カウンターパフォーマンスvol.11~印象派~
先日CafeBarDonnaで開かれた夜会。
スペシャルなカクテルと料理でおもてなしさせて頂きました。
今回のテーマは『印象派』ということで、アーティストに因んだカクテルを創作(写真は妻が撮影してくれました)。
アペリティフ(食前酒)はセザンヌ。
セザンヌといえば林檎を思い浮かべる方も多いと思います。
アールグレイの茶葉をインフューズドしたジンと、カルヴァドス(アップルブランデー)をシェークして、ジンジャーエールで。
中に林檎をすりおろしたゼリーを入れました。
そしてメインのカクテルはモネとゴッホ。
モネは印象派の画家が好んだ技法である「筆触分割」からインスピレーションを受けて、そのような味わいのあるカクテルが作れたらなぁ、と。
連作である『睡蓮』をイメージし、ベリー系(ブルーベリー、ラズベリー、ピーチ、ヨーグルト、赤ワイン)を何層にも重ねてモネと同じように〝あえて混ぜない〟スタイルに。
シャインマスカットとピオーネ、そしてその他のベリーたちがジベルニーの庭に咲く花々を彷彿とさせます。
続いてゴッホのカクテルは、こちらも連作『ひまわり』を題材に。
ジャポニズムである浮世絵に強く影響を受けたゴッホ。
日本の色を出すためにほうじ茶を使用しました。
オレンジとマンゴーで目の覚めるようなイエローを。
グラスの中にはレモンとオレンジの輪切りが向日葵のように咲き誇ります。
トークの方はと言いますと〝印象派〟がなぜ生まれたか、そして時代にどのような影響を与えたか。
新しいパラダイムは常に「現在の否定」からはじまります。
その辺りを少し話したくらいに落ち着きました。
10,000字を超えるレジュメ(もはやレジュメの意味をなさない)を用意していたのに、ほぼほぼ使うことはなく。
また別の機会に文章でお届けできればと思います。
〈参照:en.wikipedia.org〉
ドビュッシーの『La Mer』をBGMに何点か本の紹介を。
原田マハさんの『たゆたえども沈まず』はゴッホと弟のテオ、そして日本人画商の林忠正の物語です。
セーヌ川に吹く風は強い。
でもそこに浮かぶ船は〝たゆたえども沈まない〟。
その言葉がゴッホの心情と重なります。
La Merは〝海〟という意味で、ジャケットに葛飾北斎の『神奈川沖浪裏』が使用されています。
ドビッシューの最高傑作でありながら印象主義音楽を代表する作品でもあります。
「音楽の本質は形式にあるのではなく色とリズムを持った時間なのだ」
という彼の発言における〝音〟の要素を表現しています。
もし、ご興味がある方は是非、次回のイベントにご参加くださいませ。