Ryota Ueda

🎹ピアニスト 植田良太 感覚的な音楽を理論的に捉え、様々な角度からアプローチ。 しか…

Ryota Ueda

🎹ピアニスト 植田良太 感覚的な音楽を理論的に捉え、様々な角度からアプローチ。 しかし演奏スタイルは非常に直感的。 理論で裏付けた音楽を自然に聞こえるように意識して演奏しています。 https://www.ryotaueda.com/

最近の記事

日本におけるジャムセッションのあれこれ

はじめに僕は演奏活動をはじめて20年ちょっと経ちますが、その中でジャムセッションに参加したりホストも経験してきました。 この記事は読む人や解釈の仕方によっては否定的な表現に映ったり所々引っかかる表現もあるかもしれませんが、決して個人や特定のジャムセッションを揶揄しているのではありません。 この投稿をする理由の1つに「ジャズを演奏したいけどジャムセッションは雰囲気が怖いから参加を躊躇う」と言ったことや「初心者ばかりで張り合いがないのでもっと上手い人が集まるジャムセッションを

    • 適切に選んで使う

      レッスンの根本は「アドバイス」することだと僕は考えます。 レッスンは「教える」ことが主ではありますが、音楽、特にジャズを教えるときに「一つの答えになること」が少ないからです。 誰でも平等に「感じることができる音楽」を習いにきているのにも関わらずこちらの意見を一方通行で教えるというのは違和感を感じませんか? 「知りたい」「上手くなりたい」から習いに来る生徒に対して「音楽は感覚で覚えましょう」だけでは良くないし、「この答えは〇〇です」では音楽の意味がありません。 僕は自宅

      • 自由な表現とは何でしょうか

        近年YouTubeやその他SNSでの発信によって様々な社会を見ることができるようになりました。誰でも自由に発信し、表現する。それらは不特定多数の人が自由に批評する事ができ、ときにはトラブルが起こったりもします。 真面目で大袈裟ですが、自由とは? 辞書によると 自由とは「民主主義社会において認められている権利」の事で、1は「自由」そのものの意味ですが、社会においては2が尊重されます。 ジャズは自由な音楽だと言われていますが、コードに基づいたハーモニーの理論が存在します。

        • ドミナントのコードファンクション

          コードファンクションについて普段から意識しているでしょうか?コードファンクションとは「コードの機能」で、「あるキーにおけるそのコードの聴こえ方」の事です。 例えばCメジャー・キーに於いてCmaj7は落ち着いて聴こえるので「トニック」、G7はトニックに進みたくなる響きなので「ドミナント」となり、このコードファンクションは西洋音楽的な調性感が基になっています。 クラシックではより厳格な理論で転回形なども分類されていきますが、ジャズやポップスではこれらは一括りにされることも多い

        日本におけるジャムセッションのあれこれ

          白黒ハッキリさせるのはなぜ?日本人は黄色なのに

          芸能人の薬物使用とか暴力沙汰とか、連日ニュースで賑わってますが、「そこちゃうやろ」って思う事がたくさん。 どこぞの偉い大学出た人のコメントはそんなに正しい事なのかと感じます。 人間の社会ってそんなに白黒はっきり決めないといけないのでしょうか? 社会性なんて時代によって変わるわけで、今は正しいとされてることも時代の流れで「あの頃は〜」とか言ってることがザラですよね。 コンプライアンスとかは僕はミュージシャンで、大きな組織で働く事がないためわかりません。しかしコンプライア

          白黒ハッキリさせるのはなぜ?日本人は黄色なのに

          独学の危うさ

          独学で覚えてその道のエキスパートになる人はどの分野にも少数ですが存在します。 「天才現る!」 と言う見出しで話題になったりもしますよね。 インターネットが発達した現代では、かなりの事は独学で学べる時代になりました。たくさんある情報から正しいものとそうでないものを見分ける力がないと独学は非常危ういものとなります。 調べることをしないと言うのは論外ですが、たくさんの情報を調べると言う事で物事を比較するようになります。 GoogleやWikipediaで検索する事でたくさ

          独学の危うさ

          ハーモニックリズムについて

          皆さんご存知のAll The Things You Are マニアックな皆さんでなくてもジャムセッションに参加される方は何度も聞いていると思われるこの曲、1939年にJerome Kernによってミュージカルの曲として作られましたが、当時あまりそのミュージカルが流行らず曲も埋もれてしまいました。 ところが1940年代の後半、ビバップが開花する頃にジャズミュージシャンがこの曲を発掘、美しいメロディーラインとコードプログレッションが面白いと言うことでセッションでも頻繁に演奏さ

          ハーモニックリズムについて

          テンポ・ルバートについて

          演奏でよくルバートをやるのですが、これについて結構前から思ってる事があります。 「ルバートは自由なテンポなので、思うようにやれば良い」 とか 「シンガーの呼吸に合わせて、次のタイミングを出す」 とか色々と考える方も多いと思います。 でも果たしてルバートは自由なテンポでしょうか? 僕は根本が違うと思います。 そもそも「テンポ・ルバート」は「盗まれた時間」という意味で、本来そこにある音符の音価を奪って他の所に移動させるという意味で、テンポは変わらないそうで、それが現在

          テンポ・ルバートについて

          MistyのF7が気になる

          ジャズスタンダードのMisty、BセクションからAに戻る所でF7と表記している譜面がよくあります。このコード進行、違和感を感じるので僕はあまり好きではないです。 理由は3つあります。 メロディとルートが同音のために、印象が強すぎる F7が次のG-7に進みにくい 前のD7からの繋がりが急すぎる まず、1の理由 メロディとルート音が同音だととても強い印象になります。同じ音が重複してハーモニー的に分厚くなり、コード進行が止まって聞こえるため、2の理由につながります。 2

          MistyのF7が気になる

          良いものを選んで使う

          レッスンの根本は「アドバイス」することだと僕は考えます。 レッスンは「教える」ことが主ではありますが、音楽、特にジャズを教えるときに「一つの答えにまとまること」が少ないからです。 誰でも平等に「感じることができる音楽」を習いにきているのにも関わらずこちらの意見を一方通行で教えるというのは違和感を感じませんか? 「知りたい」「上手くなりたい」から習いに来る生徒に対して「音楽は感覚で覚えましょう」だけでは良くないし、「この答えは〇〇です」では音楽の意味がありません。 僕は

          良いものを選んで使う

          黒人差別を日本人がどう感じるのか

          差別についての考えこの記事は右寄りとか左寄りとかそういう事をいう場ではなく、差別について良いのか悪いのかということでもありません。アメリカで頻繁に起こっている事実を見て感じること、それに伴って起こる自分の意識の再認識と変化です。 メディアは偏向報道や切り取り報道がほとんどで、正しく見せるという事よりも「いかにドラマティックで刺激的に見せるか」と言う事を追求します。 そして、見る側はそれをさらに期待するために偏向報道が加速していきます。新聞、テレビなどのメディアは保守から革

          黒人差別を日本人がどう感じるのか

          日本語の語感と西洋の音楽

          唱歌「朧月夜」は今の季節にぴったりですが、この曲を演奏するたびにいつも気になります。 この曲、何拍目から始まってるの? 小学校で習うこの曲、僕は当然1拍目からだと思ってたのですが、3拍目からはじまるアウフタクト!というのを恥ずかしながらつい最近知ったんですよ😳 [な]のは〜な [ば]たけーに [い]ーりーひ [う]すれ〜 だと思ってたんですが、その方が歌詞の語感と合います。 ただし、ハーモニーに関しては大いなる違和感を感じませんか?特に3、4、8、16小節目のA-D

          日本語の語感と西洋の音楽

          西洋音楽が音楽の基礎にあるのは何故か

          記譜法や音階・調性や和声など、現代において一般的に音楽で使用される理論や音楽感覚は西洋音楽が基になっているのは「当たり前」とされていることです。 今回はピアニストとしての側面ではなくピアノレッスンや理論、イヤートレーニングをする「教育者」としての側面を考えた時、自分に於いて音感教育はどうあるべきなのかということを投稿してみます。 このようなタイトルを書くと必ず「音楽は西洋だけではない」「音楽に優劣はない」という意見が出てくるとは思いますが、僕は西洋音楽の考え方をきちんと学

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          西洋音楽の和声がなぜ世界に広まったか

          なぜトライトーンが不安定に感じるのでしょうか? 例えば「ドミナントコードは不安定でトニックに進む事で安心感を感じる」という事はなぜなのか。もっと日常的な所では、緊急地震速報のあの音はなぜビックリするのかとか、パソコンやゲーム機の起動音があのサウンドである理由などは人間が感じる音程感覚からくるものです。 クラシック音楽はもちろん、世の中に溢れるポップミュージック、ジャズ、それらから派生するほとんどの音楽は西洋音楽のハーモニー感覚が共通して存在します。 もちろん中南米、中東

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          ディズニー・エンターテイメントのすごさ

          東京ディズニーシーの一番奥の奥にあるシンドバッドのアトラクションをご存知でしょうか?待ち時間が120分とか180分などの人気アトラクションが目立つ中、待ち時間5分と言う脅威のアトラクションがあるのです。 ディズニー好き曰く「最強の休憩スポット」だそうです🥹しかし、僕はあれこそディズニーエンターテイメントの真髄が見られる最強のスポットだと思います。 その秘密は音楽にあります。 シンドバッドのアトラクションは、区画に分けられた建物の中をボートに乗ってひたすら進み、シンドバッ

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          ジャズの現場で使われる言葉 IMIJAZZ 2024

          Version 1.2 2024/02/14 更新 140語 IMIJAZZとは?普段のジャズライフにおいて「気になる会話」を理解できるようになるため、ジャズの現場でよく耳にする単語やフレーズを集めました。 ここに収録されている語句は直訳ではなく、よりスムーズなコミュニケーションが取れるために意訳を第一としています。 ジャズを演奏していてよく起こる現象や、こういう時はどうすれば良いのか?などをこのIMIJAZZを使って周りの方と感覚共有ができるようになりましょう! ラ

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