだと自覚し始めた駆け出しの頃。
僕は学生の頃から演奏の仕事などをしていたので、その頃からプロを自覚していました。しかし学生の頃の駆け出しプロだったので、ハッキリとしたプロ意識と言うものがどう言うものかは分かっていなかったと思います。
当時、先輩ミュージシャンに囲まれながらシビアな現場などにも出くわしたりもしました。
とあるリハーサルの日、僕は音源を聞けば大体雰囲気が掴めたので、適当に練習して行ったことがあります。
当時はまだそんなにプロだと言う事を重く受け止めていませんでした。あるプロの方にリハーサル後「誤魔化しながらやるやつはプロとは言えない。自分を誤魔化すと言う事は人を騙すのと同じ事だ」と、プロの重みについて指摘されたことがあります。
みんなの前で指摘されたのではなく、その方が「僕が練習をきちんとしていない」と見抜いてリハーサルの後ご飯を食べている時に僕に話してきたのです。
したがって、「誰がプロで誰がアマチュアか」と言う問いに対して、「プロと言うのはそう言うことが分かる人」ではないかと感じるようになりました。
プロ意識を持って活動していると、自ずと誰がプロなのかは見えてくると言うことです。
したがって、演奏の上手い下手や活動の頻度、認知度など、これらをプロの尺度に当てはめることは、僕は低レベルだと思います。
もちろんプロとしての相応のテクニックは必要ですが、それ以前に本人のプロ意識、それに対する周りのミュージシャンや演奏するお店、聴衆への責任感がプロとしてのファンダメンタルだと僕は考えています。
駆け出しのプロの頃は色々な失敗をします。それを周りのプロがきちんと指摘していくと言うことが最近はめっきり減ったと思います。
これはプロとアマチュアが一緒に演奏したり、アマチュアがチャージバックをもらって演奏する事に何も言わなくなった風潮も同じ事だと思います。
「時代がそうさせた」と言う意見もあるかと思いますし、「これからはそんな時代じゃない」と、僕もそう思うことはありますが、プロとアマチュアにははっきりとした違いがあります。
アマチュアミュージシャンがプロと勘違いしてしまう原因もここではないでしょうか?アマチュアとプロに上下関係はありません。アマチュアがプロになってはいけないなんて事もありません。
アマチュアはプロのようにダメ出しされても「アマチュアですから」と逃げることもできます。プロであれば、指摘されたら謙虚に受け止めるべきではないでしょうか?素晴らしいプロほどさまざまな面で謙虚だと思います。
※この表現は多くのアマチュアに対して語弊を生むかもしれませんが、アマチュアミュージシャンを悪く言う意図ではありません。責任感のないプロ意識を持った人が失敗に対して「アマチュアですから」と言い訳する人がいると言うことです。
プロの方々、アマチュアの方々、どのような意見をお持ちでしょうか?
追記:
Facebookで投稿したものにたくさんのコメントやシェアしていただき、プロアマ論についてはたくさんの方々が意識していらっしゃるのだと再認識しましたので、noteに再投稿しました。
どの世界にもプロが存在し、同じような論争がまき起こっていると思いますが、一番最初にも述べている通りこの話題にプロとアマの線引きをする意図はありません。
日頃から感じる「プロとは?」に僕なりの意見をこう言った場で投げかける事で様々な人が反応し、またプロアマの違いを意識する事で、それぞれの立場にいる方達が自信を持って活動できるようになるのではないかとも思いました。
本文にある通り、この話題にも答えはたくさんあります。
どうか「意見の押し付け」にならないよう、皆さんで共感したり批評したりしていただきたいと思います。
「こうあるべき」ではなくて、「私はこう考える」と言うニュアンスが良いかと思います。